病院事務長が実務と経営の視点で語る、医療制度の最新動向。急性期〜回復期で幅広い部門を統括してきた経験をもとに、最新の令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈)や施設基準、医療DXの解説を音声で配信。経営層から現場の事務担当者まで、忙しい合間に「現場で使える知識」をアップデートできます。 <br/><br/><a href="https://www.daitoku0110.news?utm_medium=podcast">www.daitoku0110.news</a>

岡大徳のポッドキャスト
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病院事務長が実務と経営の視点で語る、医療制度の最新動向。急性期〜回復期で幅広い部門を統括してきた経験をもとに、最新の令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈)や施設基準、医療DXの解説を音声で配信。経営層から現場の事務担当者まで、忙しい合間に「現場で使える知識」をアップデートできます。 <br/><br/><a href="https://www.daitoku0110.news?utm_medium=podcast">www.daitoku0110.news</a>
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June 9, 2026
令和8年度改定で認知症ケア加算が変わる|点数引き上げと身体的拘束減算の強化
<p>認知症を抱えたまま身体疾患で入院する高齢患者が、年々増えている。こうした患者の安全を守るための身体的拘束をいかに減らすかが、近年の診療報酬改定で重要なテーマとなってきた。本稿では、<a target="_blank" href="https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70414.html">令和8年度診療報酬改定</a>における「認知症ケア加算の見直し」を、その背景とあわせて解説する。</p><p>今回の見直しは、「ケアの評価を手厚くする」方向と「身体的拘束をより強く抑える」方向を組み合わせている。第一に、認知症ケア加算1〜3のすべての区分で、基本点数を引き上げた。第二に、身体的拘束を実施した日の減算を、所定点数の100分の40から100分の20へと強化した。これら2つの見直しは、組織で統一した取組を通じて身体的拘束の最小化を進める狙いを持つ。</p><p>1. 前提:認知症ケア加算とは何か</p><p>認知症ケア加算は、身体疾患で入院した認知症患者へのケアを評価する診療報酬である。対象は、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準ランクⅢ以上の患者(重度の意識障害がある者を除く)とされる。算定は1日につき行われ、入院後14日以内の期間と15日以上の期間で点数が分かれている。</p><p>この加算は、ケアの体制に応じて加算1から加算3までの3段階に分かれている。加算1は、専任の医師・看護師・社会福祉士などからなる認知症ケアチームによる取組を評価する。加算2は、専任の医師または専門性の高い看護師による取組を評価する。加算3は、研修を受けた病棟看護師による取組を評価する。いずれの区分でも、身体的拘束を必要としない環境づくりや、やむを得ず実施する場合の早期解除が、算定の要件に組み込まれている。</p><p>2. 改定その1:基本点数の引き上げ</p><p>今回の見直しは、まず認知症ケア加算の基本点数を全区分で引き上げた。引き上げは加算1から加算3まで、また14日以内・15日以上のすべての区分に及ぶ。これは、認知症患者へのアセスメントやケアの充実そのものを、これまでより手厚く評価する措置である。</p><p>具体的な点数の変化は、次のとおりです。認知症ケア加算1は、14日以内の期間が180点から186点へ、15日以上の期間が34点から39点へ上がります。認知症ケア加算2は、14日以内の期間が112点から115点へ、15日以上の期間が28点から31点へ上がります。認知症ケア加算3は、14日以内の期間が44点から47点へ、15日以上の期間が10点から13点へ上がります。</p><p>この引き上げは、適切なケアを提供する医療機関を後押しする「飴」にあたる。点数が上がることで、認知症患者への丁寧なケアに取り組む経済的な裏付けが強まる。次に述べる減算の強化と組み合わせることで、改定の方向性がより明確になる。</p><p>3. 改定その2:身体的拘束実施日の減算の強化</p><p>基本点数の引き上げと対をなすのが、身体的拘束を実施した日の減算の強化である。改定後は、身体的拘束を実施した日の点数が、所定点数の100分の40から100分の20へと引き下げられる。つまり、拘束のない日に算定できる点数に対して、拘束を行った日に算定できる割合が半分(20%)にまで縮むことになる。</p><p>この減算は、身体的拘束を抑える「鞭」にあたる。たとえば認知症ケア加算1(14日以内)の場合、拘束のない日は186点を算定できる。一方で拘束を行った日は、その20%にあたる約37点にとどまる。拘束する日としない日の差が大きくなるほど、拘束を避ける動機が強まる仕組みである。</p><p>減算の強化は、今回が初めてではなく、段階的に進められてきた経緯がある。平成28年度に認知症ケア加算が新設された当初、拘束日の点数は100分の60であった。令和6年度改定でこれが100分の40に引き下げられ、今回さらに100分の20へと強化される。60、40、20という数字の推移は、身体的拘束の抑制を年々強める国の姿勢を示している。</p><p>4. 改定の背景と狙い</p><p>この2方向の見直しは、データと議論の積み重ねを背景としている。令和6年度改定で減算が強化された後、認知症ケア加算を算定した日のうち身体的拘束を実施した日の割合は、減少に転じた。この動向を踏まえ、中央社会保険医療協議会の分科会では、評価をさらに厳格化することもあり得るのではないかとの意見が出された。今回の減算強化は、こうした議論を反映したものである。</p><p>見直しのもう一つの狙いは、組織で統一した取組を促すことにある。身体的拘束を減らすには、現場の努力だけでなく、管理者が主体となった意識づくりが欠かせない。改定資料でも、組織で統一した取組により、適切なケアや支援を推進することが明記されている。点数の引き上げと減算の強化は、こうした組織的な取組を診療報酬の面から後押しする手段といえる。</p><p>まとめ</p><p>令和8年度改定における認知症ケア加算の見直しは、「ケアの評価充実」と「身体的拘束の抑制強化」という2つの方向を組み合わせたものである。第一に、加算1〜3の全区分で基本点数を引き上げ、丁寧なケアを後押しした。第二に、身体的拘束を実施した日の減算を100分の40から100分の20へ強化し、拘束を避ける動機を強めた。これらの見直しは、組織で統一した取組を通じて身体的拘束の最小化を進める、国の一貫した方針を映し出している。</p> <br/><br/>Get full access to 岡大徳のメルマガ at <a href="https://www.daitoku0110.news/subscribe?utm_medium=podcast&utm_campaign=CTA_4">www.daitoku0110.news/subscribe</a>

June 8, 2026
令和8年度改定 身体的拘束最小化の3つの見直しを解説
<p>令和6年度診療報酬改定では、身体的拘束の最小化に向けた取組が入院料の通則に規定されました。この規定により、医療機関は緊急やむを得ない場合を除いて身体的拘束を行わない方針と、組織的に拘束を最小化する体制の整備を求められています。しかし、その後の調査では、施設間で身体的拘束の実施状況に大きな差が残ることが明らかになりました。本記事は、この差を埋めるために行われる<a target="_blank" href="https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70414.html">令和8年度改定</a>の見直しを、3つのポイントに整理して解説します。</p><p>令和8年度改定は、3つの見直しで身体的拘束の最小化を更に推進します。第1の見直しは、組織風土や実績の要件を加えた通則基準の充実です。第2の見直しは、体制の基準を満たす施設の減算を40点から20点へ軽減する見直しです。第3の見直しは、1日40点を算定できる「身体的拘束最小化推進体制加算」の新設です。</p><p>1.通則基準の充実 ― 取組の「質」を3つの追加で高める</p><p>通則基準の充実は、取組の質を高めるための3つの追加で構成されます。1つ目は組織風土に関する追加です。2つ目は研修内容に関する追加です。3つ目は実績要件の追加です。以下、それぞれを順に説明します。</p><p>組織風土の醸成は、基準に新たに明記された考え方です。改定後の基準は、患者の尊厳の保持と療養環境の質の確保という観点を冒頭に掲げます。この観点のもとで、医療機関は緊急やむを得ない場合を除き身体的拘束を行わない方針を徹底します。さらに、こうした方針を組織全体に根づかせる組織風土の醸成にも努めることが求められます。</p><p>研修内容の充実は、職員の意識を高めるための追加です。改定後の研修では、含むことが望ましい内容として2つの項目が新たに示されました。1つは身体的拘束の代替手段に関する内容です。もう1つは患者の尊厳の保持の重要性に関する内容です。あわせて、拘束を最小化する指針には、鎮静を目的とした薬物の適正使用などの内容を必ず盛り込むことになりました(従来は「盛り込むことが望ましい」)。</p><p>実績要件の追加は、取組の成果を確認するための新しい基準です。この要件は、2つの選択肢のいずれかを満たすことを求めます。1つ目の選択肢は、身体的拘束の実施割合を医療機関内で1割5分(15%)以下に抑えることです。2つ目の選択肢は、拘束の原則廃止に向けて、3つの取組すべてを継続することです。3つの取組とは、3か月に1回以上の委員会の開催、拘束病棟での解除・代替策の検討(巡回または都度の多職種検討)、年2回以上の研修です。</p><p>実績要件には、施設の準備期間を見込んだ経過措置が用意されています。令和8年3月31日時点で届出を行っている病棟は、令和9年5月31日まで猶予されます。この期間は、指針への記載と実績の要件を満たしているものとして扱われます。</p><p>2.減算の見直し ― 体制を整えた施設は20点へ軽減</p><p>減算の見直しは、体制づくりに努める施設の負担を和らげる仕組みです。従来は、身体的拘束最小化の基準を満たせない施設に対し、入院料から1日40点を一律に減算していました。改定後は、この40点減算を原則としつつ、体制の基準を満たす施設には20点減算という軽い扱いを設けます。</p><p>20点減算の対象は、体制は整えたが実績の基準には届かない施設です。改定後の基準は、体制に関する基準と実績等に関する基準の2階建てに分かれます。このうち体制の基準だけを満たす施設は、40点ではなく20点の減算ですみます。一方、体制の基準すら満たせない施設は、これまでどおり40点の減算となります。</p><p>3.新加算の創設 ― 質の高い取組を1日40点で評価</p><p>身体的拘束最小化推進体制加算は、特に質の高い取組を評価する新しい加算です。この加算は、1日につき40点を算定できます。算定できる病棟は、療養病棟入院基本料をはじめとする6つの入院料・管理料を算定する病棟に限られます。算定には、体制・実績・情報公開という3種類の施設基準を満たす必要があります。</p><p>対象となる病棟は、6つの入院料・管理料に対応します。具体的には、療養病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料、有床診療所療養病床入院基本料、地域包括ケア病棟入院料、特殊疾患入院医療管理料、特殊疾患病棟入院料です。これら以外の入院料を算定する病棟は、本加算の対象に含まれません。</p><p>施設基準は、3つの柱で組み立てられています。第1の柱は、拘束の最小化に資する十分な体制の整備です。第2の柱は、当該病棟における十分な実績の確保です。第3の柱は、取組内容の情報公開です。具体的には、病院全体としての取組・原則として拘束を行わない方針・拘束の実施状況の3点を、院内の見やすい場所に掲示し、あわせて原則としてウェブサイトにも掲載します。</p><p>まとめ ― 患者の尊厳を守るケアを後押しする改定</p><p>令和8年度改定は、3つの見直しで身体的拘束の最小化を更に推進します。通則の基準は、組織風土と実績の要件を加えて充実します。減算は、体制の基準を満たす施設で40点から20点へ軽減されます。そして、質の高い取組には「身体的拘束最小化推進体制加算」として1日40点が新たに評価されます。これらの見直しは、患者の尊厳を守るケアを後押しするものといえます。</p> <br/><br/>Get full access to 岡大徳のメルマガ at <a href="https://www.daitoku0110.news/subscribe?utm_medium=podcast&utm_campaign=CTA_4">www.daitoku0110.news/subscribe</a>

June 7, 2026
令和8年度診療報酬改定|腹膜透析の医療機関間連携をやさしく解説
<p>腹膜透析を管理できる医療機関は、二次医療圏によって偏りがある。この偏りのため、基幹病院から遠い地域の患者は、質の高い腹膜透析管理を受けにくい。本稿は、この課題に対応する<a target="_blank" href="https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70414.html">令和8年度診療報酬改定</a>の項目「医療機関間連携による腹膜透析管理の推進」を解説する。</p><p>今回の改定は、腹膜透析を導入する基幹病院と、患者の身近で管理を行うかかりつけ医との役割分担を、新たに評価する。具体的には、在宅自己腹膜灌流指導管理料を「管理料1」と「管理料2」に区分した。さらに、管理料2(1,500点)を新設し、基幹病院がかかりつけ医の求めに応じて指導管理を行った場合に算定できるようにした。ただし、管理料2の算定には、施設基準の届出と「一連の治療につき2回まで」という制限が設けられている。</p><p>なぜ連携が必要か|腹膜透析管理の地域格差</p><p>腹膜透析の管理には専門的な体制が必要であり、その体制を備えた医療機関は地域に偏在している。</p><p>腹膜透析は、患者自身の腹膜を使って血液を浄化する在宅治療である。患者は、おなかに留置したカテーテルから透析液を出し入れする。この入れ替えを自宅で続けることで、透析が成立する。腹膜透析は、通院回数が少なく、生活の自由度が高いという利点を持つ。一方で、感染症や合併症を防ぐため、専門的な指導管理が欠かせない。</p><p>こうした専門的な管理を担うのは、腹膜透析の導入から指導までを行う基幹病院が中心である。しかし、基幹病院は都市部に集中し、腹膜透析を管理できる医療機関が乏しい二次医療圏は多い。その結果、基幹病院から遠い地域の患者は、頻繁な通院が難しく、適切な管理を受けにくい。この医療アクセスの課題を解決する手段が、基幹病院とかかりつけ医の連携である。</p><p>改定の具体的内容|管理料の区分と管理料2の新設</p><p>今回の改定は、在宅自己腹膜灌流指導管理料を2つに区分し、連携を担う管理料2を新設した。</p><p>現行の在宅自己腹膜灌流指導管理料は、4,000点の一本立てであった。改定後は、この管理料を「管理料1」と「管理料2」の2つに区分する。管理料1は、従来どおり4,000点であり、患者を継続的に管理するかかりつけ医が算定する。</p><p>新設された管理料2は、1,500点であり、連携先の基幹病院が算定する。具体的には、管理料1を算定しているかかりつけ医の求めに応じて、基幹病院が指導管理を行った場合に算定できる。対象となるのは、頻回に指導管理を行う必要がある患者である。この仕組みにより、患者は身近なかかりつけ医に通いながら、必要なときに基幹病院の専門的な管理を受けられる。</p><p>管理料2の算定要件|施設基準と算定回数の制限</p><p>管理料2の算定には、施設基準の届出と算定回数の制限という2つの要件がある。</p><p>1つ目の要件は、施設基準の届出である。管理料2を算定する医療機関は、「腹膜透析患者に対する診療を行うにつき必要な体制が整備されていること」という施設基準を満たさなければならない。そのうえで、地方厚生局長等に届け出る必要がある。</p><p>2つ目の要件は、算定回数の制限である。管理料2は、一連の治療につき2回までしか算定できない。この制限により、連携は患者にとって必要な範囲に保たれる。</p><p>補足|算定にあたっての留意点</p><p>ここで、算定にあたって誤解しやすい3つの点を補足する。</p><p>第一に、これらの管理料の算定対象は、在宅自己連続携行式腹膜灌流(CAPD)を行う患者である。CAPDは、透析液の出し入れを患者が一日数回くり返す腹膜透析の代表的な方法を指す。本稿では腹膜透析と総称してきたが、算定上の対象はこのCAPDを行う入院中以外の患者に限られる。</p><p>第二に、管理料1には、現行から変わらない算定ルールが残っている。頻回に指導管理を行う場合、同一月内の2回目以降は1回2,000点を月2回まで算定できる。ただし、同一月内に人工腎臓(J038)または腹膜灌流の1(J042)を算定する場合、この2回目以降の費用は算定しない。</p><p>第三に、「2回」という回数が、2つの異なる意味で登場する。管理料1の頻回時の算定は「同一月内に月2回まで」を指す。一方、新設の管理料2は「一連の治療につき2回まで」を指す。両者は対象も期間も異なるため、混同しないよう注意したい。</p><p>まとめ</p><p>今回の改定は、腹膜透析を導入する基幹病院とかかりつけ医の役割分担を、新たに評価する。在宅自己腹膜灌流指導管理料を管理料1と管理料2に区分し、基幹病院がかかりつけ医の求めに応じて指導管理を行う管理料2(1,500点)を新設した。この連携の仕組みは、施設基準の届出と一連の治療につき2回までの制限のもとで運用される。腹膜透析を管理できる医療機関が乏しい地域でも、患者は医療アクセスを確保しつつ、質の高い管理を受けられるようになる。</p> <br/><br/>Get full access to 岡大徳のメルマガ at <a href="https://www.daitoku0110.news/subscribe?utm_medium=podcast&utm_campaign=CTA_4">www.daitoku0110.news/subscribe</a>
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