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About オトノオトズレ
オーディオのこと、音楽のこと、に限らず、あらゆる音について、思いつく限りのいろんな角度から考えてみるポッドキャストです。 ご意見は下記連絡フォームよりお送りください。 https://jp.surveymonkey.com/r/STPMJXK
- Publisher
- 石黒亮
- Category
- music
- Language
- ja
- Explicit
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- 24 Feb 2022
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- 1 Dec 2022
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1 Dec 2022
#67 音に関するニュース「音ニュー」2022年11月号
世の中に溢れる様々なニュースの中から、 音に関する話題だけを番組独自の視点でピックアップしてお届けします。 まず一つ目のニュースです。 EMITが「音波」を動力源とする「水中カメラ」を開発! https://tabi-labo.com/304764/wt-mit-batteryfree-camera TABI LABO 10/29の記事です。 「学術雑誌『Nature Communications』に、「音波」を動力源とする水中カメラに関する論文が掲載された。 これによって、95%以上が観測されていないという海の生態系や環境などの調査が進められる可能性があるという」 音波が動力源と聞くとびっくりしますけど、 音波が起こす振動で発電してるということみたいですね。 それにしても微少な発電力なので、 一枚の写真を撮るにも、 RGBを分割して、時間をかけてキャプチャしないといけないみたいです。 言い換えると、時間さえかければ電源フリーで撮影できるということですから、 どんなに小さい自然エネルギーでも、 工夫次第で革新的なことができるということですよね。 あるべき未来のテクノロジーを示唆するような、 興味深い研究だと思いました。 続いてのニュースです。 音が快感「暴力ゴリラの脱走」をゲームにした凄み https://toyokeizai.net/articles/-/630193 東洋経済 11/5の記事です。 「テレビゲームはたいていコントローラーを持って画面のなかのキャラクターを動かすわけですが、優れた作品はこれらが一体化したかのように感じられるケースがあります。 例えば、敵を攻撃して倒したときに何も効果音が鳴らないと物足りませんが、「バシッ」と音が鳴れば気持ちよさすら感じられるのです。 昨今流行りの『スプラトゥーン3』も水鉄砲のようなブキを撃つ独特の音が用意されているうえ、相手を倒すとインクが破裂するような演出があって心地よい。こういった操作した結果に伴う表現があると、「自分がゲームのなかのものをきちんと動かしている」という実感が湧いてきます。 今回紹介する『エイプアウト』は、まさにそれを突き詰めたかのような作品です。プレーヤーが操作するのは、おりから脱出したゴリラで、敵はそれを止めようとする人間。ゴリラが逃げるために暴力を振るうのですが、それが快感になってくるようなゲームなのです」 記事の最後に宣伝の動画があって、プレイ画面も見られるんですけど、 ドラムのリズムがBGMになってて、敵というか、人間ですけど、 それを倒すと、シンバルがジャーン、と鳴るんで、 敵をなぎ倒すことで即興演奏が行われるような感じになってるんですね。 この手の音ゲーといえば、昔「Rez」っていう名作があって、 こちらはエレクトロダンスミュージックですけど、 敵を打つ音がBGMと融合して、 しかもやられてゲームオーバーとかもあまりなかったので、 何度も繰り返しプレイして、気持ち良くなってたのを思い出しました。 このゲームも楽しそうですね。やってみたいです。 続いてのニュースです。 東芝、機器の稼働音を解析して劣化の兆候を捉える「音響劣化推定AI」技術を開発 https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/1456214.html クラウドWatch 11/16の記事です。 「株式会社東芝は16日、機器の稼働音を解析し、劣化の兆候を高精度に捉える音響劣化推定AI「VAE-DE(Variational AutoEncoder-based Deterioration Estimation)」を開発したと発表した」 人間の可聴領域外の音の変化を、AIが聴き分けて、 故障の予兆を発見できる、という技術なんだそうです。 昔だとこういうことは、超ベテランの技術者とか職人さんが、 経験と実績のもとで予見できたりしたんだろうと思いますけど、 最早そういう超ベテランを囲い込んで使い込む、という体制が、 どの企業にも無くなっているんだろうなと思います。 人間の可聴領域外の音、と言いましたけど、 多分、昔の職人さんの文化が今もあったとすれば、 聴き分けられたんじゃないかと思うんですよね。 音は、耳だけで聴いているものではないので。 では本日最後のニュースです。 周囲の音を聞き漏らさない!狩猟用の音声増幅機能を搭載したPro Earsのワイヤレスイヤホン「Stealth28HT」 https://dime.jp/genre/1501137/ DIME 11/18の記事です。 「アメリカは「銃の国」である。 それは宗主国だったイギリスから独立した際、ごく普通の男たちがマスケット銃を手に取って戦ったからだ。 現代では州によって温度差はあるものの、厳格な銃刀法のある日本よりも「銃を使ったスポーツ」が盛んであることは間違いない。 そのような国では、「耳栓」が必需品である。 銃を射撃している最中に発生する銃声は、耳栓がなければ聴力に害を及ぼしてしまう。 そして最近では射撃用耳栓の技術をオーディオイヤホンに応用した製品も発表されている」 最近はワイヤレスイヤホンの技術が 補聴器的な用途に応用されるケースが増えてますけど、 増幅しつつ一定レベルで抑制する、という使い方によって、 外部の音を鋭敏に察知しながら、 間近の騒音を抑制する、というのは、 発想として面白いですね。 今は音声の加工技術も発達していて、 バンド演奏の中から、特定の楽器の音だけ消す、というような 編集作業もかなり精度が上がっているので、 特定の音だけ聴こえるようにする、とか、 特定の音だけ聴こえなくする、みたいなコントロールが 早晩できるようになるんじゃないでしょうか。 以上、音に関するニュース「音ニュー」でした。

17 Nov 2022
#65 「オトノオトズレ朗読会」中野京子の"オト"
「オトノオトズレ朗読会」は、音に関わるテキストを朗読する会です。

3 Nov 2022
#63 音に関するニュース「音ニュー」2022年9月号
世の中に溢れる様々なニュースの中から、 音に関する話題だけを番組独自の視点でピックアップしてお届けします。 まず一つ目のニュースです。 Jアラートの音はなぜあんなに不快なのか 分析してみた 隅々まで設計された音の秘密 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2210/04/news125.html ITMediaニュース 10/4の記事です。 「10月4日午前7時22ごろ、北朝鮮から弾道ミサイルが発射され、政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)で警戒を促した。地震発生時の警戒音はたまに聞くことがあるが、ミサイル発射時の音は聞くことも少なく、驚いた人が多いだろう。 Twitterでは「Jアラートの音怖い」「ドキッとしてしまう」「気持ち悪い」といった反応が見られた」 というわけで、この記事では、これらの警報音を不快に感じる理由を、 周波数分析や楽曲分析を行なって明らかにしようとしています。 サイレンの音は長二度の和音になって不協和音になってるとか、 周波数帯が高齢者でも聞き取りやすい高さに合わせているとか、 非常に興味深い記事なんですけど、 驚いたのは、みなさんおなじみの避難警報の時に流れる 短いメロディ、あれが伊福部達(とおる)さんっていう、 あの伊福部昭の甥にあたる方が作曲されてる、ということらしくて、 達さんは音響学にも関わるお仕事をされている工学者なんだそうです。 Wikipediaを読むと、ゴジラのテーマも検討してた時があるそうですけど、 ゴジラのテーマにならなくて、ほんと良かったと思います。 続いてのニュースです。 耳心地よい自然音の「ホワイトノイズマシン」が話題 リラックス効果や集中力アップも https://jocr.jp/raditopi/2022/10/19/455379/ ラジトピ 10/19の記事です。 「ストレスを軽減する効果がある、と言われている話題の音「ホワイトノイズ」。その音が流れるマシン『巫・造境(ウ ゾウキョウ)』がwebサイト「Makuake」にてクラウドファンディングを実施中。目標金額を開始わずか4日で達成するなど、ジワジワと注目されています。製造元である中国では一足早く8月31日に販売を開始。早くも話題になっています」 カセットテープ型のプレーヤー兼スピーカーが、 ホワイトノイズ再生マシンになっている、という商品ですね。 シンセで作った音ではなくて、自然の音で作られた、ということで、 聞き心地の良い音にするためにスピーカーもこだわって作られたみたいですけど。 今、音声素材をネットで検索すると、 川のせせらぎとか虫の声とか、いっぱい手に入るんですね。 このポッドキャストでも何度か使ったことありますけど。 それを、スピーカーかイヤホンで聴けば、 それでいいんじゃないかと思いましたけど、 それでいいとは思ってない方がいっぱいいて、 そういう人が購入してるんですから、 まあいいんでしょうね。 続いてのニュースです。 音の聴取による脳活動の変化に関する共同研究 https://info.ninchisho.net/archives/37387 認知症ねっと 10/24の記事です。 「ピクシーダストテクノロジーズ株式会社(東京都千代田区)は、国立大学法人電気通信大学(東京都調布市)と、公立大学法人奈良県立医科大学(奈良県橿原市)と共同で、高齢者を対象にした、音の聴取による脳活動の変化に関する研究を開始しました。脳の特定のリズム活動(ガンマ波)を強める可能性のある「音」を用いた一般家庭向けのプロダクトの開発を進めていくとしています」 ガンマ波っていうのは、20Hz〜50Hzの脳波らしいですけど、 このガンマ波が認知症の進行と関わっているそうで、 脳のガンマ波を強めることで認知症を抑制できるんじゃないか それを音によって実現する、という研究なんだと思いますけど。 実際にマウスを使った実験で、 ガンマ波をマウスの脳に照射することで効果が見られたそうですね。 この研究で扱っている音が、一体どういうものなのか、 この記事からだけではよくわかりませんが、 もし効果があるのであれば、是非普及してもらいたいですね。 僕のような、最近物忘れが酷くて、みたいな人にも、 効くんでしょうか。 では本日最後のニュースです。 スマホが補聴器に 音を個別調整できるアプリ、「聞こえのプロ」開発 https://mainichi.jp/articles/20221024/k00/00m/040/072000c 毎日新聞 10/24の記事です。 「聞こえ方に違和感があるが、補聴器を使うほどではない――。そんなニーズに対応するアプリを、愛媛県の企業が開発した。スマートフォンで拾った音を個人の聞こえ方に応じて最適な音に変換してイヤホンで聴いてもらう。「聞こえのプロ」が長年にわたり難聴に悩む多くの人と関わってきた経験をいかし、補聴器よりも気軽に利用してもらう狙いだ」 市販のイヤホンとスマホがあれば、 アプリを使って補聴器のような機能が使えるというサービスです。 周りの騒音を抑えたり、音域毎に聞こえ方を調整できるらしいんですけど、 個人的には、左右の音のバランスが個別に変えられるというのが 良いなと思いました。 僕、右と左で聞こえ方が違うんですよ。 だから、家のオーディオで音楽を聴くときは、 アンプの設定で左右のバランスをずらしたりするんですけど、 おそらく左右バランスの悪い人って、言わないだけで世の中にいっぱいいると思うんですよ。 特に、突発性難聴とか増えている今の時代は。 このサービスも、いわゆる補聴器が必要な人というより、 もう少しライトというか、 時々聞こえづらいことがあるとか、 環境によって聞こえづらい、みたいな人をターゲットにしてるんだと思うので、 需要にかなった機能が搭載されているな、という気がしました。 以上、音に関するニュース「音ニュー」でした。

27 Oct 2022
#62 「オトノオトズレ朗読会」ラヴクラフトの"オト"
「オトノオトズレ朗読会」は、音に関わるテキストを朗読する会です。

29 Sept 2022
#58 音に関するニュース「音ニュー」2022年9月号
世の中に溢れる様々なニュースの中から、 音に関する話題だけを番組独自の視点でピックアップしてお届けします。 まず一つ目のニュースです。 なぜメロディ信号機は減った? 「通りゃんせ」「夕焼け小焼け」から「カッコー」疑似音に変化した理由とは https://kuruma-news.jp/post/548765 くるまのニュース 9/2の記事です。 「かつての歩行者用信号機のなかには青信号の際に、「通りゃんせ」などの音楽が流れる信号機が多く見られました。しかしながら、最近では音楽が流れる信号機が減っているといいますが、実際にはどのような状況なのでしょうか」 確かに昔は「通りゃんせ」のメロディが流れてた記憶がありますけど、 いつからか「カッコー」か「ぴよぴよ」に置き換わりましたね。 記事によると、昔は 「故郷の空」「春の小川」「夕焼け小焼け」 と、色々使われてたらしいんですけど、 これは全国各地でバラバラに使われてたみたいで、 目の不自由な方からすると、統一してくれないと 混乱してしまう、ということで、1975年に 「通りゃんせ」「故郷の空」 の二曲を使うことで統一されたそうです。 それが2003年にはより分かりやすくするために、 現在の「カッコー」と「ぴよぴよ」になったらしいです。 2003年ってことは、19年前ですから、 うちの子を含めて、「通りゃんせ」を聞いたことがないひともたくさんいるということですね。 かくいう僕も、75年生まれなので、 夕焼け小焼けは聞いたことがない、ということになりますね。 続いてのニュースです。 周囲に音が漏れないマイク、Shiftallが発売--カフェでのWeb会議やメタバースに https://japan.cnet.com/article/35192726/ CNET Japan 9/2の記事です。 「Shiftallは9月2日、防音をうたうBluetoothマイク「mutalk」(ミュートーク)の予約受付を開始した。希望小売価格は税込1万9900円で、発送開始は2022年11月〜12月頃を予定する」 VRゴーグルに似たような形のこのマイクで話すと、 聞き手には声以外のノイズが小さくなるし、自分の話し声が周りにも聞こえにくい、ということだそうです。 ウェブ会議の場合だと、会議室じゃなくて 自分のデスクであったり 自宅の部屋からだったりすることがあるので、 周りの騒音が気になることがよくありますけど、 かと言ってこんな飯盒を猿轡したみたいなものを着けた姿で 会議の画面に共有されるのはかなり抵抗がありますね。 まあ使う時は画面共有を切る前提にしたいところですけど、 普及していくとそれも当たり前になるんでしょうか。 VRゴーグルも、まだちょっとギャグっぽい扱われ方をしている気がするので、 そうそうなかなか慣れない気がしますけど。 続いてのニュースです。 サターンVの発射音はコンクリートを溶かし草を燃やしたか? 都市伝説を真面目に検証! https://sorae.info/space/20220903-saturn-v.html SORAE 9/3の記事です。 「アメリカ航空宇宙局(NASA)が開発した「サターンV」は、人類を月に送り込むアポロ計画で1960年代から1970年代にかけて使用された、高さ110m、総重量2800トンという巨大なロケットです。発射時の推力は3480万ニュートンであり、これを超える予定があるのはNASAの「SLS(スペース・ローンチ・システム)」と、スペースXの「スーパーヘビー」だけです。 さて、サターンVに関しては、以下のような都市伝説がインターネット上でまことしやかに囁かれてきました。サターンVの発射音はあまりにも強烈であるため、音のエネルギーでコンクリートを溶かし、1マイル (1.6km) 先にある草を燃やした、というのです。これは本当なのでしょうか? ブリガム・ヤング大学のKent L. Gee氏などの研究チームは、サターンVの発射音について研究し、この噂は誤りであると結論付けました。Gee氏らの論文は、The Journal of the Acoustical Society of Americaの音響学教育に関する特別号の一部として掲載されました」 ロケット噴射で出る炎ではなくて、音で燃えたり溶けたりする、 という、にわかには信じ難い話ですが、 実際この論文でもそこに関しては否定してるみたいなんですけど、 音波で温度が上がることは確からしいです。 要するに空気の圧縮・膨張が音として発生するので、 僕らが気づかない程度に温度は上昇しているんだそうです。 サターンVロケットの音のエネルギーは航空機の一万倍にもなるそうで、 それによって起こる温度の上昇幅は、 21度ぐらいだからコンクリートが溶けたり 草が燃えたりはしないということですけど、 音によって温度が21度も上昇するという時点で、 他では普通あり得ないような超常現象という感じがします。 では本日最後のニュースです。 騒音は動物たちに深刻な被害を与えている、どうすれば悪影響を抑えられるのか? https://gigazine.net/news/20220910-noise-pollution-hurting-animals/ Gigazine 9/10の記事です。 「人間社会では都市部や鉄道の線路沿い、空港の近くなどさまざまな場所で騒音が問題となっており、人々の健康に悪影響を及ぼしていることが知られています。ところが、騒音が動物たちにも深刻な被害を与えることはあまり知られていないとのことで、アングリア・ラスキン大学の生命科学研究者であるフェイ・クラーク氏らが動物への騒音被害について解説しています」 うちにチワワがいるんですけど、 大きい音がしたら、すごく吠えるんですよ。 掃除機とかインターホンとか、あと花火とか。 で、犬の聴覚って人間より遥かに高性能で、 人間の最大可聴領域って20kHzぐらいなんですけど、 犬って130kHzぐらいまで聴こえるんですね。 これはもう、人間が音を聞いてる感覚とあまりにかけ離れてるので、 ほとんど想像つかないんですけど、 花火の音を聴いてる様子とか見てると、 やっぱり怖いんでしょうね。 母親とか、目でみれば安心するんじゃないかとか言って、 花火が見えるところまで連れ出したりとかして、 かわいそうなことしちゃったんだなと思いました。 犬用のイヤーマフとかもあるそうなので、 今度探してみます。 以上、音に関するニュース「音ニュー」でした。

1 Sept 2022
#54 「Frank Zappa最高の1曲×100」第15回 ”The Illinois Enema Bandit”
Frank Zappa最高の1曲×100 今回は、”The Illinois Enema Bandit”です。 1975年、アメリカのシカゴ郊外にて、 強盗事件の容疑で、ある男が逮捕されました。 彼の名前は、マイケル・ヒューバート・ケニオン。 彼は強盗の罪を認めて、服役することになりましたが、 彼の名は、強盗事件そのものよりも、 彼の性癖によって、広く知られるようになりました。 彼を世に知らしめるもう一つの名前は、 「イリノイの浣腸強盗」。 彼は若い女性を襲い、そのうち数名に対して、 性的暴行、それも浣腸をした、ということを告白します。 この、ショッキングかつリアクションに困る事件は、 良くも悪くもアメリカに大きなインパクトを与えたのでしょう。 その後、この事件を題材とした作品がいくつか発表されたようですが、 ザッパも、そんなアーティストの一人でした。 彼の名が知れると、ザッパは早速彼をテーマにした曲 ”The Illinois Enema Bandit”を作曲し、 コンサートで披露します。 翌年行われた、ザッパ唯一の来日公演でも、 セットリストに入っています。 この時期のリードボーカルは、ナポレオン・マーフィー・ブロック。 この時代のザッパバンドのムードメーカーとも言える彼は、 ”Dickies Such An Asshole”でもボーカルを取っており、 70年代黄金期のバンドを盛り上げるとともに、 後のザッパのキャリアへの橋渡も担っていた功労者といえるでしょう。 楽曲のムードは、スローテンポでブルージー。 渋くワイルドな曲調と、 曲の主題が醸し出すいかがわしさが、妙にマッチしています。 しかし彼の歌った初期のバージョンは、 ザッパ生前には未発表のままでした。 その後バンドは新たなボーカリストとして、 レイ・ホワイトを迎えます。 楽器の演奏技術において高度に進化したザッパバンドが、 ついに歌唱力において圧倒的な技術を持つ特別なシンガーを 手に入れた瞬間でした。 その後、メンバーにブレッカー・ブラザーズとしてその名を知られる マイケル・ブレッカーとランディ・ブレッカーを含むゲストを加えて、 1976年12月に行われたニューヨーク公演は、 1978年に「Zappa in New York」と題してリリースされます。 力強くこぶしの効いたレイ・ホワイトの惚れ惚れする歌声とともに、 ”The Illinois Enema Bandit”が公式に発表されたのです。 しかし、この時期ザッパはレコード会社・ワーナーブラザーズと揉めに揉めており、 その渦中で1977年、未発表の4枚組アルバム「Lather」全曲が放送され、 ザッパはリスナーにその放送を録音するよう訴えました。 「Lather」は、ワーナーからリリースされる予定となっていた 4枚のアルバムの収録曲がほぼ全て含まれた作品で、 その中に「Zappa in New York」も含まれていました。 つまり、この番組を聴いていたリスナーにとっては、 77年の時点で発表されていたことになります。 年に2、3枚のアルバムをリリースし、 大怪我をして死にかけてもリリースのペースを緩めなかったザッパにとって 77年は、Mothers of Inventionでデビューして以来初めて、 アルバムがリリースされなかった年でもあります。 その後も、”The Illinois Enema Bandit” は、 88年のラストツアーまで、 頻繁に取り上げられた人気曲で、 ザッパのギター・ソロが冴え渡るナンバーとしても優れていました。 レイ・ホワイトのいなかった88年ツアーでは 彼に勝るとも劣らない歌唱力を持つ ボビー・マーティンによって歌われていましたが、 やはりレイ・ホワイトによるバージョンが、絶品です。 ということで、今回は”The Illinois Enema Bandit”でした。

25 Aug 2022
#53 音に関するニュース「音ニュー」2022年8月号
世の中に溢れる様々なニュースの中から、 音に関する話題だけを番組独自の視点でピックアップしてお届けします。 まず一つ目のニュースです。 寝苦しい夜はホラー映画の効果音ジェネレーターで鳥肌を立ててみよう https://www.gizmodo.jp/2022/07/horror-cinematic-noise-generator.html (https://www.gizmodo.jp/2022/07/horror-cinematic-noise-generator.html) ギズモード 7/20の記事です。 「昔から暑い夏に涼を取る知恵のひとつに、風鈴がありますよね。涼しげな音を耳で感じるだけですが、身体も涼しい気分になれるガジェットです。しかし涼しげな音じゃなくっても、背筋に寒気を感じることができる楽器がもうひとつ。 それがホラー映画の効果音を奏でる「MPA 019 Horror Cinematic noise generator」です。ヴァイオリンの弓やドラムブラシでいろんな場所をこすったり、指で弾いたりするだけでスリル満点の音が楽しめるんです」 ということで、楽器を演奏する映像がYouTubeで見られるんですけど、 なんかこれダクソフォンみたいやな、と思ったら、やっぱりダクソフォンをヒントにして作ったみたいですね。 ダクソフォンをご存知ない方のために説明しますと、 ダクソフォンっていうのは、ハンス・ライヒェルっていう人が発明した楽器で、 今は内橋和久さんというギタリストの方が受け継いで演奏されてますけど、 専用の特殊な形をした木の板にピックアップをつけて、 それを弓で弾いたり指で弾いたりして演奏するという楽器のことです。 この木の板がいろんな形のバリエーションがあって、ちょっとどういう形か説明しづらいんですけど、 雲形定規みたいな、って、今度は雲形定規がどれぐらい認知されてるか、 って話になっちゃいますけど。 まあダクソフォンで検索していただければ一目瞭然ですけど、このノイズジェネレーターは、 そのダクソフォンに似た、弓で擦って音を出すところがあるんですね。 それ以外にも突起やらなんやら色々付いてるんですけど。 一応ホラー映画用の効果音のためのものということらしいですけど、 それに拘らなくても楽しく演奏できるんじゃないですかね。 ちょっと欲しいです。 続いてのニュースです。 歯ぎしりの音をイヤフォンで拾い個人認証 米国チーム「ToothSonic」開発 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2207/25/news054.html (https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2207/25/news054.html) ITmedia NEWS 7/25の記事です。 「米フロリダ州立大学と米ラトガース大学の研究チームが開発した「ToothSonic: Earable Authentication via Acoustic Toothprint」は、ユーザーが歯のジェスチャーを行う際に発生する歯型による音波効果を利用したイヤフォンベースの認証システムだ」 音ニュー4月号で、心拍数で個人認証っていうニュースを取り上げまして、 その時は、僕のような不整脈がある人とかは難しいかも、みたいな話をしましたけど、 歯に関しても、虫歯になったらどうするのかな、と思いました。 でも、心拍数も歯ぎしりも、確かに表面的に認識できるものではないので、 なりすましはしにくいでしょうから、複合的に使うと有効なのかもしれないですね。 ちなみに最近はも痛くててですね……。 続いてのニュースです。 脳波計測で新発見!ラジオの「音」は感情に効く https://dentsu-ho.com/articles/8242 (https://dentsu-ho.com/articles/8242) 電通報 8/3の記事です。 この記事は、大雑把に言うと、いまラジオのリスナーが増えてますよ、 ラジオを聴きながら作業すると集中力が上がって捗りますよ、 そしてラジオCMは効果ありますよ、 という、非常に電通らしい、非常に広告代理店らしい記事です。 ちなみに僕は、昔からラジオが苦手です。 テレビは今は見なくなりましたけど、昔は大好きでした。 でもラジオはずっと苦手ですね。 オールナイトニッポンとかヤングタウンとか、特定の番組を聞くことはありましたけど、 今は一切聞きません。 一日中かけっぱなしにする人とか、結構いるじゃないですか。 うちの親もそうなんですけど、なんでそんなことすんのかな、と。不思議で仕方がないです。 自分の好みと関係ない音楽をかけられるのも嫌ですし、 その割に同じ曲ばっかり何度もかかるのも嫌ですし、 車一切乗らないのに定期的に交通情報が流れるのも嫌ですし、 興味のないことや聞きたくないことを喋ってるのを聞くのも嫌でした。 iPodが出て、シャッフルすると自分の好きな曲だけがかかる 自分専用のラジオのようになるのが、当時は嬉しかったのを覚えていますし、 ポッドキャストやネットラジオが始まった時は、 自分が好きなタイミングで興味のある話だけを聞くことができるようになったのも、 とても嬉しかったですね。 今はYouTubeもトークコンテンツがすごく多くなったので、ラジオがわりに使っています。 では本日最後のニュースです。 <目撃>クリック音を出すエイを初めて撮影、理由は謎 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/22/080300356/ (https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/22/080300356/) ナショナルジオグラフィック8/3の記事です。 「エイはつい最近まで、音を出さない物静かな生き物だと考えられてきた。ところが、新たな研究によりその沈黙は破られた。マングローブウィップレイ(Urogymnus granulatus)とツカエイ(Pastinachus ater)という、いずれもインド洋から西太平洋にかけて生息する2種のエイが、明確なクリック音をまぎれもなく発している姿が動画にとらえられたのだ」 音ニュー5月号で、 水中の生き物の出している音をデータベース化するプロジェクトについて取り上げましたけど、 ここにまた新たな発見があったようです。 あったようです、とか言ってますけど、僕も水中の生き物が音を出してることについて、 そもそもよく知りませんでしたし、この記事の序文の方が驚きましたけど、フグってハミングするんですか。 どんな曲をハミングするんですか。確かに見た目は肺活量多そうな体型してますけど。 いや多分そのためにああいう体型になったわけではないでしょうけど。 で、ちょっとググってみたら、同じナショナルジオグラフィックの記事にありました。 2008年の「“ハミングする魚”が示す発声メカニズムの起源」という記事ですけど、 「この発見はフグとそれに近い分類に属するイサリビガマアンコウの研究に基づくもので、どちらも空気で膨らむ浮き袋を使ってうなり声のような音を出すことで、仲間を引き付けたり縄張りを守ったりする」 ということでした。 これハミングかなあ。ハミングを辞書で調べたら、 「口を閉じ、声を鼻に抜いて旋律を歌うこと」 うなり声のような音やと、ハミングちゃいますやん。 以上、音に関するニュース「音ニュー」でした。

28 Jul 2022
#49 音に関するニュース「音ニュー」2022年7月号
世の中に溢れる様々なニュースの中から、 音に関する話題だけを番組独自の視点でピックアップしてお届けします。 まず一つ目のニュースです。 鳥は絵を知る 音を知る ハトが画風識別、ブンチョウは古典好み…芸術感覚を研究 渡辺茂 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD274KK0X20C22A5000000/ (https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD274KK0X20C22A5000000/) 日本経済新聞 6/8の記事です。 「鳥は絵を見たとき、作風の違いが分かるのか?上手(じょうず)か下手(へた)かは? 音楽ではどうか? 心理学を専攻する私は、鳥類が人の「芸術センス」に類似した能力を持っているかを、半世紀以上にわたって調べてきた」 ブンチョウ4羽を使って、 バッハが流れる止まり木と、シェーンベルクが流れる止まり木、 何も流れない止まり木の3つを用意したら、 4羽のうち2羽は、バッハの止まり木に一番多く、長く止まってた、 ということらしいです。 他の作曲家で試しても、現代音楽の作曲家よりも、 シェーンベルク以前の作曲家の方が人気が高かったみたいです。 音というのは物理現象で、 特に協和音と不協和音の違いは、 人間が恣意的に考えたものというよりは、 物理的な波形の特性のようなものですから、 鳥でも人間でも、協和音を良いと感じる個体が多いのは、 なんとなく頷けますけど、 逆に言えば、もしかすると鳥の中にも 人間と同じように、現代音楽好きな子もいるんじゃないかと思うと、 妄想が膨らみますね。 エドガー・ヴァレーズにハマる文鳥、とか。 ボアダムス聴いてると近くまで寄ってくる、とか。 そういえばMerzbowの秋田昌美さんは鳥好きでしたね。 続いてのニュースです。 レーザー光で音を測る!? マイクを超える光学的音響計測の世界 https://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dal/1422034.html (https://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dal/1422034.html) AV Watch 7/4の記事です。 1ビット研究会っていう、 1ビットオーディオに関心のある方々による 研究発表会の中で発表された、 直接1ビットとは関係のなさそうですけど、興味深い研究について、 藤本健さんがレポートされています。 通常、音を計測する場合は、マイクを使うわけですけど、 この研究では、マイクの代わりに、 レーザー光線を音に当てて計測するんだそうです。 音は空気の振動ですから、 空気が波打って伝わるんですけど、 そこでは光も音の波の影響で屈折するらしくて、 それを捉えることで、音の状態を、 サーモグラフィみたいなグラフィックで 視覚化できるということみたいですね。 マイクだと測定できないようなところ、 例えばスピーカーの中で音がどう反射してるか、とか、 カスタネットの、音が出る接点周辺の音を測定して、 音の原理が細かく分析できるとか、 音の仕組みの、非常に細かいところまで 分析できるようになりそうです。 光で音を計測するための研究は 80年代前半からあったそうです。 この発表のメインは、 パラメトリックスピーカーの計測にはマイクが使えないので、 レーザーで行いました、ということらしいですけど、 この、光学での計測という技術そのものが、 とても面白そうですね。 続いてのニュースです。 「音が痛みを和らげる」作用、“音楽ジャンルは関係なかった”との研究報告 https://www.phileweb.com/news/hobby/202207/08/5640.html (https://www.phileweb.com/news/hobby/202207/08/5640.html) PHILE WEB 7/8の記事です。 「米国立歯科・頭蓋顔面研究所(NIDCR)の神経生物学者が、音に痛みを和らげる効果があることを研究で明らかにした。脳の働きを視覚的に調べる技術を使用し、痛みに関する感受性が音によってどのように変化するのか、そのメカニズムを調べたという」 マウスによる実験ですけど、 音楽ジャンルに関係なく、 適度な音量の音楽が痛みの軽減に効果があったそうです。 こういうニュースを見ると気になるのは、 かけた音楽ジャンルが、他に何があったか、ですね。 ホワイトノイズでも効果は変わらなかった、 というところはわかったみたいですけど、、 ギル・スコット・ヘロンみたいな、 ポエトリー・リーディングのような音楽はかけたのか、とか。 ラップみたいな、歌と語りの間ぐらいのものとか。 多分、音楽とそうでないものの間には明確な境界線がなくて、 グラデーションみたいになってると思うんですけど、 その辺りはどれぐらい追求したんでしょうね。 そういえば昔、モーツァルト聴くと賢くなる、 みたいなこと言われてましたね。 では本日最後のニュースです。 iPhoneの“バイブ音CM”が大不評!「紛らわしい」「気が散って不快」 https://myjitsu.jp/archives/365980 まいじつ 7/16の記事です。 「7月上旬に通信大手各社が「大丈夫、iPhoneなら」をキャッチフレーズとした『iPhone』の新CMを公開。何を告知したいのか伝わり辛い内容な上、不快感を催すと不評の声が上がっている」 要するに、テレビで電話が鳴ると、 自分の電話かと思ってドキッとする、ということですね。 人間の耳は、低い周波数の方が音の方向性がわかりにくいそうですから、 バイブ音なんかは、テレビから聞こえてるというのが 判断しづらいのかもしれないですね。 僕は電話が結構苦手で、 かかってくるとドキッとしてしまうんですけど、 このCMに対する反応からすると、 それって少数派でもないんですね。 つまり電話の音って、多くの人が 不快に思ってるってことじゃないですか。 だとしたら、電話自体ももう少し、 かかってくると不快、ということを前提として 設計し直した方がいいんじゃないかと思いました。 例えばフェードインしながら音が鳴るとか、 バイブももう少し短く、断片的になるとか。 多分、すぐ気付かせるためにはよくないことなんでしょうけど、 別にすぐ気づかなくてもいいじゃないですか。 かけ直そうと思えばかけ直せるし、 っていうか、自分のタイミングでかけ直す方が、 相手のタイミングで強制的に通話させられるよりありがたいし。 携帯端末メーカーの皆さんは、カメラ機能とかディスプレイのサイズもいいですけど、 こういう精神衛生上のホスピタリティの向上についても、 ご検討をお願いします。 以上、音に関するニュース「音ニュー」でした。

23 Jun 2022
#44 音に関するニュース「音ニュー」2022年6月号
世の中に溢れる様々なニュースの中から、 音に関する話題だけを番組独自の視点でピックアップしてお届けします。 まず一つ目のニュースです。 18世紀パリの人々はどんな音を聞いていた?─音響考古学が再現する“音の歴史” https://news.yahoo.co.jp/articles/abe0fecb41b4fc1ab8e332e30fd2f821afb041e6 (https://news.yahoo.co.jp/articles/abe0fecb41b4fc1ab8e332e30fd2f821afb041e6) https://courrier.jp/news/archives/209528/ (https://courrier.jp/news/archives/209528/) Yahoo!ニュースに6/1に掲載された、 クーリエジャポン2020年8月23日の要約記事です。 「フランスの音響考古学者であるミレーヌ・パルドアンは、18世紀パリの街の音を再現しました。彼女がプロジェクトを始めたきっかけは、1734年から1739年の間に製図家ルイ・ブルテズが描いた古地図が手に入ったことです」 この音響考古学っていうのは、録音技術が生まれる前の時代に、 人々はどんな音に囲まれていたのか、というのを、 当時の資料に基づいて、サウンドスケープとして再現する仕事のようですけど、 その音響考古学者のミレーヌさんの専門知識を活かして、 今、ノートルダム大聖堂の音環境を再現しようというプロジェクトが進んでるんだそうです。 ご存知のようにノートルダム大聖堂は2019年に火災がありまして、現在修復中ですけど、 元々古い、歴史的な建造物なんで、それまでも何度も改修工事がされてて、 火災の時も改修中だったらしいですけど、 古い教会ですから、昔から、宗教音楽のための演奏会場でもあったわけですね。 で、当時は当然生演奏ですし、その時代の作曲家は多分ノートルダムの音響構造を踏まえて 楽器の編成とか配置とか考えて作曲してたはずなんで、 そういった資料から遡れば、当時の音を再現できるのかもしれないですね。 クラシック音楽の世界では、時代ごとに楽器の作りとかオーケストラの配置とか色々変わってるので、 例えばバッハの演奏をする際に、バッハの時代の楽器や演奏を再現するようなことを、 ピリオド楽器とかピリオド演奏って言いますけど、 それに倣うと、さしずめ「ピリオド教会」と言ったところでしょうか。 続いてのニュースです。 音を振動や光で知覚する身体装置の意匠が「恩賜発明賞」を受賞 https://pr.fujitsu.com/jp/news/2022/05/31-1.html (https://pr.fujitsu.com/jp/news/2022/05/31-1.html) 富士通株式会社 5/31のプレスリリースです。 「当社の音を振動や光で知覚する身体装置に関する意匠が、このほど公益社団法人発明協会(所在地 東京都港区、会長 野間口有、以下、発明協会)主催の「令和4年度全国発明表彰」において、「恩賜発明賞」を受賞しました。 受賞した意匠は、音の大きさを振動と光の強さに変換して伝達することで、音のリズムやパターンといった特徴をリアルタイムにからだで感じることができる装置に関するものです。丸みのある優しいフォルムで、髪の毛や耳たぶ、襟元や袖口などの様々な部位に違和感なく装着でき、振動を感じ取りやすい形状となっています」 2018年に、落合陽一が日本フィルハーモニー交響楽団と行った、 「耳で聴かない音楽会」と銘打って、 音を振動と光に変換して聴衆が楽しむ、っていうコンサートを行ってましたけど、 このOntennaっていうデバイスは、その際にも使われてたらしいですね。 確かに、音が聞こえないからと言って、字幕のような文字情報でフォローしたとしても、 解決することができる問題には結構限界があって、 特に音楽とかダンスっていうことになると、 やっぱりフィジカルな躍動みたいなものが共有できないと難しいわけですから、 光と振動、特に振動を感じることでリズムを掴める、っていうのは、 なるほど盲点だったなと思いました。 続いてのニュースです。 音情報を文字や手話で視覚化「エキマトペ」 JR上野駅で実証 https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1415869.html (https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1415869.html) インプレスウォッチ 6/9の記事です。 「大日本印刷、富士通、JR東日本、JR東日本クロスステーションは、音の視覚化装置「エキマトペ」を用いて、JR上野駅の1・2番線(京浜東北線と山手線)ホームに流れるアナウンスや電車の発着などの音情報を文字や手話で表現する実証実験を6月15日から12月14日まで実施する」 こちらも、聴覚に障害を持つ人のためのサービスの一環ですね。 音声ガイダンスをテキストにして表示するところまでは想像がつきますけど、 電車の入ってくる音とかドアの閉まる音とか、そういう物理的な音を、 AIが認識して「ガタンゴトン」みたいなオノマトペで表示する、っていうのは 面白いですね。 オノマトペの発達してる日本人ならではの発想なんじゃないでしょうか。 耳が聞こえる人にとっても、文字が出てて視覚的に判断できると、 すごくありがたいんじゃないですかね。 ドアが閉まる「プシューッ」って文字が見えたら、 諦めがついて、駆け込み乗車も減ったりして。 では本日最後のニュースです。 「音」と「運動」で認知症予防 オトバンクが関西福祉科学大と研究 https://www.iza.ne.jp/article/20220609-OLS7VE4MDZAHLGNL7E6YNCJBJQ/ (https://www.iza.ne.jp/article/20220609-OLS7VE4MDZAHLGNL7E6YNCJBJQ/) 産経新聞 6/9の記事です。 「音声コンテンツ制作配信のオトバンク(東京都文京区)は9日、音声コンテンツ配信を聞きながら運動すると、従来の認知症予防トレーニングと同等の脳血流効果が得られることが、関西福祉科学大学との共同研究で確認されたと発表した。すでに日本早期認知症学会で論文発表されている」 運動しながら計算問題を解くのと、 運動しながら音声コンテンツを聞くのとを比べると、 脳の血流の活性化を起こすには、運動だけをするのと比べて、 どちらも同等の高い効果があるらしくて、 しかも計算問題だと、問題とか答えとか覚えてしまうと効果が落ちていくらしいので、 音声コンテンツ配信を次々に聞くのがいいよ、っていう、 まあ、オーディオブックのサービスを行なってる会社の調査データではありますけど、 一応学会で論文が発表されるぐらいの根拠のある話ですので、 それなりの信憑性は担保されてるかと思います。 やっぱり、音声コンテンツ配信、いいんじゃないでしょうか。 僕もそう思います。 僕のポッドキャストも、聞いて欲しいです。 以上、音に関するニュース「音ニュー」でした。

26 May 2022
#40 音に関するニュース「音ニュー」2022年5月号
世の中に溢れる様々なニュースの中から、 音に関する話題だけを番組独自の視点でピックアップしてお届けします。 まず一つ目のニュースです。 「音」のソリューションを提供する 東京藝術大学発ベンチャー「coton」 https://www.axismag.jp/posts/2022/04/464760.html (https://www.axismag.jp/posts/2022/04/464760.html) AXIS Web Magazine 4/20の記事です。 「サウンドアーティストの松尾謙二郎が代表取締役を務めるcoton(コトン)はこのほど、「東京藝術大学発ベンチャー」に認定された。これにより、同社は東京藝術大学のサポートを受けるとともに、大学の施設等の利用が可能となり、同大学が持つ多様なアートリソースを活用できるようになるという」 事業としては、自動生成される環境音楽でサウンドスケープを提供するサービスと、 店舗とかの音響設備のインストールがメインなんですかね。 面白いのは、ソニックウォークっていう、位置情報と連動して、 自分のいる場所にバーチャルに設置されてる音をスマホで聴くっていう、 音のVR/MRみたいなサービスですね。 他にも、ミミカフェっていう、バーチャルなカフェの音を作れるアプリもありますけど、 これはエピソード36「ミソフォニア(音嫌悪症)という病」でも触れたような、 集中したいときに周りの音が耳障りになる人には、いいかもしれませんね。 続いてのニュースです。 水中の「生物音」収録 大規模データベースを構築 国際研究 https://www.afpbb.com/articles/-/3399130 (https://www.afpbb.com/articles/-/3399130) AFP BB News 4/24の記事です。 「学術誌「フロンティアズ・イン・エコロジー・アンド・エボリューション(Frontiers in Ecology and Evolution)」に最近発表された論文の筆頭執筆者で、オーストラリア海洋科学研究所(AIMS)のマイルズ・パーソンズ(Miles Parsons)氏は「生物多様性が世界中で減少傾向にあり、水中の音環境も人類の影響でどんどん変化してしまっている。音を発生させる生物が消滅してしまう恐れもあり、その前に音の発生源を記録し、定量化して理解する必要がある」と指摘した」 海の中の生き物が発してる音をアーカイブしようという試みですね。 哺乳類126種すべて、水生無脊椎動物100種以上、魚類約1000種が音を出してるんだそうです。 この、失われていく音を未来に残すために保存するというのは、地上の動物でも共通の課題だと思いますけど、 地上と違って、水中だと360度どこからでも音がするし、しかも自分の耳を使って直に聞くことが難しいので、 調査も大変そうですね。 記事でも、カサゴ類の魚の声を特定するのに3年かかったと書いてますし。 大変重要な仕事だと思いますし、僕ら一般人でも、聴くことができるようになるといいですね。 続いてのニュースです。 バンダイナムコとのコラボレーションで生まれた新しい情報提示音とは? https://kuruma-news.jp/release/nissan/car/3562 (https://kuruma-news.jp/release/nissan/car/3562) くるまのニュースタイムズ 4/27の記事です。 「ビデオゲームと、日産の新型車には共通点があります。それは一体何でしょうか? 答えは、「音」に隠されています!」 ということで、車の警告音をナムコが開発したというお話です。 昔、Windowsの起動音をブライアン・イーノ、ロバートフリップが作ったりしてましたけど、 こういう、生活の中で繰り返し聴く音って、1回目に聴いた時の印象ってすぐに薄れていって、 最終的には印象に残らないものなので、 ゲーム会社とコラボするということによる宣伝効果以上の効果は 多分ないんじゃないかと思うんですけどね。 自動車免許持ってないんでよくわからないですけど。 なんかクラクションの音って、普通は2和音でできてるのが、 高級車だと3和音だったりするらしいですね。 では本日最後のニュースです。 「ブラックホールの音」をNASAがYoutubeで公開 https://gigazine.net/news/20220510-black-hole-sound/ (https://gigazine.net/news/20220510-black-hole-sound/) Gigazine 5/10の記事です。 「宇宙は大部分が真空であり、音波が伝わるための媒体が存在しないため、宇宙空間では音が聞こえません。しかし音が存在しないわけではなく、大量のガスが含まれる銀河団では数千もの銀河を包むガスを媒体として音波が伝わります。2003年にペルセウス銀河団のブラックホールで音波が観測されて以降、同ブラックホールは音に関連付けられて研究されていましたが、本来人間の可聴域を大きく超えたその「ブラックホールの音」を可聴化した音声データをNASAがYoutubeに公開しています」 音ニュー4月号に引き続き、宇宙の音に関する話題ですけど、 昔は理論上の存在でしかなかったブラックホールも、 随分とリアルな存在になったなあという印象です。 人間の可聴域より57オクターブ下、とか言われると、 全くピンとこないというか、 4次元とかマルチバースとか、そういう話を聞いてるような気がしてきますけど、 つまり、可聴域の外側に、それだけ広大な音の世界が広がってるってことですよね。 ブラックホール自体の音よりも、 僕らが聴こえていない音の世界について、思いを馳せてしまいました。 以上、音に関するニュース「音ニュー」でした。

21 Apr 2022
#35 音に関するニュース「音ニュー」2022年4月号
世の中に溢れる様々なニュースの中から、 音に関する話題だけを番組独自の視点でピックアップしてお届けします。 まず一つ目のニュースです。 心臓の音で個人認証、精度95%以上 音のリズムやピッチを分析 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2204/01/news045.html (https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2204/01/news045.html) ITmedia News 4/1の記事です。 「スペインとイランによる研究チームが開発した「ECGsound for human identification」は、心電図から取得した心拍音を分析し、その人が誰かを特定するバイオメトリクス技術だ。心電図(ECG)信号をオーディオ波形ファイルに変換し、5つの音楽的特性を分析することで識別する」 先月に引き続いて、不整脈のお話をして恐縮ですけど、 不整脈の疑いがあると、ホルター心電図っていうのをつけてもらって、 心電図を1日丸撮りするんですね。 脈の乱れが一時的なものか、一日中出てるのか、 時間帯によって出たり出なかったりするのか、調べるためなんですけど。 それで僕が着けてもらった時は、脈飛びがほぼ一日中でっぱなしだったので、 今は脈の乱れを抑える薬を飲んでるんですけど、 ちょっと飲む時間が遅かったり、その日によって、 薬を飲んでても脈が乱れてる瞬間があるんですよ。 この記事にも、 「人間は年齢を重ねるにつれて心臓の信号がわずかに変化するため、 5年間更新などの対処が必要となる。 さらにペースメーカーの使用や不整脈の影響などの要因も 考慮しなければならず課題も多いという」 と書いてますけど、 そういう脈の乱れという要素も、ノイズとして除去して、 その上で個人の特徴が抽出できるんであれば、 非常に期待が持てる技術ではないかと思いました。 続いてのニュースです。 音楽や効果音まで表現 「字幕」がもたらすバリアフリーな映画鑑賞 https://mainichi.jp/articles/20220331/k00/00m/040/183000c (https://mainichi.jp/articles/20220331/k00/00m/040/183000c) 毎日新聞 4/2の記事です。 「映画の字幕に種類があるのをご存じだろうか。一つは洋画でセリフのみを表示する「日本語字幕」。もう一つは、「バリアフリー字幕」だ。「爆発音」「ノックする音」といった、音楽や効果音までも文字で表現するバリアフリー字幕は、聴覚に障害があるなど、「映画は字幕派」という人たちにとってなくてはならないものだ。このバリアフリー字幕はどのようにして生まれるのか。作業の現場を訪ねた」 ということで、記事の中では、バリアフリー字幕を作っている NPO法人に取材したお話がまとめられています。 先月、京都のみなみ会館っていう映画館で 濱口竜介監督の「偶然と想像」を観たんですけど、 本編が始まる前に、 「この映画はUDCastっていう字幕機能に対応してますよ」 っていう説明が出てきたんですね。 今回の記事にあるサービスとはまた別のサービスかもしれないんですけど、 スマホ専用のアプリがあって、それを立ち上げると、 映画の音声と連動して、耳の不自由な人なら字幕が見れて、 目の不自由な人なら音声でガイドしてくれるサービスだそうです。 僕はこの映画がそういう機能に対応してるのも、 その瞬間に知ったのでアプリも何も用意してなかったんで、 それ、使いそびれたんですね。 僕は、耳も目も特に不自由はないので、 必要ではなかったんですけど、 映画見てて、セリフが聞き取りづらかったり、 「え?今なんて言った?」って思うこと、結構あるんですよね。 前から思ってたんですけど、 別に耳に不自由なくても、 日本語映画の字幕は、選択肢としてあってもいいように思ってます。 一応このポッドキャスト、概要欄に全文を載せてるのは、 バリアフリーって意味でもあります。 続いてのニュースです。 人間の耳で聞こえる火星の音の録音に成功。2つの速度の違う音があることが判明 https://karapaia.com/archives/52311583.html (https://karapaia.com/archives/52311583.html) カラパイア 4/5の記事です。 「研究者たちがマイクと、レーザーと、数学の妙技を使って、火星での音の速度を計算したそうです。もちろん人類史上初。その結果、音速は火星だと地球よりも遅くなることがわかりました。NASAの火星探査機パーサヴィアランスが、またしても手柄を収めました」 このポッドキャストのエピソード9「宇宙空間は無音か否か」で、 宇宙空間は無音だと言われてるけど本当にそうなのか、という話をしましたし、 エピソード25「夜には夜の音がある」では、 空気の濃さや気温の高さによって音が伝わる速度が変わるという話もしましたので、 聴いてくれた方なら、音の伝わり方に空気が関係していることはご存知だと思いますが、 火星の空気は、ほとんどが二酸化炭素なんだそうです。 地球だと、窒素が8割なので、窒素の特性が音の伝わり方に影響するんですけど、 火星の場合、二酸化炭素の特性が影響して、 そうすると、240Hz以下の低音は伝わるのが遅くなって、 高音は減衰されてしまうそうです。 火星は地球と比べてものすごく寒いので、 そんなことも影響してるのか、音の伝わる速度は、 地球の秒速340メートルよりも100メートル遅い、240メートルだそうです。 秒速の100メートルの差が、体感的にどんな違いがあるのか、 よくわかりませんけど。 昔、ボイジャーのゴールデンレコードっていう、 宇宙探査機に地球の音を録音したレコードを乗せて、 地球外の生命体に音を届けようというプロジェクトがありましたけど、 もし、レコードを解読して再生できたとしても、 地球以外だと、多分思ったような音では鳴らないんでしょうね。 では本日最後のニュースです。 耳鳴り軽減へ脳を訓練 音響療法+補聴器 音の「感度」下げ意識の外に https://www.tokyo-np.co.jp/article/169858 (https://www.tokyo-np.co.jp/article/169858) 東京新聞 4/5の記事です。 「周囲に音がないのに、さまざまな音が聞こえる耳鳴り。治療が必要な人は全国で三百万人近い。特効薬がない中、三カ月以上続く慢性の場合は近年、耳鳴りに順応するよう、脳を訓練する治療が一般的になっている。適切に施せば耳鳴りの苦痛は軽減するが、柱となる夜間の音響療法と補聴器の調整には注意点が多く、効果が上がっていない人も少なくない」 脳は、外耳、中耳を通って内耳に伝わった音を電気信号として認識してるんですけど、 聴力が落ちてくると、音が聞こえにくいので、 脳は聞き取ろうとして感度を上げるみたいなんですね。 それが耳鳴りの原因になることがあって、 しかもその音を脳が不快だと認識すると、 脳は不快なものを防衛本能で際立たせてしまうことがあるんだそうです。 不快なものと、危険なものを、一緒くたにしてしまうんでしょうね。 それで不快感が増すと、余計に耳鳴りがひどくなる…… という悪循環に陥ってしまうのを改善するために、 就寝時に環境音を流したり、補聴器を使うことで、 脳の感度を緩める治療法があるということらしいですが、 記事によると、専門医の指導のもとでやらないと、 効果を得るのは難しいみたいです。 僕も割と普段から耳鳴りがあるんですけど、 前回の「ミソフォニア」に関するポッドキャストで、 スマホにノイズを再生する機能があるっていう話をしたんですけど、 最近、電車の中で本を読むときとかに、 この機能を使ってノイズをずっと聴いてるんですね。 で、駅に着くとノイズを切るんですけど、 ノイズを聞き終わった後、ちょっと頭がスッキリした気になるんですよ。 単にノイズがなくなって楽になってるだけかもしれないですけど、 気持ち、音の聞こえ方もクリアになってる気もするんですね。 ちょっと耳鳴りの症状がマシになってるんかな、と思ったりしたんですけど、 単なる思い込みだと思います。 以上、音に関するニュース「音ニュー」でした。

24 Mar 2022
#31 音に関するニュース「音ニュー」2022年3月号
世の中に溢れる様々なニュースの中から、 音に関する話題だけを番組独自の視点でピックアップしてお届けします。 まず一つ目のニュースです。 音の情報が少ないと、逆に脳の負担に? 補聴器のオーティコンが提唱する「ブレインヒアリング」とは https://bunshun.jp/articles/-/51794 (https://bunshun.jp/articles/-/51794) 文春オンライン 2/8の記事です。 「110余年の歴史を有する補聴器メーカー、オーティコンは、脳に着目した補聴器を開発してきた。先進補聴器「オーティコン More(モア)」は、人工知能技術を用いて周囲のありのままの音の情景を脳へ届ける。」 補聴器って、通常は外から入ってくる音を増幅して、 聴力の弱っている方の耳に伝えるものですけど、 この商品は、単に外部の音をそのまま伝えるんじゃなくて、 その音が何の音か、ということを人工知能が判断して、 その音が人間にとって自然に聞こえるバランスに調整して 伝えてくれる、ということのようです。 実際にレコーダーとかスマホとかで環境音なんかを録音してみるとよくわかりますけど、 マイクって音に対して非常にフラットに反応してるんですね。 音の距離とか音の大きさそのままに受けて、 小さかったら聞こえないし、大きすぎたら割れるし。 でも人間の耳は、ある特定の音に意識を集中させると、 他の音がマスキングされたり、 気になる音だけを探して聞いたりすることができるわけです。 この補聴器は、人工知能に1200万種類の音を記憶させてて、 鳥の声ならこう聞こえる、とか判断してくれるそうですけど、 どれぐらい、人間の聞こえ方が再現できるんでしょうね。 続いてのニュースです。 ヤマハ発動機がヘリコプターの音を見える化、その方法と狙い https://news.yahoo.co.jp/articles/6e4ffaa142ee35c7c60070cb6727ea04e3483317 日刊工業新聞 2/26の記事です。 「ヘリコプターの「ババババ…」という飛行音を見える化―。ヤマハ発動機は音響や流体、構造の解析など複数のシミュレーションを統合した解析手法である連成解析で、産業用無人ヘリコプターのエンジンの発する音やローターの流動音が混ざり合って聞こえる飛行音を見える化した。ローターの流動音の正体を解明し、稼働時の静音性を高めるのが狙いだ。」 ヘリコプターの周囲の音を、ヒートマップみたいにして、 色の濃淡で音の大きさとか、音の流れが見られるので、 何がどう影響して騒音につながってるのかがわかるということなんだと思いますけど、 これを元に、製品開発だけじゃなくて、 操縦の仕方によって静かに飛ばせるかどうかとか、 そういうことも含めて研究を進めてるみたいですね。 産業用無人ヘリコプターっていうのは、ドローンも含まれてるんですかね。 あれもたいがいうるさいわけですけど。 続いてのニュースです。 “虫が嫌がる”音と光を発信する軽量11gの充電式アクセサリー「MOSOUT」 https://news.kakaku.com/prdnews/cd=kaden/ctcd=2182/id=116973/ 価格.com新製品ニュース 3/16の記事です。 「Gloture は、「虫が嫌がる」とする音とLEDの光を発射するアクセサリー「MOSOUT」を発表。」 「化学薬品を使わず、音とLEDの光で虫を遠ざける防虫アクセサリー。「虫や動物が嫌がる」とする15~44kHzと52~60kHzの2種類の音を4か所のスピーカーから発信し、LEDライトから、600~610nmの可視光を照射する。」 これは、ずいぶん前に人から聞いた話なんで、本当かどうかわからないんですけど、 昔のブラウン管のテレビって、すごく高域のところでノイズが出てたんですね。 だから僕は、ブラウン管の時代は、家電量販店のテレビがいっぱい並んでるコーナーに行くと、 耳がキーンとするから苦手だったんですけど、 当時はどこの家にもブラウン管のテレビがあったわけじゃないですか。 だからテレビを見てると、四六時中ブラウン管のノイズをうっすら聞き続けてるので、 ブラウン管テレビで育った世代は一律、ある周波数以上の音は聞こえなくなってる、 っていうのを聞いたことがあるんですね。 だから、虫除けで高周波の音を出すっていうのは、自分は意識的には聞こえてないとはいえ、 ちょっとそこが心配かなあ、と思いました。 では本日最後のニュースです。 音を聞き取る布地 https://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/14013 Nature asia 3/17の記事です。 「音を効率的に検出できる特殊な繊維が編み込まれた布地を発表した論文が、Nature に掲載される。これらの布地は、ヒトの耳の複雑な聴覚系から着想したもので、双方向的なコミュニケーションに使用でき、音源定位を補助し、あるいは心臓活動のモニタリングに使用できる。」 これは布地に圧電繊維っていう特殊な繊維が織り込まれてて、 その繊維が、音を受けて電気信号に変換できるということらしいですね。 大雑把にいうと、レコード針をより小さくしたもの、みたいな感じなんですかね。 応用例として、 「心疾患や呼吸器疾患の患者のリアルタイムの長期モニタリング」 っていうのが挙げられてるんですけど、 僕、不整脈があって、最初病院に行ったときに、 ホルター心電図検査っていうのをやってもらったんですよ。 健康診断で心電図って撮ってもらいますけど、 あれは正確に調べようとすると、一日中測らないと駄目なんですね。 それで、小型の検査機を丸一日体につけて、 普通に生活する、っていうのをやるんですけど。 これ、すごく邪魔くさいんですね。 身体中にシールみたいなのをペタペタ貼り付けられるのも、 肌がかぶれて痒いし、お風呂も入られへんし。 でももしかすると、こういう布地のシャツを着るだけで脈の乱れがモニターできるんであれば、 検査も楽になるし、 もっと気軽に診てもらえるようになるのかもしれないですね。 心疾患の持ち主としては、期待が高まるところです。 以上、音に関するニュース「音ニュー」でした。

24 Feb 2022
#27 劇場で響き渡る飴玉の包装紙の音
私は今、とあるコンサートホールに来ています。 会場の中では、現在モーツァルトが演奏されていますが、 私は今、のど飴を食べるために、静かに席を立って、 ロビーに出てきました。 演奏を聴いている途中に空気の乾燥が気になって 喉がイガイガしたとしても、 演奏中にのど飴の袋を開けるのはご法度です。 昔、ベンチャーズのコンサートに行ったときに、 隣の席に座った年上の女性から、飴玉をいただいたことを、 今でも鮮明に覚えています。 ベンチャーズなら、飴を食べても大丈夫です。 ホール内は飲食禁止だった気がしますが、今はその件は置いておきます。 ベンチャーズのようなロックやポップスなら、 飴をなめようがお茶を飲もうが問題ありませんが、 クラシック音楽のコンサートホールでは、 そうはいきません。 ポピュラー音楽と違い、アンプで音を増幅せずに、 楽器自体の音とホール内の反響のみで聴かせるクラシック音楽は、 耳をすませば全てが聞こえるほど緻密で階層の深い表現である一方で、 ちょっとしたノイズが聞こえるだけでもかき消されかねない繊細さがあります。 そのために、コンサートホールは、外部からの音を遮断するような構造になっていますが、 内部からの音は、遮断しようがありません。 そのような空間の中で、飴玉の包装紙を開ける音が、 どれほど大きく聞こえるでしょうか。 演奏中に、鞄の中からおもむろにのど飴を取り出す行為は、 飴玉の所有者とそれを見守る観客、両方に対して、 極度の緊張を強いることになります。 映画館でも、作品によっては、これに近い緊張が漂う場合がありますが、 クラシック音楽ほどではないでしょう。 しかし、クラシック音楽において、このような緊張が強いられるようになったのは、 意外に古いものではありません。 「静かに聴く」「音楽に集中する」という文化は、 19世紀あたりに、現在のクラシック音楽を、 「クラシック音楽」と捉えるようになった頃に、 産業革命によるブルジョワジーの台頭とともに生まれたもので、 それまでの、モーツァルトやベートーベンといった、 古典派音楽の時代には、そこまで静かにして聴くものではなかったようです。 例えばオペラの序曲は、元々は客入れのBGMの意味合いがあり、 今のように、序曲が始まる前に席に着くのではなくて、 序曲が始まると、そろそろ席に着く、というためのものだったようです。 オペラの序曲と交響曲の第1楽章は、その多くが似た構造を持っていますが、 当時の演奏会のプログラムにおいて最初に演奏されるのが交響曲の第1楽章で、 今と違って、交響曲も客入れBGMのような扱いだったことが、 そんなところからも伺えます。 このような演奏会は、貴族が主催する、いわば社交の場という性格を持っていたようで、 その頃の演奏会の観客は、酒場での演奏を聞く観客とほぼ同じで、 酒、煙草、雑談、さらにはトランプに興じている客もいて、 興味がなくても黙って聴き続ける、という意識などあるはずもなく、 中には飼い犬を連れてくる人もいたそうです。 作曲家や演奏家も、それが当たり前だと全面的に受け入れていたかというと やはり当時の作曲家も、喋ってばかりでろくに演奏を聴いていない 観客にはうんざりしていたようです。 演奏会が貴族の社交場のBGMではなく、ブルジョワジー、 つまり中産階級の一般消費者のものになると、 自腹を切って演奏を聴きに行くという、 いわゆる「聴衆」が生まれて、 産業として成長していくに従って、 大衆音楽として消費する路線とは別に、 シリアスミュージックとしてのクラシック音楽が、 過去の巨匠の発掘・研究の充実とともに確立していったものが、 今の状況の源流となっているようです。 日本の大衆文化においても、 明治・大正の頃の、活動写真や舞台の芝居小屋がひしめく繁華街に出かけると、 近隣の劇場の前での客寄せの音楽や 賑やかな見せ物の音が劇場の中まで聞こえていたようで、 しかも、赤子の鳴き声が響くのは日常茶飯事、 中には火鉢を持ち込んで餅を焼くものまでいたという話もあるぐらいですから、 当時は客席の喧騒も含めての観劇体験だったのかもしれません。 今となっては信じられないような気もしますが、 たかが飴玉の袋ひとつ開けるだけで目クジラを立てられる現在の状況というのも、 やや先鋭化が過ぎるようにも思えます。 さて、そろそろホールの中に戻りたいところですが、 演奏中に出入りする、なんてのも、 今の演奏会では、ちょっと周りの視線が怖いですね。 この番組では、あなたが考える、劇場での音のマナーについて、 ご意見を募集しています。 宛先はポッドキャストの概要欄をご確認ください。
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