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ヒダテン!ボイスドラマ

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by Ks(ケイ)、湯浅一敏、飛騨・高山観光コンベンション協会

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Podcast Overview

飛騨高山を舞台にした珠玉のボイスドラマをお届けします。コミュニティFM Hit's FM(Hida Takayama Tele FM) で放送中の人気ラジオ番組! ヒダテン!のCV声優10名 が入れ替わりパーソナリティを務める「Hit’s Me Up!(ヒッツ・ミー・アップ!)」の中で放送されているボイスドラマです!ボイスドラマを通じて飛騨高山の魅力に触れてみてください! <番組の特徴> ・ 飛騨高山を舞台にしたボイスドラマを多数制作! これまでに100本以上の作品を発表し、地元の魅力を物語として発信 ・ 放送情報   放送局1: Hit's FM(Hida Takayama Tele FM)   放送時間:毎週金曜10:30-11:00/毎週土曜13:30-14:00   放送局2: FMらら(FMラインウェーブ株式会社)   放送時間:毎週金曜13:00-13:30   配信:Spotify、apple(iTune)ミュージック、amazonミュージック、YouTubeミュージック、CastboxなどのPodcastで番組とリンクして配信中! 飛騨高山の美しい風景とアニメ文化をつなぐ、唯一無二のラジオ番組! 「Hit’s Me Up!」を聴けば、新たなエンタメの扉が開きます!

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1/17/2025

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June 19, 2026

ボイスドラマ「いつかの弁当」

<p>マッチングアプリで元上司とブラインドデート!?不器用すぎる大人の恋の物語</p><p>【ペルソナ】</p><p>・さくら(CV=29歳:岩波あこ)=静と同じ市民課に務める市職員。彩羽にとっては相談できる唯一の女性</p><p>・彩羽(いろは=18歳/CV:坂田月菜)=高校生のとき東京から高山市街地へ引っ越してきて、卒業後は高山市役所市民課で働く市職員</p><p>・静(しずか=61歳/CV:日比野正裕)=大学新卒以来高山市役所市民課で働く生え抜きの市職員</p><p>【プロローグ:市役所の休憩室】</p><p>◾️SE:休憩室のざわめき/お湯を沸かす音など</p><p>「いただきま〜す」</p><p>「まあ、おいしそうなお弁当」</p><p>「あ・・さくらさん・・」</p><p>遅い昼食をとろうと休憩室に入ると</p><p>新人の彩羽と目が合った。</p><p>ちょうどお弁当を食べようとしていたらしい。</p><p>「お疲れ様です!」</p><p>私はさくら。</p><p>高山市役所で働く市民課の戸籍係。</p><p>彩羽は住民登録係だから、仕事上はそんなに接触はないんだけど・・</p><p>いや。</p><p>それは違うわね。</p><p>ちょっと前までは接触どころか、</p><p>彩羽のおうちでご飯まで食べるような関係だったし。</p><p>実は、彼女のお祖父様が、私の元上司。</p><p>詳しいことは、前編の『最後の弁当』『最初の弁当』を聴いてね。</p><p>「さくらさんもいまからお昼ですか?」</p><p>「うん。</p><p>遅くなっちゃったけど・・</p><p>彩羽さんも?」</p><p>「はい。</p><p>朝からずっとバタバタして・・マイナンバーの申請とかいっぱいで」</p><p>「それ、こも豆腐?」</p><p>「そうです・・」</p><p>「ひょっとして・・・部長・・いえ、おじいさまの手料理?」</p><p>「はい!」</p><p>「すごいわねえ、部長、じゃなくて、おじいさまも」</p><p>「部長でいいですよ。</p><p>その方があの頃を思い出してワクワクするし」</p><p>「ごめんなさい。じゃ、お言葉に甘えて」</p><p>「こも豆腐って珍しいんですか?」</p><p>「ううん、その逆。</p><p>むしろ、高山のソウルフード」</p><p>「へえ〜」</p><p>「お豆腐を”こも”に包んで、茹でてから出汁で煮込むの」</p><p>「”こも”?」</p><p>「わらで編んだむしろよ。</p><p>ほら、お豆腐の表面にわらの模様があるでしょ」</p><p>「うん」</p><p>「ほんのり、わらのいい香りもしない?」</p><p>「ホントだ〜」</p><p>「お祝いごととか、ハレの日に出すお料理なのよ」</p><p>「知らなかった〜」</p><p>「あ、それと・・飛騨牛のしぐれ煮も」</p><p>「そう。私が美味しい!って言ったら、毎日お弁当に入れてくれるの」</p><p>「へえ〜」</p><p>「汁気をしっかり切ってご飯に乗せてるから、お肉がしっとりして美味しいんだ〜」</p><p>「部長って・・・彩羽さんにはホント、優しいのねえ」</p><p>「・・さくらさん・・・」</p><p>「なあに?」</p><p>「あの・・・さくらさんに相談したいことがあるんですけど・・・」</p><p>向き直った彩羽が、急に真面目な顔になる。</p><p>「今日・・・役所が終わってから少し話せませんか?」</p><p>「いいわよ。</p><p>じゃあ・・・あそこにする?</p><p>あの・・なんだっけ・・・名前のない・・カフェ」</p><p>「やった。前から行きたかったんだ、あのお店」</p><p>彩羽は、私の返事を聞くと、安心したように声を弾ませた。</p><p>「抹茶バスクチーズケーキ!</p><p>食べたーい!」</p><p>【シーン1:名前のないカフェ】</p><p>◾️SE:カフェのガヤ</p><p>「どうしたの?彩羽さん</p><p>食べないの?</p><p>チーズケーキ」</p><p>「はい。</p><p>お腹は減ってるけど・・・おじいちゃんのこと考えると・・」</p><p>「え?」</p><p>「考えれば考えるほど、胃が痛くなりそう」</p><p>※急に深刻になり身を乗り出す</p><p>「部長、どうかしたの?まさか・・どこか悪いとか?」</p><p>「いや、実は・・・さくらさんにお願いしたいことがあるんです・・・」</p><p>「お願い?」</p><p>※悩んだ末に思い切って</p><p>「あの・・・おじいちゃんを止めてください!」</p><p>「え?なに?いきなり・・」</p><p>「このままだと、マッチングアプリに結婚させられちゃう!」</p><p>「ちょっとちょっと。</p><p>話がよく見えないわ。</p><p>落ち着いてお話して」</p><p>「はい・・あ・・ごめんなさい」</p><p>「マッチングアプリって?」</p><p>「恋人とか結婚相手を探すやつです」</p><p>「そんなことは知ってるわ」</p><p>「おじいちゃん、私が働き初めてから毎日お弁当作ってくれてるんですけど」</p><p>「そうね」</p><p>「毎朝、朝市で食材買いに出かけるの」</p><p>「まあ」</p><p>「で、野菜売ってるおばちゃんと仲良くなって」</p><p>「ああ、あのおばちゃん?」</p><p>「はい。</p><p>それで、おばちゃんから、独り身でいるのは大変だからって」</p><p>「え?</p><p>それで?」</p><p>「マッチングアプリに登録しなさいって言われて・・」</p><p>「登録しちゃったの?」</p><p>※泣きそうな声で</p><p>「はい」</p><p>「部長ったら・・・」</p><p>「私、こっそりおじいちゃんのスマホのぞいたんですけど」</p><p>「だめよ、そんなことしちゃ」</p><p>「いいの、おじいちゃん危なっかしいんだから。</p><p>アカウントのデータ入力だって、私がしてあげてるもん」</p><p>「まあ」</p><p>「それが最近『いいね!』を結構もらってて」</p><p>「部長って、ビジュ悪くないもんね」</p><p>「とうとう『お会いしましょ』ってメッセージまで来ちゃったんです」</p><p>「あらまあ・・</p><p>でも、いいことじゃない」</p><p>「なんで?</p><p>さくらさんはそれでホントにいいんですか?」</p><p>「いいに決まってるわ。</p><p>部長、奥さん亡くされてからだいぶ経ってるし」</p><p>「それそれ。</p><p>おばあちゃんだって許すわけない」</p><p>「許すわよ」</p><p>「どうしてそんなことわかるんですか?」</p><p>「だってあのときは部長、見ていて胸が締め付けられるほど痛々しくて・・</p><p>声もかけられなかったもの」</p><p>「だったら、よけいダメでしょ」</p><p>「ううん。そんな部長が彩羽さんのおかげで、こんなに明るくなったのよ。今度は自分が幸せになる番じゃない」</p><p>「違う。次はさくらさんの番なの!」</p><p>「また、わけのわかんないこと言って」</p><p>「さくらさん」</p><p>「なあに?」</p><p>「おじいちゃんのこと、好きじゃないんですか?」</p><p>「えっ・・な、なに言ってんの!」</p><p>「だって・・だって、おじいちゃん、</p><p>このままだと誰かと結婚しちゃうかもしれないのに・・」</p><p>「い、いいんじゃない・・?部長にとっても、その方が」</p><p>「そんなん、絶対よくない」</p><p>「言い切っちゃうのね。</p><p>でも、彩羽さん・・</p><p>私は・・・大賛成よ。</p><p>だって部長には、幸せになってほしいもの」</p><p>「それは幸せなんかじゃないって!</p><p>もう〜、なんて言えば、わかってもらえるの〜」</p><p>「さあさあ、それよりケーキ、食べましょ。</p><p>上に乗ったアイス、とけちゃうわよ」</p><p>「わかった〜。</p><p>もう、やけ食いだぁ。</p><p>あ・・・でもさくらさん、ひとつだけ約束して」</p><p>「なにを?」</p><p>「おじいちゃんがマッチングアプリの相手と会うより前に</p><p>一度うちへ来ること」</p><p>「いいけど・・・なんで?</p><p><u>ご無沙汰だから、</u>部長びっくりするんじゃない」</p><p>「おじいちゃんはいいの」</p><p>彩羽の主張が、だんだん支離滅裂になってくる。</p><p>それでも、困り眉のまま、ケーキを口に運ぶと、</p><p>「んま〜い!抹茶とチーズのマッチングが、も最高!」</p><p>私は思わず吹き出しそうになる。</p><p>若いっていいなあ・・・</p><p>結局、週末に彩羽の家へお邪魔することになったけど。</p><p>【シーン2:彩羽の家】</p><p>◾️SE:玄関の扉を開ける音</p><p>「いらっしゃい!さくらくん!」</p><p>彩羽のおうち。</p><p>というより部長のご自宅。</p><p>部長自ら満面の笑みで迎えてくれる。</p><p>4月にリタイアされてから顔を見るのは初めて。</p><p>なんだか、在職してるときより、顔色よくなったんじゃないかしら。</p><p>「さあ、今日は私が手料理を振る舞うから、</p><p>さくらくんはゆっくりしてってくれ」</p><p>「いらっしゃ〜い」</p><p>後ろから彩羽がひょっこり顔を出す。</p><p>「座って座って、さくらさん」</p><p>言われるまま食卓へ腰を下ろすと、私の横に彩羽も座った。</p><p>「ねえ、おじいちゃ〜ん。</p><p>今日はなに作ってくれるの〜?」</p><p>「今日のメインディッシュは飛騨牛の『朴葉味噌焼き』だよ。</p><p>さくらくんが来るっていうから</p><p>奮発してA5ランクのロースにしたんだ」</p><p>「わ、やったぁ」</p><p>「ホントはフィレにしようと思ったんだがね、</p><p>フィレの旨味が味噌の味に負けてしまうといけないから」</p><p>「なんだか部長、すっかりプロのシェフみたいですね」</p><p>「いやあ、まだまだ勉強中さ。</p><p>そうそう、肉は薄切りのロースだけど、野菜をたっぷり入れるからね。飛騨一本太ネギにしめじ、えのき、まいたけ・・」</p><p>「おいしそう」</p><p>「おじいちゃん、マッチングアプリのお相手にいいとこ見せたいんでしょ」</p><p>「え?」</p><p>「なっ、な、なにを言うんだ、いきなり・・」</p><p>「いつデートするんだっけ〜?」</p><p>「ばっ、ばかなこと言ってないで・・・</p><p>さ、さくらさんにお茶でも淹れてあげなさい」</p><p>「あ、私やります」</p><p>「だめ。さくらさんは座ってて。</p><p>お客さんなんだから」</p><p>「いいのよ。ここの<u>お台所</u>は、ようく知ってるから」</p><p>「あ、そっか〜。</p><p>さくらさん、ここでずっと料理教えてたもんね。</p><p>おじいちゃんに」</p><p>なあに、このシチュエーション。</p><p>彩羽の意図が見えないんだけど。</p><p>何か企んでいるような顔でニヤニヤして・・</p><p>私は気にしていないフリをして紅茶を淹れる。</p><p>「さくらさんってさあ、どこに住んでるんだっけ」</p><p>「え・・」</p><p>「そういえば、聞いたことなかったな、って」</p><p>「こら彩羽、個人情報だぞ」</p><p>「駅の西。岡本町(おかもとまち)のアパートよ」</p><p>「一人暮らしだっけ?」</p><p>「彩羽」</p><p>「そう。</p><p>でも実家は荘川よ」</p><p>「そうなんだあ」</p><p>「彩羽さんとおんなじ。</p><p>高校を卒業して市役所に入庁したの。</p><p>最初はバスで通ってたんだけど、</p><p>1年経ってから、思い切って一人暮らしを始めたんだ・・。</p><p>今年でもう10年になるかなあ」</p><p>「そっかぁ。</p><p>ってことは今年でさくらさん・・・」</p><p><br></p><p>※続きは音声でお楽しみください。</p>

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June 12, 2026

ボイスドラマ「if。君のその手に触れられたら」

<p>もし、あの日、古い町並で“あの音”を聞かなかったら。</p><p>飛騨高山の伝統工芸「一位一刀彫」をテーマに描く青春ボイスドラマ。</p><p>【ペルソナ】※Yew(ユウ)は一位の木の英語名/marja(マリヤ)は一位の木のフィンランド語名</p><p>・ユウ(17歳)/山﨑るい=高根町で生まれた少年/市街地の叔父の家に居候して高校へ通う。市街地の工房で出会ったアッシュに一目惚れして軽い気持ちで一位一刀彫に興味を持つ</p><p>・アッシュ/本名はアストリッド(18歳)/山﨑るい=フランス人の留学生。ワーキンングホリデーで出会った一位一刀彫に魅せられて本気で修行したいと思い文化活動ビザ取得を目指す</p><p>・マリヤ(17歳)/岩波あこ=ユウの遊び仲間/ユウに好意を寄せるが告白していない</p><p>・親方(68歳)/日比野正裕=一位一刀彫の職人。飛騨の匠</p><p>・先生(40歳)/日比野正裕=優しいめがねをはめた先生</p><p>[シーン1:古い町並】</p><p>◾️SE:古い町並の雑踏</p><p>「Je suis désolée.」</p><p>※アッシュの声(CV:リア)=<a href="https://hidaten.com/wp-content/uploads/2026/05/Aicha-Lea.mp3"><u>https://hidaten.com/wp-content/uploads/2026/05/Aicha-Lea.mp3</u></a></p><p>「え?」「何語?」</p><p>「フランス語でしょ」</p><p>古い町並に面した一位一刀彫の工房。</p><p>通りから見えるところで、女の子がノミをふるってる。</p><p>思わず声をかけたら、振り返ったのはなんと・・・金髪の女性だった。</p><p>「ちょっともう〜。行くよ、ユウ!」</p><p>横で怖〜い顔してボクを睨んでいるのは、同級生のマリヤ。</p><p>怒ると怖いんだよなあ。</p><p>そのやりとりを見ていた、ブロンド女子が笑ってる。</p><p>ボクの名前はユウ。</p><p>生まれた家は高根町。</p><p>市街地の叔父さんちから高校へ通う一年生。</p><p>入学したのは今年の4月。部活は帰宅部。</p><p>放課後はいつも寄り道して、古い町並で遊んでる。</p><p>で、ボクと同じように古い町並をぶらぶらしてたのがマリヤ。</p><p>話しかけたら、同じ高校の同じ一年生だったんだ。</p><p>どこに住んでるの、って聞いたら・・</p><p>「荘川よ」</p><p>「へえ〜」</p><p>「放課後どんなに急いでも</p><p>1時間以上バスを待たなきゃいけないの。</p><p>だからいつもブラブラしてる。</p><p>あんたは?」</p><p>「ボクは帰宅部。</p><p>実家は高根だけど、市街地のおじさんちに居候」</p><p>「荘川と高根じゃ、真逆ね。</p><p>はは・・」</p><p>という感じで、意気投合。</p><p>以来ほとんど毎日、2人で古い町並を徘徊。</p><p>今日も今日とて歩いてたら、聞きなれない音が聞こえてきた。</p><p>耳をすましたら、なんとノミの音。</p><p>あとから聞いたら一位一刀彫っていうらしい。</p><p>工房が公開されてて、実演をしてた。</p><p>職人さんは若い女の子っぽい。</p><p>藍染めの作務衣に、頭に巻いた白い手ぬぐい。</p><p>脇目も振らず一心不乱にノミをふるう。</p><p>その仕草にボクの目は釘付けになっちゃって・・</p><p>それで、つい声をかけちゃったんだ。</p><p>まさか金髪女子とは・・・</p><p>少し気恥ずかしくて、足早に立ち去るボクとマリヤ。</p><p>「行くよ、ユウ」</p><p>背中越しに、フランス語が聞こえてきた。</p><p>「Salut!」</p><p>※アッシュの声(CV:リア)=<a href="https://hidaten.com/wp-content/uploads/2026/05/Lea.mp3"><u>https://hidaten.com/wp-content/uploads/2026/05/Lea.mp3</u></a></p><p>なんか、周りの観光客にも笑われてるような気がして。</p><p>高山駅までの間、マリヤはずうっとボクを睨んでいた。</p><p>[シーン2:古い町並の公開工房】</p><p>◾️SE:古い町並の雑踏</p><p>「ハーイ!ユウ!</p><p>マリヤも!」</p><p>笑顔でアッシュがボクたちを出迎える。</p><p>奥の親方は相変わらず怖い顔。</p><p>アッシュというのは、ブロンドの女の子。</p><p>マリヤが言ったように、フランス人だった。</p><p>翌日。</p><p>結局ボクたちは・・</p><p>っていうかボクは、アッシュに魅せられて</p><p>また、工房へ行ったんだ。</p><p>マリヤはあきれてたけど、ついてきた。</p><p>アッシュは、一位一刀彫の工房で働く、見習い職人。</p><p>見習い、とはいっても、この夏でもう一年になるらしい。</p><p>で、どちらからともなく、話をするようになって・・・</p><p>あ、もちろん、日本語でね。</p><p>彼女、アッシュは、英語、フランス語、日本語がペラペラなんだ。</p><p>(※以下、流暢な日本語で)</p><p>「私、去年の夏に、高山へ来た。</p><p>ワーキングホリデーね。</p><p>最初は外国人観光客向けのゲストハウスで働いてたの。</p><p>お休みの日に、この工房で実演を見てすごくショック受けた」</p><p>「なんで?」</p><p>「フランスにも木彫りってあるんじゃないの?」</p><p>「あるよ。</p><p>でも全然違う。</p><p>フランスの木彫りはまず先に粘土で模型を作る。</p><p>それから彫刻刀とヤスリで磨き上げていくの」</p><p>「ふうん」</p><p>「でも、一位一刀彫はすごい。</p><p>ヤスリを一切使わずに、鋭いノミのタッチだけで完成させるんだもの」</p><p>「そうなんだー」</p><p>「一度削ったら修正がきかない一発勝負の緊迫感。</p><p>ノミだけで動物の毛並みや躍動感を表現してしまう職人の技。</p><p>信じられない」</p><p>「へえ〜」</p><p>「それで親方に頼み込んだの。弟子にしてほしいって」</p><p>「よくあの親方が弟子にしてくれたなあ」</p><p>「毎日押しかけたもの」</p><p>「すごっ」</p><p>「箸置きとか根付けなら、もうけっこう自信あるんだ」</p><p>「すごいね、アッシュ」</p><p>「あの・・・実は・・ボクも弟子入りしたいんだ」</p><p>「えっ?」</p><p>「今日にでも、親方に言うつもりだった」</p><p>「そお〜いいんじゃない。</p><p>でもハードル高いよ〜」</p><p>突然の言葉に一番驚いたのはマリヤだった。</p><p>「本気なの?ユウ」</p><p>マリヤの瞳が一瞬、悲しみをたたえたような気がした。</p><p>[シーン3:学校のチャイム】</p><p>◾️SE:教室の雑踏</p><p>「マリヤ〜、行こうぜ」</p><p>「ごめん、ユウ。</p><p>今日からはひとりで行って」</p><p>「え?なんで?」</p><p>「この前の休み、お父さんが自転車を高山駅まで運んでくれたんだ。</p><p>駅の駐輪場も定期で借りてくれたの。</p><p>自転車なら荘川行きのバスに間に合うもん。</p><p>だからもう、工房へはいかない」</p><p>「そ、そっか・・・」</p><p>(※ここは、わざとらしく話をかえる)</p><p>「ねえ、それより聞いて。すごいのよ、高山駅の駐輪場って。</p><p>高校生は定期利用で毎月最大500円まで補助されるんだって」</p><p>「その言い方、宣伝みたいだな。まわしものか」</p><p>「ごめんね、ユウ・・」</p><p>「え・・」</p><p>「がんばって・・・」</p><p>マリヤは寂しく笑って、教室から出ていった。</p><p>教室にはボクひとりがとり残された。</p><p>[シーン4:アッシュの帰国】</p><p>◾️SE:工房の雑踏</p><p>それからボクは、ひとりで工房へ通った。</p><p>当然素人にノミなんてさわらせてもらえない。</p><p>だからアッシュと親方の作業をずうっと見ている。</p><p>圧倒的な熱量でイチイに向き合う二人。</p><p>小気味いいノミの音が工房に響く。</p><p>木屑がふわりと舞うたび、落ち着いたイチイの香りが鼻腔をくすぐる。</p><p>ノミをふったあとは、二人の静かな呼吸音。</p><p>普段のアッシュからは想像できないような真剣な表情。</p><p>髪をラフにまとめて、ツナギの袖まくり。</p><p>額に汗を浮かべながら木を削る。</p><p>学校にいるどの女子よりも、</p><p>いや、ボクが今まで見てきたどんなものより輝いている。</p><p>一位一刀彫という伝統工芸に人生を賭けているんだ。</p><p>アッシュの作業をじっと見ていた親方がノミを持つ。</p><p>その直後。</p><p>響き渡る槌音。</p><p>匠の一振りが、ただの四角い木の塊から、命を削り出す。</p><p>生まれたのは、福を呼び込む「ふくら雀(すずめ)」。</p><p>あっという間にできちゃうんだ・・</p><p>アッシュが削り出したのは、香合(こうごう)という茶道具。</p><p>すごいな。外国人なのに、風流をちゃんと理解してる。</p><p>いや、それよりなにより、なんといってもすごいのは、イチイの木か。</p><p>『日本で最も気高い木』というのはヤバすぎてエモい。</p><p>「なに〜?ユウ、無口になっちゃって」</p><p>沈黙を破ったのは、アッシュだった。</p><p>いまだ。</p><p>「あ、あの・・・親方・・・</p><p>ボクを弟子にしてください!お願いします!」</p><p>切り出すタイミングがチョームズい。</p><p>親方は何も言わずに、次の作品にとりかかる。</p><p>おけおけ。</p><p>一発でオッケーもらえるなんて思ってないし。</p><p>次の日からもずっと、ボクは通い続けた。</p><p>初めて親方の口が開いたのは10日目。</p><p>「イチイの木っていうのは赤と白なんだ」</p><p>「外側の白太(しらた)と、中心の赤太(あかた)に分かれてるだろう」</p><p>「匠はな、この2色の境界線を計算して彫るんだ」</p><p>「そうすると、色を塗ってねえのに、キレイな紅白の作品になる」</p><p>こうして、ポツポツと話してくれるようになった。</p><p>そんなある日。</p><p>「ねえ、ユウが初めてここに来てからもうひと月ねえ」</p><p>アッシュがボクを工房の裏へ呼び出して言った。</p><p>「私は、来月で、日本に来てから一年になるんだ」</p><p>「へえ〜。</p><p>一年でこんなにうまくなれるんだ。</p><p>やっぱセンスかな・・」</p><p>「喜んでる場合じゃないのよ」</p><p>「え?」</p><p>「ワーキングビザは一年で切れちゃうから、</p><p>もうすぐフランスに帰らないといけない」</p><p>「え〜っ!?」</p><p>「文化活動ビザに切り替えができれば日本にいられるんだけど」</p><p>「切り替えればいいじゃん、その文化なんとかビザに」</p><p>「そんな簡単じゃないの」</p><p>「そうなの?」</p><p>「親方に『受け入れ証明書』や『修行カリキュラム』を書いてもらわなきゃいけないし」</p><p>「へえ〜」</p><p>「組合からも推薦状をもらわなきゃいけない」</p><p>「そうなんだ・・」</p><p>「修行中は無給だから、両親からの仕送り証明も入管に提出しなくちゃ」</p><p>「そんなに大変なんだ」</p><p>「だから、ちゃんとお別れ言っておかないと」</p><p>「え・・・</p><p>そんな・・・</p><p>そんな・・・」</p><p>「いままでありがとう」</p><p>「待ってよ!じゃあ、ボク、なんのために弟子になるんだよ!」</p><p>「なにバカなこと、言ってるの。</p><p>がんばって、早く弟子入りして、素敵な一刀彫を作ってね」</p><p>翌日。</p><p>工房を訪ねると、アッシュはもういなかった・・・</p><p><br></p><p>※続きは音声でお楽しみください。</p>

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June 5, 2026

ボイスドラマ「初恋」

<p>8歳の春、さくらと出会った少年・澪桜。</p><p>それから7年――。</p><p>15歳になった澪桜のそばには、いつも支えてくれる同級生・若葉がいた。</p><p>ある日の放課後。<br>春の嵐が荘川を襲う中、若葉は澪桜のために傘を届けようとする。国の天然記念物「荘川桜」を舞台に描く、切なくて優しい青春ラブストーリー・・・</p><p>【ペルソナ】</p><p>・澪桜(れお/15歳/CV:岩波あこ)=東京から荘川へ引っ越してきた少年。東京ではいじめを受けていたPCオタク。保小中一貫教育の学校でみんなが顔見知りという環境からなかなか友達ができない。その反動もあって、同級生たちの自慢で国の天然記念物でもある荘川桜を妬ましく思う</p><p>・若葉(めい/15歳/CV:岩波あこ)=澪桜の同級生。密かに澪桜を慕っているが、表立って告白したりはしない。影でいつも澪桜を応援し、味方になってくれる</p><p>・荘川さくら(年齢不詳/CV:岩波あこ)=荘川桜の精。自分の姿が見える者には優しく接する</p><p>【シーン1:中学校の教室】</p><p>◾️SE:教室のチャイム</p><p>『澪桜くん、付き合ってください!』</p><p>「ごめん」</p><p>『え・・』</p><p>ああ、まただ。</p><p>今月に入ってこれで3人目。</p><p>いや、ホント・・</p><p>わざわざ告ってくれる女子には申し訳ないんだけど・・・</p><p>誰かと付き合うとか、ないから。</p><p>だけどオレ、そんなに彼女に見えるのかなあ・・</p><p>廊下で一部始終を見ていた若葉が笑う。</p><p>オレの後ろの席の女子。</p><p>いや。顔は笑ってないけど、心は笑ってる。</p><p>オレにはわかる。</p><p>絶対そうだ。</p><p>若葉は・・・</p><p>六厩(むまや)に住んでる。</p><p>冬、お天気お姉さんが、</p><p>”今朝の高山市内で最低気温が一番低いのは・・”って伝えるとこ。</p><p>中学入る前に国府から引っ越してきて・・・</p><p>だから、中学入ったとき、若葉には友だちが一人もいなかった。</p><p>ここは、保育園から小学校、中学校まで一貫教育だからな。</p><p>8歳で東京から越してきたオレと一緒だ。</p><p>なんか境遇が似てたから、自然と話すようになって、今に至る。</p><p>オレの名前は澪桜。</p><p>荘川の中学校に通う三年生。</p><p>特に仲のいい友だちというのはいなくて・・・</p><p>話せるのはやっぱ、若葉くらい。</p><p>ま、どーでもいーけど。</p><p>おっと、もうこんな時間。</p><p>よしっ。</p><p>駆け足で下駄箱へ。</p><p>外へ出ようとするオレに、</p><p>「澪桜」</p><p>後ろから声をかけてきたのは・・</p><p>「どこ行くの?」</p><p>「若葉・・」</p><p>「あんた、今日掃除当番でしょ」</p><p>「え?違うし」</p><p>「3日前に谷口くんに代わってもらってたじゃない」</p><p>「あ・・」</p><p>「今日は谷口くんの当番だから、澪桜が代わってあげなきゃ」</p><p>「あ〜っ!そっかぁ〜」</p><p>「なに?用事あんの?」</p><p>「うん・・まあ」</p><p>「ま〜た、荘川桜?」</p><p>「いや・・まあ・・・</p><p>そうだけど・・・」</p><p>「しょうがないなー。</p><p>私が代わってあげるから、行ってきたら?」</p><p>「ホントか?」</p><p>「疑うんならやめよっかな・・」</p><p>「ごめんごめんごめん。</p><p>ありがと!若葉!マジで助かる!神!</p><p>今度ジュース奢るわ」</p><p>「リアクションでか!</p><p>ま〜ったくアキもせずによく行くわねー、毎日毎日」</p><p>「まあな」</p><p>「さあ、先生見回りに来ちゃうから早く行って!」</p><p>「やばっ、んじゃ行くわ。</p><p>じゃあな、若葉。また明日!」</p><p>「いってらっしゃーい」</p><p>オレは慌ててチャリ置き場へ。</p><p>ん?</p><p>なんか若葉って、いつもオレを助けてくれてんじゃね?</p><p>ほかの友だちは、毎日荘川桜公園に行くっていったら、</p><p>アイタタタ・・って笑ってたのに。</p><p>やっぱ持つべきものは友だわ(笑)</p><p>結局、自転車をベタ漕ぎして、荘川桜公園に着いたのは30分後だった。</p><p>【シーン2:荘川桜公園】</p><p>◾️SE:小鳥のさえずり</p><p>『今日は早かったわね、澪桜』</p><p>荘川桜の下でさくらがオレを迎えてくれる。</p><p>さくらは7年前、8歳のときからの友だち。</p><p>不思議なことにオレ以外の人には見えないみたいなんだ。</p><p>こうやってちゃ〜んとここにいるし、手にも触れられるのに。</p><p>あ、触れられるって言っても、触ってくるのはさくらだけど。</p><p>見たとおり、オレよりずうっとお姉さん。</p><p>歳をきいても教えてくれない。</p><p>500歳以上離れてるから数えられない、って</p><p>わけわかんないこと言って・・</p><p>オレは中学に入っても、放課後はほとんど毎日、荘川桜公園に行く。</p><p>町屋(まちや)にある家とは反対方向だけど。</p><p>どうせ、帰っても誰もいないし。</p><p>介護福祉士のママは、高山に越してきてからずうっと忙しいから。</p><p>オレにとって本当に”友だち”って言えるのはさくらだけだった。</p><p>こうやって、さくらと過ごすひとときが、かけがえのない時間。</p><p>毎日こないと、なんだかさくらが消えてしまいそうだし・・</p><p>『ねえ澪桜。毎日アキもせずに、よく来るわね』</p><p>「もう〜。</p><p>さくらまで若葉みたいな言い方しないでよ」</p><p>『若葉って?』</p><p>「あ・・・</p><p>えっと・・学校の友だち。</p><p>中学入る前に、国府から引っ越してきたんだって」</p><p>『おんなのこぉ〜?』</p><p>「そ、そうだけど・・・</p><p>なんだよ?」</p><p>『やるじゃない。</p><p>澪桜もすみにおけないわねえ』</p><p>「やめてくれよ、そんな時代劇みたいな言い方」</p><p>『あらそう?</p><p>でも時間ってのは偉大ね〜』</p><p>「なんで?」</p><p>『だって、ついこの前まで</p><p>こまっしゃくれて、こ〜んなにちっこい澪桜くんだったのに。</p><p>たった7年で、彼女まで作っちゃって』</p><p>「ちょ、そんなんじゃないから!」</p><p>『ふうん。</p><p>じゃ聞くけど。</p><p>澪桜はその子のことが、好きなの?』</p><p>「ばっ、ばかなこと言うなよ!</p><p>好きなわけないだろ!」</p><p>『じゃあ、若葉ちゃんの片思いかぁ』</p><p>「そういうんじゃないんだってば」</p><p>『うふふ・・・照れちゃって・・・かわいい』</p><p>オレは顔を真っ赤にして、大きな声でさくらに答える。</p><p>156号を走るクルマのドライバーがこっちを見ながら</p><p>不思議な顔をして通り過ぎていく。</p><p>『ねえ今度、ここへ連れてきて』</p><p>「え?</p><p>誰を?」</p><p>『決まってるでしょ、若葉ちゃんに』</p><p>「そんな。や・・やだよ」</p><p>『どうして?』</p><p>「だって・・・さくらのこと、まだ言ってないし」</p><p>『ここで言えばいいじゃない』</p><p>「無理。</p><p>そんなこと・・・できない」</p><p>『会ってみたいなあ。澪桜の初恋の人に』</p><p>「だから違うって。</p><p>初恋の人は・・・」</p><p>『え・・』</p><p>「いや・・なんでもない。</p><p>そ、それに、きっと若葉にも見えないよ。</p><p>さくらのことは」</p><p>『わかんないわよ。</p><p>澪桜と心がつながってれば、見えるかも』</p><p>「見えないって」</p><p>『うふふ。やっぱ澪桜ってかわいい』</p><p>そう言って、いつものように頭を撫でてくる。</p><p>いつまでオレを子ども扱いするんだよ。</p><p>って思いながら、決してオレは抗わない。</p><p>【シーン3:春の嵐】</p><p>◾️SE:雷のごろごろ言う音</p><p>『澪桜、なんか今日は雷神の機嫌が悪いみたい』</p><p>「え?どういうこと?」</p><p>『聞こえるでしょ。ほら・・・</p><p>きっとすぐに、ここへも来るわ』</p><p>「か、雷?</p><p>どうしよう、オレ、傘持ってきてない。</p><p>急いで帰らないと・・」</p><p>『もう間に合わないみたい』</p><p>「え・・」</p><p>『澪桜の家、町屋までは急いでも30分かかるでしょ。</p><p>雷神はもうそこに来てるもの』</p><p>「え〜っ!</p><p>じゃあ、どうすればいいんだよ」</p><p>『こっちにいらっしゃい』</p><p>え・・・</p><p>ドキっとした。</p><p>そのとき・・</p><p>◾️SE:LINEの着信音</p><p>『どうしたの?』</p><p>「LINE・・・若葉だ」</p><p>『あら』</p><p>◾️SE:LINEを開く音「ピ」</p><p>「澪桜、まだ荘川桜公園?</p><p>傘、学校に忘れてるよ。</p><p>天気予報、夕方から春の嵐だって。</p><p>大丈夫?」</p><p>「うん・・?」</p><p>「置きチャリで傘持ってってあげる。</p><p>もう向かってるから。</p><p>動かずに待ってて」</p><p>「あのバカ・・」</p><p>『なんて?』</p><p>「若葉が・・傘を持ってここへ向かってるって」</p><p>『そんな・・・もう降ってくるわよ』</p><p>「オレ・・・行ってくる」</p><p>『待ちなさい』</p><p>「え・・・でも」</p><p>『町屋からここまで、</p><p>156号には、いっぱい私のこどもたちがいるから。</p><p>若葉を守ってあげる』</p><p>「どうやって・・・」</p><p>『雨は避けられないけど。</p><p>転んだり、車と接触しないように、結界をつなぐわ』</p><p>そう言ってさくらは目を閉じた。</p><p>小さな声でなにか唱えている。</p><p>ほどなく、大粒の雨が降り出した。</p><p>若葉・・・大丈夫か!</p><p>さくらが、以前と同じように、振袖を大きく振る。</p><p>すると、新緑の荘川桜が桜吹雪に包まれる。</p><p>『お願い。</p><p>若葉を守って。こどもたち!』</p><p>雷雲が御母衣湖を黒く塗りつぶしていく。さっきまでの静寂を切り裂くように、冷たい風が吹き抜けた。空を見上げた瞬間、雨の音が激しく世界を叩きつける。</p><p>雨はあっという間に本降りになった。</p><p>雨粒が、アスファルトを白く煙らせる。</p><p>春の嵐が荘川桜の枝を揺らす。</p><p>『澪桜、早くこっちへ』</p><p>さくらがオレの肩に手をかけた。</p><p>そのとき・・・</p><p>国道から小さな光が、ゆっくりと近づいてくる。</p><p>『あれは・・・』</p><p>「若葉!」</p><p>『ここへ連れてきなさい!』</p><p>オレは全速力で若葉の元へ走っていく。</p><p>不思議とスニーカーが滑らない。</p><p>アスファルトの上にまるで浮かんでいるように。</p><p>斜め後ろを見上げると、桜吹雪がオレを包み見込んでいた。</p><p>最初小さかった光は、だんだん大きくなってくる。</p><p>薄いレインコートをまとった女子高生。</p><p>ずぶ濡れになりながらまっすぐ自転車を引いてくる。</p><p>片手にオレの傘を持って。</p><p>「澪桜!」</p><p>「若葉!」</p><p>「遅くなってごめんね」</p><p>「ばかか、お前は!」</p><p>『澪桜、嵐はまだひどくなるわ。</p><p>早くこっちへいらっしゃい!</p><p>若葉と一緒に・・・</p><p><br></p><p>※続きは音声でお楽しみください。</p>

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What is ヒダテン!ボイスドラマ?

飛騨高山を舞台にした珠玉のボイスドラマをお届けします。コミュニティFM Hit's FM(Hida Takayama Tele FM) で放送中の人気ラジオ番組! ヒダテン!のCV声優10名 が入れ替わりパーソナリティを務める「Hit’s Me Up!(ヒッツ・ミー・アップ!)」の中で放送されているボイスドラマです!ボイスドラマを通じて飛騨高山の魅力に触れてみてください!

<番組の特徴> ・ 飛騨高山を舞台にしたボイスドラマを多数制作! これまでに100本以上の作品を発表し、地元の魅力を物語として発信 ・ 放送情報   放送局1: Hit's FM(Hida Takayama Tele FM)   放送時間:毎週金曜10:30-11:00/毎週土曜13:30-14:00   放送局2: FMらら(FMラインウェーブ株式会社)   放送時間:毎週金曜13:00-13:30   配信:Spotify、apple(iTune)ミュージック、amazonミュージック、YouTubeミュージック、CastboxなどのPodcastで番組とリンクして配信中!

飛騨高山の美しい風景とアニメ文化をつなぐ、唯一無二のラジオ番組! 「Hit’s Me Up!」を聴けば、新たなエンタメの扉が開きます!

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