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復職名人が読む三手先

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by Centro Salute

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この番組は、産業医の高尾総司、弁護士の前園健司、社労士の森悠太の三名が、企業や自治体の人事・健康管理に携わる方向けに、メンタルヘルス不調者対応や健康管理について、議論をしていくポッドキャストです。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】 https://peing.net/ja/takaomethod 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210%E2%81%A0

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June 10, 2026

特別編|高尾メソッドと両立支援

労務管理と産業保健研究会の自由集会として、高尾メソッドの立場から仕事と治療の両立支援をあらためて整理した特別編です。 森からの問題提起に対し、高尾先生が賃金のグラデーション制度という具体策を提示し、前園先生が安全配慮義務の法的リスクを補足したうえで、会場との質疑応答で論点を深めました。 告知 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】 https://peing.net/ja/takaomethod 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】 https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ 議論した内容 労働契約の本質と「仕事と治療」の主従関係 職場はあくまで働く場所であり、労働契約に基づく労務提供が前提。あえて「治療と仕事」ではなく「仕事と治療」の順で呼び、留意すべきは病気による労務提供能力の低下の許容ではなく治療機会の確保だと整理した。 育児・介護の両立支援は基本的に「時間(時短等)」の調整であり、本人の職務遂行能力自体は低下していない点が決定的に異なるという指摘。復帰後の体制づくり(保育園探し、ケアプラン策定)は本来労働者が主体的に行うものであり、仕事と治療も同様に本人の主体性が問われるとした。 職務無限定性と個別配慮の不整合 問題の根幹は、正社員の職務無限定性(いつでも・どこでも・何でも)と、個別配慮・特別扱いとの矛盾にあるとの分析。ジョブ型雇用なら「週4日勤務に契約変更」といった交渉で解決し得るが、無限定性ゆえに難しくなる。 「どこで働くか・いつ働くか」は労働契約の本質的部分であり、賃金が労働時間に対して支払われる以上、安易に踏み込むべきでないという補足。会社側から契約変更を持ちかけるのは現実的に難しいとした。 安全配慮義務をめぐる誤解 今回の指針が安衛法68条等を「安易に就業禁止をせず可能な限り措置を講じる」根拠として持ち出しているが、同条は感染性疾患等の就業制限を定めるもので、解釈としては無理筋との指摘。 中途半端な業務軽減での就労は、かえって予見可能性を高め、結果回避義務の不履行の履歴を作り出しかねない。指針を守っていても、いざ訴訟になれば実際に起きた結果が優先され、守ってくれるとは限らないと懸念を示した。 負担の所在と国の役割 育児時短では減額分の一部が雇用保険から補助される一方、傷病については傷病手当金(休業時)のみで、就労継続中の負担構造が不明確。会社が業務量・売上の低下を許容しない限り、しわ寄せは同僚に向かい、企業が不当に利益を得る構図になりかねないとの問題提起があった。 主治医連携と両立支援カードの使い方 会社としての主治医連携は最小限にすべきとの立場。連携すべきは「本人が主治医の説明を理解し、自分で会社に伝えること」であり、治療スケジュール程度は本人が確認・申告すれば足りるとした。 両立支援カードは、本人が労働契約内容(労働時間・異動可能性・使える制度)を自ら書き込み主体性を促す道具として活用する。会社ができる支援内容に選択肢を絞った様式をあらかじめ準備し、衛生委員会等で「自社ではここまで」と整理しておく運用を提案した。事前に会社と本人で配慮内容を合意し、主治医にはチェックのみを依頼すれば主治医の負担も軽減できるとした。 高尾メソッドの答え:賃金のグラデーション制度 マクロの視点(生産量だけでなく労働生産性の向上)を忘れないことが起点。「治療と就業の支援」は労働生産性低下と周囲負担を招く「貧国弱民の策」だと位置づけ、本来の「仕事と治療の両立支援」=富国強兵的な発想との対比を示した。 ミクロではノーワークノーペイから「ワークペイバランス」へ。職務無限定性を放棄すると4掛けになるため、10割〜5割のレンジでグラデーションを作る「プースカフェスタイル/ミルフィーユ構造」の賃金制度を提案。職務限定・勤務地・労働時間などの制約に応じて1割ずつ減額し、最大5割減まで設計する案を提示した。 国の負担として、最大7割まで雇用保険で補填する案、頻回受診には「有給休暇の無給前借り制度」という案も提示。前園先生からは、就業規則・賃金規定で合理性と必要性を備えれば例外的に減額制度は設計可能で、基本給を低めにして職務無限定手当等を上乗せする設計があり得るとの補足があった。 「やってみなはれ」方式と本人の主体性 復職や就業の前に「たられば」で空想的対立をするから、会社は健康リスクを過大に見積もり、労働者・主治医側は念のためと配慮を最大要求する。まず働いてもらい、評価して賃金を合わせるべきという考え方を示した。 賃金減額は本人合意を要件にできないため、育児時短と同様に評価後に一方的に下げる前提で制度化する。両立支援カードは労働者の働く意思の表示と位置づけ、完全労務提供希望/不完全労務提供申し出の2パターンで運用する構想が語られた。 安全配慮義務リスクのマネジメント(前園補足) 安全配慮義務違反のリスクはゼロにできないとの結論。NTT東日本事件(家族性高コレステロール血症・心筋梗塞既往の労働者が連続出張研修後に死亡)を例に、産業医への情報提供不足が義務違反と認定され、過失相殺7割でも3割の限度で敗訴した事案を紹介した。後付けで「こうすれば助かった」と主張される構造的問題があるとした。 リスクは「なくす」ものではなく「マネージする」もの。具体策として、主治医・産業医の意見担保、本人の申し出で始める(訴える土壌を作らない)、家族の早期関与、ストップ要件の強化による早期の療養導入、健康状態の自己申告(就業に支障のある症状の有無・定期通院・服薬のみを確認)が挙げられた。 質疑応答で深めた論点 病状悪化の損害は因果関係の立証が難しく、適切にリスク認識を共有していれば大きな賠償リスクにはなりにくい。死亡・後遺障害と異なり相場も立ちにくいとの見立て。 治療を怠った結果の病状悪化については、定期通院・服薬は本人の役割であると明示しておくべき。過保護な日本の文脈では「言っていないことは知らない」となりがちなため、自己申告に組み込む案が示された。 「0を5にする」という表現は無理やり働かせる印象を与えるため、「10が4に落ちるのを9・8・7・6・5で踏み止まる」と捉えるべきとの整理。見せ方も「ミルフィーユを剥がす」ではなく「4掛けから上乗せする」と表現すべきとした。 産業保健職が配慮を引き出すことへの懐疑に対し、両立支援は医療問題ではなく労務問題だと言い切る姿勢を示した。疾病別の細やかな医療化は、最終的に対象者の特例子会社化(隔離政策)につながりかねないとの危惧から、中小企業でも回せる労務管理の枠組みを重視した。 柔軟な働き方は日本の文脈ゆえに健康によいと見えるだけで、社会疫学の知見では職位の低い層にとって「中抜き」的な働かせ方になり得るとの留保。熱中症リスク等についても、ガイドライン遵守と体制づくりで「訴えさせない土壌」を作ることが重要だとした。 在宅勤務はむしろ体調確認を難しくする面があり、両立支援の文脈では安易に認めない(勤務地制限として扱うか、業務委託に切り替える)という逆説的な論点も提示された。 賃金制度の本格運用は、地域や賃金制度にとどまらず雇用制度全体(正社員かそれ以外か)の整理を要する大きな改革であり、本来は社会保障を含む抜本的改革を伴うべきものを医療側に押し付けている構図だと総括した。両立支援は産業保健ではなく労務管理の分野。 編集後記 高尾 言い忘れてましたが、職能性のもとでの賃金は、簡単には下げられないことはいつも言及しているとおりですが、「●●手当」については、その手当の金額と内容が見合っているものであれば、これを無くすことは、それほど難しくありません(管理職手当、とか)。  それゆえ、職務限定性手当1(軽)みたいなものであれば、職務に限定を加えるならば、これを支給しない対応はできるだろう、ということです。 前園 何を隠そう私は大阪生まれ大阪育ちであり、もともとの勤務先が中之島に面するビルだったので、今回の学会は感慨深いものがありました。仕事に来た日、ドリカムのゲリラライブを遠くから見ていた記憶など・・・ 森 後から考えてみると、プースカフェスタイルは102回の運転制限、やってみなはれ方式は何回か忘れましたが、合理的配慮で取り上げたテーマにも通ずるものでした。議論を長く続けてきたからこその到達だと自負しています。

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May 19, 2026

第102回|てんかんと業務上の運転制限をどう設計するか

今回は、療養中・就業中にてんかんなどの疾病で運転業務に制限が生じた場合の復職判定や処遇のあり方について議論しました。なお、収録の不手際により、本エピソードは議論の途中からの開始となっており、近況報告は含まれていません。ご了承ください。 告知 【第99回日本産業衛生学会@大阪の企画についてポスター発表】 下記の通りポスター発表を行います。 セッションの間は私たちがポスターの前にいますので、ぜひお気軽にお越しくださいませ。 演題番号:P9-95 演題名:産業医・弁護士・社労士の連携の取り組み セッション日時: 5月28日(木) 13:45~14:45 【会場外自由集会】 下記にて、自由集会を行います。公開収録形式の予定です。申し込み不要ですので、ぜひお越しくださいませ。 日時:5月29日(金)9時30分〜11時30分 場所:中之島センタービルディング 31階スカイルーム テーマ:両立支援と高尾メソッド 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】 https://peing.net/ja/takaomethod 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】 https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ 議論した内容 療養期間におけるてんかんの特殊性 通常の原因不明の失神であれば、車内運転は6ヶ月程度のみそぎ期間で再開可能というのが一般的な感覚 検査により疾病が特定されれば、通常は就業制限期間が短くなる方向に働くが、てんかんは2年の実績期間が必要で、特定されると逆に期間が長くなるというデメリットが生じる 失神原因として注意すべきはてんかん・不整脈・血糖値の急激な低下の3つ。不整脈の検出にはホルター心電図が想定されるが、発作の捕捉自体が課題となる リスクベースとリスクトレランスの整理 法的・医学的には運転可能だが、会社として「命じない」バッファー期間が発生する構造 自治体の災害対応のように、いつ命じられるか分からない状態は周囲の納得を得にくい 会社のレピテーションリスクと運用のバランスが論点 就業中に発覚した場合の処遇 復帰時のように一律で休ませる対応はやりづらい 解除期間と、解除はされているが命じない期間を会社側と本人で折半する考え方が示された ケースをマトリックスで整理し、原則とバリエーションを明確化する必要性が指摘された 事故・発作の累積による期間延長ロジック 1回ごとに6ヶ月・1年を独立に当てはめるのではなく、累積で2年など長期に振る運用が必要 累積が2年を超えた時点でキャパシティ問題と捉え、雇用終了や職務限定への切り替えも視野に入る 一方で、無事故期間をクリアした場合は職務無限定に戻す余地を残しておく設計 真に病気で運転回避が必要か、業務回避の意図かの切り分け リスクトレランスとリスクベースの混在をどう切り分けるか、理屈を社内に作る必要がある 治療・自己健康管理への取り組み態度が判断材料となる 接客で問題を起こす人事評価のマイナスとセットで業務から外す運用と類似の構造で整理できる 病気のコントロールと自己健康管理の組み合わせ 糖尿病・高血圧はメディカルコントロールと自己健康管理が揃えばほぼ発作が起きず、就業制限の解除も速やかに可能 てんかんは両方を徹底しても一定頻度で発作が起きるため、2年の実績期間が避けられない 就業制限の解除と現実の配置は別問題で、リスクヘッジ期間は企業規模により変動するが、社内で一定のルールを設けることが必要 運転手当による処遇調整案 「運転するかもしれない手当」を給与に組み込み、制限が生じた際に取り上げる設計案 夜勤手当と同様の構造で、本人へのペナルティを金銭面で吸収する形に整理できる 金額は月1〜2万円程度から、業務の必要性に応じて設定する 解雇や利用延長といった強烈な対応に至らずに調整可能な枠組みを準備できる 社内でのルール設計の重要性 明快な答えは出なくとも、社内で議論し合意形成してルール化することが重要 「めんどくさいから運転させない」で済ませる対応が最も避けるべき結論 議論の過程を同僚にも共有することで、運転免除に対する周囲の納得感も得られる 編集後記 高尾 ひょっとして、職務無限定手当1、手当2とかをあらかじめ組み込んでおいて、通常の復職時、すなわち1ヶ月間以内ならば、これを支給するが、1ヶ月を超えた場合は、支給しなければ、うまくいく? 例えば制約がひとつだけなら、手当1は支給。二つ以上ならいずれも支給しない。 本当は絶対額ではなく、それぞれ基本給の2割くらいに設定できるといいのでしようけれど。 前園 親知らずを人生で初めて抜歯しました。 「詰め物が取れたので歯医者に行ったら、抜歯をすすめられる」という展開が、抜歯あるあるのようです。 よく考えたら、産業保健の界隈でも歯の話題は当然ありますが、法的論点として触れたことはないですね…。 歯のところは、弁護士との連携がしにくい分野かもしれませんね(笑) 森 今回は録音ミスをやってしまいました・・・ いつもは指差し確認をしっかりやって、録音と録画を確認していたのですが、完全に忘れておりました。

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May 12, 2026

第101回|産業医・弁護士・社労士の三職種連携をどう一般化するか

第99回日本産業衛生学会でのポスター発表に向け、産業医・弁護士・社労士の3職種連携の特徴を一般化・整理することを目的に議論を行いました。平時連携と有事連携の違い、共通言語の重要性、不可侵領域とオーバーラップ部分の見極め、シナリオによる同床異夢の最小化など、連携の本質的要素を多角的に整理しています。 告知 【第99回日本産業衛生学会@大阪の企画についてポスター発表】 下記の通りポスター発表を行います。 セッションの間は私たちがポスターの前にいますので、ぜひお気軽にお越しくださいませ。 演題番号:P9-95 演題名:産業医・弁護士・社労士の連携の取り組み セッション日時: 5月28日(木) 13:45~14:45 【会場外自由集会】 下記にて、自由集会を行います。公開収録形式の予定です。申し込み不要ですので、ぜひお越しくださいませ。 日時:5月29日(金)9時30分〜11時30分 場所:中之島センタービルディング 31階スカイルーム テーマ:両立支援と高尾メソッド 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】 https://peing.net/ja/takaomethod 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】 https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ 近況報告 高尾 産業医科大学基本講座の受講者激励会に行ってきました。 前園 労働新聞にて単独連載がスタートしました。この機会に労働新聞をぜひ購読してください。 森 作業環境測定士の取得に向け、第一種衛生管理者保有者向けの免除講習を受講してきました。 議論した内容 ポスター発表の狙い 産業医・弁護士・社労士という3職種連携の特殊性を踏まえつつ、産業保健職と人事・経営層との連携など、より広い場面に応用可能な一般化を目指す方向で整理。 平時連携と有事連携 連携には「個別ケース対応の有事連携」と「考え方や仕組みを整理する平時連携」の2層が存在し、3人の関係は当初から平時連携を並行して行ってきた点が特徴。 平時連携が積み重なることで、有事と感じる事案を平時連携の延長で捌けるようになり、結果として「有事ならない」状態が生まれる。 必要性ベースの関係は必要性が消えれば終わってしまうため、必要性のない時間の確保と中期的なリソース交換が連携継続の鍵。 連携を支える共通言語と考え方の共有 メソッドという共通言語を持っていることが、3職種連携の再現性を支える基盤。 「あの先生はこう言っている」という答えだけでなく、「なぜそう考えるか」という導出プロセスを共有することが連携を機能させる上で重要との指摘。 不可侵領域とオーバーラップ部分 職種が異なるからこそ、不可侵領域を明確にしつつ、医学・法律以外の業務的アプローチで重なるオーバーラップ部分を厚くしておくことが連携の持続条件。 リング上で議論する範囲(共通領域)と、リングを降りて持ち帰る範囲(医学・法律的判断)を明確に区別する運用を確認。 勉強会・飲み会形式との比較 勉強会形式は教える側と教えられる側が固定されやすく、平時連携の代替にはなりにくい。 飲み会の質と種類によっては議論が深まらず、文書に相互に手を入れる作業こそが連携の本質的な深化を生むとの整理。 病名ごとの対応検討の可能性 当初から病名を問わない一般化を貫いてきたことが連携継続の要因であり、初期に病名検討から入っていれば連携は続かなかったと振り返り。 成熟した現状であれば、病名ごとの対応をオプション的に取り扱う検討にも意義があり、メソッドのメリット・デメリットが病名により異なる点を整理する余地あり。 両立支援との接点 病名ごとの検討は両立支援との当てはめの議論と相当オーバーラップする可能性があり、メンタルより先にがん等の身体疾患領域から検討を進める方向性。 個別ケースの主治医意見に右往左往するのではなく、再現性のある対応を構築することが企業活動に適合。 文書理解力・作成能力の重要性 自治体関係者との連携が機能している背景には、文書の理解力と作成能力という基礎能力の存在。 医療職は総じて文章作成能力が高くないため、議論の土台を揃える「掃除」のような作業が必要であり、内容に入る前段階の素養を整える重要性を指摘。 同床異夢の最小化とシナリオの役割 連携が形骸化する最大の要因は同床異夢であり、これを最小化するためのコストを払う関係性が不可欠。 面接シナリオは「誰が何という言葉で伝えるか」まで落とし込むツールであり、同床異夢を構造的に減らす効果。 手順や様式だけでは運用がばらつくのに対し、シナリオを共有することで完成度を90%程度まで引き上げ、残る部分にのみマージンを残す運用が可能。 録音共有との対比 面談録音の相互共有は理論上可能でも、リカバリを含む面談全体のアートを損なう懸念や、聞き返す手間の重さから現実的ではない。 事前のシナリオ文書は曖昧さがなくクリアであり、議論を突き詰めやすいというメリットを再確認。 編集後記 高尾 従来型の対応は、経験からの帰納的な内容に、近年では手引きを中心とした要領のようなものからの演繹的な内容を、追加的にハイブリッドにしたものではないでしょうか。一方で、メソッドは要領(労働契約・就業規則+大原則・三原則)からの演繹的内容だけで構成されます。  もっとも、今回言及したように、いかに演繹的に構成しても、運用マニュアル(+様式)だと30%くらいしか(50%未満)制御できなかったところ(すなわち要領と乖離が生じる)、シナリオで90%くらい制御できるようになった気がします。(また連載か、別の原稿にまとめます) 前園 「共通言語」という言葉を、森先生が指摘してくれました。我々専門家は、弁護士であれ産業医であれ、本来いつも「難しい専門用語ばかり使わない」と意識しているはずですよね。でもメンタル不調者対応の相談場面では、専門家の人事・上司に対するアドバイスがわかりやすいかという話とは別に「人事・上司が労働者に対してどういう言葉を使うのか」という意味のレベルまで、共通言語化できているかどうかが、重要だということだと思います。  我々が早口で話す内容が、一言一句のレベルまでメモできるはずもないですので(笑)、私としても、この点はもっと意識していきたいと思います。 森 本編では直接取り上げられませんでしたが、3人がお互いに紹介した本をお互いに読むことが非常に多いのも、何か良い連携のヒントのように思いました。

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この番組は、産業医の高尾総司、弁護士の前園健司、社労士の森悠太の三名が、企業や自治体の人事・健康管理に携わる方向けに、メンタルヘルス不調者対応や健康管理について、議論をしていくポッドキャストです。

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