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気候変動の向こう側

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by Kenji Miyajima

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気候変動の科学、倫理/正義問題を中心に、環境倫理/環境正義など、私たちの生活スタイルと密接な関係にある地球環境問題について書いています。

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Episode thumbnail for 気候ポッド 第53回 ~ リスナーさんと日常会話をしてみる ②: 広く受け入れてもらえる&効果的な気候アクションってあるの?

December 4, 2022

気候ポッド 第53回 ~ リスナーさんと日常会話をしてみる ②: 広く受け入れてもらえる&効果的な気候アクションってあるの?

<p>今回のエピソードは、Just Stop Oilやラスト・ジェネレーションなどによる、ゴッホの「ひまわり」にトマトスープのような、<strong>非暴力の直接行動</strong>、いわゆる<strong>市民的不服従運動</strong>が話題になった際に、気候科学者や環境活動家からもあがった「そんなやり方じゃ受け入れてもらえない」「逆効果だ」「非効率的なやり方だ」という声を受けて、<a href="https://twitter.com/Beyond_Climate/status/1584376236419125248" target="_blank">Twitterで募集した以下の質問</a>への回答をとりあげて話をしています。</p> <p>【質問】気候変動対策を進めるために、<strong>①どんな抗議活動や発信方法が「広く受け入れてもらえる」と思いますか?</strong></p> <p>また、<strong>②どんな抗議活動や発信方法が「気候変動対策を進めるために効果的」だと思いますか?</strong></p> <p>一緒に考えながら聴いてもらえるとうれしいです。なにか思い浮かんだら、ブログへのコメント、メッセージ、TwitterへのメンションやDMなどお待ちしています。</p> <p>あと、<strong>Spotifyのスマホアプリ限定</strong>(デスクトップでは出てこない)なのですが、<strong>アンケート機能</strong>が追加されたので、『<strong>ゴッホの「ひまわり」にトマトスープをかけるなどの「非暴力の直接行動」「市民的不服従運動」についてどう考えますか?</strong>』という質問に<strong>6つほど回答</strong>を用意してあります。回答してもらえるとうれしいです。</p> <p>すべてをとりあげることはできませんでしたが、興味深い回答ばかりでした。ご協力ありがとうございました!</p> <p>+++++++++++</p> <p>「気候変動を日常会話に」を合い言葉に、通勤通学時、エクササイズや家事をしながら、お風呂などで構えずに「ながら聴き」をしてもらえるような、知識も意識も敷居も低い「3低ポッドキャスト」になっています。</p> <p>ポッドキャストやブログへのコメント、感想、意見、質問、リクエスト、リスナーのみなさんと共有したいメッセージなど、なんでも気軽にお寄せください。気候変動についてみんなで日常会話をしましょう!</p> <p>Twitter: <a href="https://twitter.com/IN16653283">Nico</a>|<a href="https://twitter.com/Beyond_Climate">Ken</a></p> <p>イントロ曲: Music by <a href="https://users/music_unlimited-27600023/?tab=audio&amp;utm_source=link-attribution&amp;utm_medium=referral&amp;utm_campaign=audio&amp;utm_content=112771">Music_Unlimited</a> from <a href="https://pixabay.com/?utm_source=link-attribution&amp;utm_medium=referral&amp;utm_campaign=music&amp;utm_content=112771">Pixabay</a></p> <p>アウトロ曲: Music by <a href="https://users/sergequadrado-24990007/?tab=audio&amp;utm_source=link-attribution&amp;utm_medium=referral&amp;utm_campaign=audio&amp;utm_content=109889">SergeQuadrado</a> from <a href="https://pixabay.com/music/?utm_source=link-attribution&amp;utm_medium=referral&amp;utm_campaign=music&amp;utm_content=109889">Pixabay</a></p>

Episode thumbnail for 気候ポッド 第52回 ~ 毎年数百万人の命を奪って利益を得る化石燃料産業とゴッホにトマトスープぶっかけ、過激なのはどっち?

November 18, 2022

気候ポッド 第52回 ~ 毎年数百万人の命を奪って利益を得る化石燃料産業とゴッホにトマトスープぶっかけ、過激なのはどっち?

<p>今回のエピソードは、<a href="https://www.theguardian.com/environment/2022/oct/14/just-stop-oil-activists-throw-soup-at-van-goghs-sunflowers" target="_blank">ゴッホの「ひまわり」にトマトスープをぶっかけて</a>注目を集めた市民的不服従運動について話しています。</p> <p>まずはWikipediaから<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%82%E6%B0%91%E7%9A%84%E4%B8%8D%E6%9C%8D%E5%BE%93" target="_blank">市民的不服従</a>ってなんなのかを。</p> <p>『市民的不服従(しみんてきふふくじゅう、英語: civil disobedience)は、良心にもとづき従うことができないと考えた<strong>特定の法律や命令に非暴力的手段で公然と違反する行為</strong>である。</p> <p>市民的不服従は、よくある犯罪と異なり、<strong>法を破ることが正しいと確信</strong>して行われる。<strong>不正な法律(悪法)に従うよりも、良心に従って違反</strong>するほうを選ぶ。……<strong>誰もがわかるように公然と行い、追及する官憲から逃げず、逮捕を妨げようともしない</strong>。</p> <p>市民的不服従の特徴の一つは、逃げも隠れもせず逮捕され、処罰されることにある。違反から利益を得ようとはせず、むしろ進んで不利益を受ける。このため、本当は利己的な動機からしたことで、主張は後から付けた言い訳だろうというような勘ぐり・非難は封じられる』</p> <p>例としては、<strong>非暴力の抵抗を続けたガンジー</strong>や、<strong>公民権運動のマーティン・ルーサー・キング Jr.</strong>などが挙げられます。</p> <p>活動家たちは、いきなり名画に体を接着させたり、スープや食べ物をかけたりしたわけじゃありません。<strong>他の方法を全部試しても政府はパリ協定を満たす気候変動対策を講じてくれない</strong>。気候変動や食料危機の影響で<strong>失われていく命</strong>や、<strong>苦しい生活を強いられている貧しい人々</strong>、<strong>気候変動で深刻化していく未来</strong>を憂えるあまり、いても立ってもいられなくなって<strong>市民にできる最後の手段ともいえる市民的不服従</strong>に出ているんです。やりたくてやっている人はいません。</p> <p>そんな事情をどこまで理解しているのかわかりませんが、「名画を狙うなんて間違っている」「そんなやり方は逆効果だ」と、活動家を非難する声がほとんどだったような気がします。表面だけを見ると、たしかにそう感じるんですよね。</p> <p>でも、<strong>何十億円もするような絵画は、資本主義や貧富の差を象徴</strong>しています。また、ゴッホの「ひまわり」を所蔵している<strong>英ナショナルギャラリーは、化石企業との関係を批判されてきた過去</strong>があります。</p> <p>ポッドキャスト収録後に、<strong>活動家によってクリムトの「死と生」にオイルをかけられたオーストリアのレオポルド美術館</strong>も<strong>ガス石油企業がスポンサー</strong>です。<strong>年間に数百万人もの命を奪って利益を得る産業がスポンサーをしている美術館の「死と生」に真っ黒なオイル</strong>をかける。メッセージはこれ以上ないくらいハッキリしていますよね。</p> <p>本当に逆効果なのか?活動家の目的は、<strong>メディアの注目を集める</strong>こと。<strong>人々をイラッとさせて関心を引く</strong>こと。多くの人たちが気候変動を深刻な問題として捉え、<strong>世界中で会話が始まること</strong>を願っています。めっちゃ効果的じゃないですか?世界が思うツボちゃんになっちゃってるじゃないですか。怒れば怒るほど、メディアが取りあげれば取りあげるほど、この活動は続くと思います。</p> <p><strong>ゴッホにトマトスープ後にイギリスで行われた世論調査</strong>では、<a href="https://www.theguardian.com/environment/2022/oct/24/huge-uk-public-support-for-direct-action-to-protect-environment-poll" target="_blank">66%の人が非暴力の直接行動を支持</a>しました。専門家は、たとえ的外れに見えるようなものをターゲットにした直接行動でも、時間がたてば人々は根っこにある問題を見るようになると指摘します。また、非暴力の直接行動は人間が対象なので、「ゴッホにトマトスープは暴力」という批判はあたりません。もちろんエコテロリズムでもありません。</p> <p>イギリスの約3分の2の人たちは、見えている部分に感情的に反応しつつも、活動家の「1.5℃のラインを守るために英政府は新規のガス・石油の調査・開発・生産を中止せよ」という<strong>主張は正当</strong>だと捉えているといえるでしょう。</p> <p>言い換えると、Just Stop OilやExtinction Rebellion、Sunriseがやっている市民的不服従運動が、<strong>弱者のため、より良い社会、未来のための利他的な行動だという本質を見ている</strong>のだと思います。</p> <p>気候変動が差別や格差の問題、貧しい人々にとっては命の問題、資本主義による搾取の問題、環境正義/気候正義問題だということを理解している人が多い社会には、<strong>市民的不服従運動を受け入れる土壌</strong>があるんでしょうね。</p> <p>翻って<strong>日本はというと、差別や格差、貧困を自己責任と捉える人も多く、当事者も声をあげるのをためらう</strong>傾向にあります(弱者が声をあげるとおっさん病患者たちが全力でたたきまくるのでしょうがない)。なので、市民的不服従運動がなかなか受け入れてもらえないのもわかります。<strong>お上に逆らうのは御法度的な臣民気質</strong>がいまだに残っているのでしょう。</p> <p>さらに、気候変動では、そもそも<strong>環境正義/気候正義のルーツに関心がない活動家が気候正義を振り回し</strong>て、<strong>無批判に支持するサポーター</strong>が彼女ら/彼らを甘やかし、<strong>環境正義/気候正義を理解していないメディアが気候正義や活動家をコンテンツとして消費する</strong>という未成熟さがアクセル全開で暴走中。欧米の市民的不服従運動のような、<strong>利他的なムーブメントを生み育てる社会環境が整っていない</strong>と言わざるを得ません。</p> <p>欧米から数十年遅れている日本の社会正義や環境正義/気候正義運動。焦るとろくなことにならないので、時間がかかっても「公正の視点」を身につけていくしかないんでしょう。</p> <p>私からみなさんへの質問はこれ。</p> <p>毎年大気汚染や気象災害によって数百万人の命を奪うことで利益をあげ、さらに温暖化を悪化させても責任をとらない化石燃料産業と、絵画にスープや食べ物をかけ、ガス石油タンカーの通過を妨げるために橋を封鎖し、その責任をとる活動家。どっちが過激なんでしょうね。</p>

Episode thumbnail for 気候ポッド 第51回 ~ YOUは何しにエジプトへ? COP27議長国の人権弾圧に沈黙する気候ムーブメントの危うさ

November 5, 2022

気候ポッド 第51回 ~ YOUは何しにエジプトへ? COP27議長国の人権弾圧に沈黙する気候ムーブメントの危うさ

<p>11月6日から、エジプトのシャルムエルシェイクで、国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)が開催されます。</p> <p>そう、<strong>軍事独裁政権が市民を弾圧し、言論を封じ、活動家を投獄し続けているあのエジプト</strong>で、<strong>グリーンウォッシュと人権ウォッシュのショー</strong>が始まります。</p> <p><strong>COP27が、気候正義問題ど真ん中</strong>なんですね。</p> <p>そんなこともあって、近年の気候ムーブメントを生んだ<strong>グレタ・トゥーンベリさんは欠席を何度も表明</strong>。「<strong>最も影響を受けている地域の人々が参加するので、彼らの声が聞き届けられることが重要</strong>」と、今回のCOPで目玉になる「<a href="https://beyondclimate.org/article/430677943.html" target="_blank"><strong>ロス&ダメージ(損失と損害)</strong></a>」の制度化を訴える<strong>開発途上国のMAPA(最も影響を受ける人々と地域)の声を邪魔しないために欠席</strong>することを示唆。実際、COP27に備えて、<strong>65カ国の開発途上国から約400人の青年活動家</strong>がチュニジアに集まり、大量排出国に「ロス&ダメージ(損失と損害)」を強く求める決意を固めています。そういう声を<strong>大量排出国側がかき消すのは環境正義に反する</strong>という思いがあるのでしょう。<strong>大量排出国側が善意の押しつけで代弁する必要もない</strong>ですものね。<strong>途上国は声を持っている</strong>んですから。大量排出国の活動家は、COPとCOPの間の1年を利用して、自国で自国の政治にプレッシャーをかければいいと思います。<strong>COPの主役は、開発途上国の弱者</strong>です。</p> <p>それ以外にも、グレタはエジプトの<strong>軍事独裁政権によって不当に投獄されている6万人ともいわれる活動家たちへの人権弾圧や自由な言論やデモが規制されている</strong>ことも、欠席の理由に挙げています。</p> <p>また、グレタさんは「<strong>数多くの人権侵害を犯している国の観光客の楽園なんて、私は行かない</strong>」とも発言しています。たしかに、<strong>シャルムエルシェイクはリゾート地で、貧富の差や差別という、気候変動の根本にある環境正義/気候正義問題を象徴するような場所</strong>ですよね。そこに世界中から集まった活動家たちが、気候正義を訴える。なんて皮肉な光景なのでしょうか。</p> <p>日本でもおなじみのナオミ・クライン氏は、<strong>世界の気候ムーブメントに対して、現地に行く行かないに関係なく、エジプトで弾圧を受けている活動家への連帯を表明するように呼びかけ</strong>ています。ほぼ無視されていますが。</p> <p><strong>エジプト革命でリーダー的存在だった活動家、アラー・アブデル・ファタハ氏</strong>は、現在のシーシー政権がクーデターによって政権を強奪した2013年から、9年間のほとんどを獄中で過ごしてきました。彼は、200日以上ハンストを続けていて、COP27開催にあわせて、現在の1日100カロリーだけ栄養をとるハンストを、水だけに切り替えるそうです。そうすると、<strong>COPが終わるまで生きられない</strong>と言われています。</p> <p>彼の家族は、<strong>気候正義を訴える気候ムーブメントに対して、エジプトの活動家がそうしてきたように、権力に向かって声をあげるよう求めて</strong>います。</p> <p>エジプトで起こっていること、それに対する反応などは、<a href="https://twitter.com/i/events/1586587058214158336" target="_blank">Twitterのモーメント</a>にまとめてあります。チェックしてもらえば、流れがわかると思います。</p> <p>でもね。<strong>だれが何を言ってるかなんて関係ない</strong>話なんです。エジプトは、<strong>世界の活動家を歓迎する一方で、自国の活動家をCOP期間中のデモを計画しただけで逮捕</strong>しています。ダブルスタンダードもいいところです。<strong>気候正義がないがしろにされている国で、そのことには触れないまま、気候正義を訴える気候ムーブメント。それが言い訳の余地なんてない、気候正義に反する行為だということは、環境正義/気候正義をちゃんと学びさえすれば、当たり前のように理解しているはず</strong>なんです。</p> <p><strong>正義</strong>。<strong>思いやり</strong>。<strong>人間愛</strong>。<strong>人間性</strong>。<strong>連帯</strong>。<strong>交差性</strong>。</p> <p>環境正義/気候正義を達成するには、こういったことを言葉や行動で示す必要があります。</p> <p>Speak up or shut up. You choose.</p> <p>エジプトの活動家たちが見ています。</p> <p>+++++++++++</p> <p>「気候変動を日常会話に」を合い言葉に、通勤通学時、エクササイズや家事をしながら、お風呂などで構えずに「ながら聴き」をしてもらえるような、知識も意識も敷居も低い「3低ポッドキャスト」になっています。</p> <p>ポッドキャストやブログへのコメント、感想、意見、質問、リクエスト、リスナーのみなさんと共有したいメッセージなど、なんでも気軽にお寄せください。気候変動についてみんなで日常会話をしましょう!</p> <p>Twitter: <a href="https://twitter.com/IN16653283">Nico</a>|<a href="https://twitter.com/Beyond_Climate">Ken</a></p> <p>イントロ曲: Music by <a href="https://users/music_unlimited-27600023/?tab=audio&amp;utm_source=link-attribution&amp;utm_medium=referral&amp;utm_campaign=audio&amp;utm_content=112771">Music_Unlimited</a> from <a href="https://pixabay.com/?utm_source=link-attribution&amp;utm_medium=referral&amp;utm_campaign=music&amp;utm_content=112771">Pixabay</a></p> <p>アウトロ曲: Music by <a href="https://users/sergequadrado-24990007/?tab=audio&amp;utm_source=link-attribution&amp;utm_medium=referral&amp;utm_campaign=audio&amp;utm_content=109889">SergeQuadrado</a> from <a href="https://pixabay.com/music/?utm_source=link-attribution&amp;utm_medium=referral&amp;utm_campaign=music&amp;utm_content=109889">Pixabay</a></p>

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