

Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするウェブマーケティングラジオ」
Hosted by Yohei Nakayama · ラウンドナップ・Webコンサルティング 代表 中山陽平
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About Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするウェブマーケティングラジオ」
WebマーケティングやWeb活用で手が止まってしまったり、悩んでいる中小・小規模事業者の皆様へ、根本的なウェブに対する考え方・捉え方をお届け。
- Publisher
- ラウンドナップ・Webコンサルティング 代表 中山陽平
- Category
- business · business · education
- Language
- ja
- Explicit
- No
- First episode
- 26 Feb 2019
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- 21 Oct 2026
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21 Oct 2026
第609回:GoogleUGC新制度から見える「今Googleが欲しいもの」とは?
(https://roundup-inc.co.jp/wp-content/uploads/2026/10/podcast-20261550-ugc-fresh-data-01_infographic.jpg) Podcastを今すぐここで聞く ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。 早速今回のテーマですが、「検索数の多い話題を追ってコンテンツを作る」というトラディショナルなSEOにおける戦術。コンテンツSEOのためのキーワード調査。それは意義のあるものではありますが、今も時代、それだけでは、お客さんが本当に知りたいことに応えきれなくなっていると感じます。 お客さんが何に困っていて、自分たちはどんな経験や知見を提供できるのか。そこをきちんと発信する重要性が、これからますます高まるのではないか、そしてGoogleが新しく始めたUGCの制度がそれを裏付けていると感じました。 「お客さんの声に応えましょう」という話自体は、私もよくします。ただ、そう言われても何をすればいいのか分からない、費用対効果を社内で説明しにくい、という難しさがありますよね。 というわけで、今回は、 Googleの新しい取り組みを手がかりに、中小企業が顧客理解と情報発信をどう進めるか を考えていきます。ぜひ最後までお聞きください。 新しく始まったGoogleのUGC Fresh Data Programとは? それは、Googleが新しい投稿と反応を効率よく受け取る仕組み UGC Fresh Data Programとは? Googleは2026年10月8日、UGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)の最新データを扱う「UGC Fresh Data Program」を検索セントラルで案内しました。 掲示板やSNS(Social Networking Service)など、大量のユーザー投稿を扱うプラットフォームから、投稿とその反応を専用の経路で受け取る仕組みです。 参照:Google検索セントラル「ドキュメントの更新」 (https://developers.google.com/search/updates)/「UGC最新データプログラム」 (https://developers.google.com/search/docs/appearance/ugc-fresh-data-program?hl=ja) ちなみに、一般的な企業サイトが「うちにも投稿が少しあるから使おう」と、すぐに利用できるものではありません。 対象は一定の規模と要件を満たすUGCプラットフォームで、申請と審査があります。通常のクロールやIndexing API(Application Programming Interface)とは別の経路であり、一般企業向けの新しい登録手段が増えた、という話ではない点は注意です。とりあえず登録しておくか!というものではないです。 参照:Google検索セントラル「UGC最新データプログラム」対象と要件 (https://developers.google.com/search/docs/appearance/ugc-fresh-data-program?hl=ja) 精度に関係がなかったとしても押さえたいGoogleの意図 私が注目したのは、新しい投稿を送る速さと、投稿直後の反応の変化を送ることをGoogleが条件としている点です。それふくめ、主な要件を整理すると、次のようになります。 項目 Googleが示す内容 投稿の鮮度 作成から、理想的には数分以内にコンテンツを送信する。 反応の更新 投稿作成後72時間以内のエンゲージメントのカウンターを定期的に更新する。 データの形式と品質 指定された構造化データを付け、Googlebotがアクセスできるようにする。モデレーションや違反報告の仕組みも求められる。 審査と掲載 申請への回答は6〜8週間が目安。参加しても検索結果への表示は保証されない。 参照:Google検索セントラル「UGC最新データプログラム」データの鮮度・技術要件・申請 (https://developers.google.com/search/docs/appearance/ugc-fresh-data-program?hl=ja) 投稿の内容だけでなく、初動の反応も継続して知らせてほしい、ということです。 ちなみに「いいねや返信が多ければ検索で有利になる」とは書かれていません。あくまで、データをスムーズにやり取りするための仕組みとして案内されています。 参照:Google検索セントラル「UGC最新データプログラム」 (https://developers.google.com/search/docs/appearance/ugc-fresh-data-program?hl=ja) プラットフォームを運営していない企業でも注目すべき理由 では、なぜこの話を取り上げるのか。Podcastを聴いている方の多くは、大規模な掲示板やSNSを運営しているわけではないと思います。私が考えたいのは、Googleがわざわざ投稿直後の情報と短期的な反応を受け取る仕組みを作った理由です。 今話題になっていることをGoogleは把握したい 一つは、今話題になっていることや、これから話題になりそうなことを、できるだけ早く把握したいのではないかということ。 今、人が知りたいことに対して、情報の入り口を早く用意する。Googleには、そういうニーズがあるのだろうと私は見ています。 人間の反応についてよりデータを集めたい もう一つは、私の憶測ですが、人間が何に反応し、そのあと何を知りたくなるのかを、もっと詳しく理解したいのではないかということです。新しい情報を増やすだけなら、継続的に投稿データを集めればよさそうです。それに加えて、投稿から72時間以内の反応を求めている点が気になります。 もちろん、この要件だけでGoogleの内部の狙いまで断定はできません。ただ、こうした動きから、企業がこれから力を入れるべきことも見えてくるのではないでしょうか。私が重要だと考えるのは、目の前のお客さんがどう考え、次に何を知りたがるのかを理解することです。 どの業界でも、最初の疑問が解消されたあとに出てくる質問には、ある程度の共通点がありますよね。その流れを知り、内容やページのつながりを作っていく。顧客理解を深めることは、Googleが進もうとしている方向とも合うのではないかと思います。 情報の鮮度と当事者の経験は、以前から重視されてきた ちなみに今回、Googleが突然こうした方向へ進み始めたわけでもありません。情報の新しさ、いわゆるフレッシュネスについては、2011年の公式記事でも説明されています。その時点で、話題によっては1週間や1か月前ではなく、数分前の情報が求められるとされていました。 参照:Google公式ブログ「Giving you fresher, more recent search results」 (https://googleblog.blogspot.com/2011/11/giving-you-fresher-more-recent-search.html) Redditとの関係も以前からあります。Googleは2024年、RedditのデータAPIを通じて、リアルタイムの構造化されたコンテンツを取得する提携の拡大を発表しています。ユーザーの投稿を、より新しい状態で把握する取り組みはすでに続いていたわけです。 参照:Google「An expanded partnership with Reddit」 (https://blog.google/company-news/inside-google/company-announcements/expanded-reddit-partnership/) AI(Artificial Intelligence:人工知能)検索のクエリファンアウトも、関連する複数の検索を行って回答を組み立てる仕組みです。私はこの動きを、人間が一つの情報から、関連するいくつものことを考える流れに対応しようとしているのではないか、と捉えています。 参照:Google検索セントラル「AI機能とウェブサイト」クエリファンアウトの説明 (https://developers.google.com/search/docs/appearance/ai-features?hl=ja) E-E-A-T(Experience、Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness:経験・専門性・権威性・信頼性)でも、実体験や深い知識が重視されています。その人が実際に経験したからこそ分かることには、まとめ記事だけでは伝わらない情報があります。 参照:Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」 (https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content?hl=ja) 2025年のGoogle公式ブログでも、利用者がフォーラム、動画、音声配信、個人の投稿などを通じて、一次情報や当事者の視点を探していると説明されています。詳細なレビューや独自の考察などを持つサイトには、トラフィックが増える傾向がある、というGoogleの説明です。利用者が当事者の経験を求めている、という見方は以前から示されていました。 参照:Google Japan Blog「検索におけるAI:クエリ数が増加しクリックの質が向上」 (https://blog.google/intl/ja-jp/products/ai/) こうした流れを合わせると、私には「今知りたいこと」「次に考えること」「当事者にしか語れないこと」への関心が深まっているように見えます。Googleが内部でどう利用するかまでは分かりませんが、企業の情報発信を考えるうえでも押さえておきたい動きです。 Point1:今の話題に、自社の専門知識で応えられる体制を作る 中小企業が何をするかは、事業と使える人手によって変わります。余力があるなら、今話題になっているテーマのうち、自社に関係するものへ情報を出す体制を考えたいですね。話題を見つけ、記事や投稿を作り、社内で確認して公開する。そこまで進められるか、という話です。 例えば、豪雨や水害の話題です。被害を受けている方は本当に大変だと思います。住宅、不動産、保険の仕事なら、専門家として役立つ情報を出せる場面があります。 土地を選ぶとき、どのような点を見るのか。 住まいの設備を普段からどう点検し、何を用意しておくのか。 保険ではどのような備えや補償を確認できるのか。 AI検索の話題も、技術系の会社だけが触れられるものではありません。住宅の仕事なら、住まいについてAIに相談するときに、どんな前提や写真、確認事項を伝えるとよいのかを説明できます。同じ話題でも、自社の仕事ならではの切り口があるんですね。 今回の72時間という短さを見ると、情報を拾ってもらうまでの時間も考えて、例えば半分の36時間ほどで発信できる体制があれば、と私は考えました。 ※これは私の運用上のイメージで、Googleが企業の投稿に設けた期限ではありません。早く出すことにはリスクもあるので、一概に全社でやりましょうとは言えませんが、可能なら検討したいところです。 Point2:商談や接客で分かる「次に知りたいこと」をデータとして貯める もう一つ、長い目で進めたいのが顧客理解です。目の前のお客さんの反応や、話の流れ、次に知りたいことを、自社のデータとして貯めていく。それを情報の出し方に生かしていくことが大切だと思います。 こうした知見は営業や担当者の頭の中には結構あるんですよね。でも、データになっていないので、Webサイトへ生かそうとすると、またみんなに聞いて回る必要があります。「暇なときに集めましょう」では、1年たっても終わらないか、企画自体が止まってしまう。だから、中期的な仕事として進めたいんです。 お客さんが次に知りたがることが分かれば、関連するページへ内部リンクを付けることにも使えます。チャットボットで答えるための知見にもなるでしょう。担当者一人の頭の中にあるものを、みんなで共有して育てられる状態にすることが大事です。 Googleフォームに、日々の気づきを入れるところからでいい データを貯めると言うと重く聞こえるかもしれません。私としては、Googleフォームに日々の出来事を入れていくくらいでいいと思っています。スプレッドシートと連携させ、いくつか選んだら、あとは自由に書いてもらう。面倒だと、全然進まないですからね。 専用システムへ入って、たくさんの選択肢にチェックして、ようやく記録できるような仕組みだと重くなります。自由記入欄も今ならAIを使って整理や分析をしやすくなりました。何を書いてほしいかのひな型を用意して、簡単に残せるようにするのがよいと思います。 例えば、1日10件が365日集まれば3,650件です。実際には営業日数によって変わりますが、毎日の小さな記録でも、続ければまとまった数の顧客の声になる。それだけ集まれば、何か気づけることがあるはずだ、というのが私の感覚です。 商談や接客の中では、問い合わせに至るまでに、何を調べ、何を見て決めたのかを自然に聞けるといいですね。 問い合わせる前に、どんなことを調べましたか。 最初はどの情報から入りましたか。 最後に、何を確認して決めましたか。 これからは「AIに聞いたら、この会社だと答えたので電話しました」という方も増えてくると思います。それでも、最後に行動するのは人間で、そこには何かしらの判断があるはずです。何をもとに判断したのかを詳しく聞くことには意味があります。 顧客理解は、自社の生命線なので外に任せてはダメ 他社で集めたデータをもとに商談率を改善する、といったサービスの話を聞くこともあります。ただ、客層や地域が少し変わるだけで、お客さんが考えることは変わります。やっぱり、自分たちのお客さんの情報は自分たちで貯めた方がいいと思うんです。 どれだけ費用を削っても、売上が上がらなければどうしようもありません。営業やマーケティングに関わる大事な部分だからこそ、自分たちで顧客を理解し、その情報を使う手綱を握っておきたいですね。 ただし、顧客理解は短期的な成果を期待して進めるものではありません。単独の企画にすると、周りから「それ、本当に意味があるの?」と言われがちです。現場の進め方としては、ほかの仕事と組み合わせながら、中期的に続けるのがよいのではないでしょうか。 まとめ:検索数だけでなく、お客さんの言葉と経験を発信に生かす UGC Fresh Data Programは大規模なプラットフォーム向けの仕組みです。企業として注目したいのは、Googleが新しい投稿と初動の反応を求めていることです。 そこから私は、Googleが人が今知りたいことや、次に考えることへの理解を深めようとしているのではないかと見ています。 自社に関係する話題へ専門知識で応える体制と、日々の商談・接客で得た顧客の声を蓄積する仕組みを、使える人手に合わせて考えたいところです。 すぐに効果が出ると考えず、自社のお客さんをより詳しく知り、その経験をコンテンツにすることを、中期的に進めていきましょう。 引用元・参考情報 Google検索セントラル:ドキュメントの更新 (https://developers.google.com/search/updates) Google検索セントラル:UGC最新データプログラム (https://developers.google.com/search/docs/appearance/ugc-fresh-data-program?hl=ja) Google公式ブログ:Giving you fresher, more recent search results (https://googleblog.blogspot.com/2011/11/giving-you-fresher-more-recent-search.html) Google:An expanded partnership with Reddit (https://blog.google/company-news/inside-google/company-announcements/expanded-reddit-partnership/) Google検索セントラル:AI機能とウェブサイト (https://developers.google.com/search/docs/appearance/ai-features?hl=ja) Google検索セントラル:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 (https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content?hl=ja) Google Japan Blog:検索におけるAI:クエリ数が増加しクリックの質が向上 (https://blog.google/intl/ja-jp/products/ai/) FAQ UGC Fresh Data Programは、一般企業もすぐに利用できますか。 一定の規模と要件を満たすUGCプラットフォームを対象とする仕組みで、申請と審査があります。一般的な企業サイトがすぐに利用できる新しい登録手段、というものではありません。 GoogleのUGC新制度で、どのような点に注目していますか。 投稿から数分以内の情報と、作成後72時間以内の反応の更新を求めている点です。私は、Googleが今知りたいことや、人が次に何を知りたくなるのかへの理解を深めようとしているのではないかと見ています。 企業も72時間以内に情報を発信する必要がありますか。 72時間は、参加プラットフォームが投稿後の反応を更新する要件です。一般企業の投稿期限ではありません。早く発信できる体制は検討したいものの、事業や使える人手、発信のリスクによって判断が変わります。 顧客の声は、どのような方法で貯めればよいですか。 Googleフォームなど、簡単に記録できる方法からでよいと思います。商談や接客で聞いた疑問、問い合わせ前に調べたこと、最後に何を見て決めたかを残し、社内で共有して情報発信に生かしていきます。 顧客理解を深めれば、すぐに集客へつながりますか。 短期的な成果を期待して進めるものではありません。単独の企画では意義を説明しにくくなることもあるので、ほかの仕事と組み合わせながら、中期的に顧客の声を貯めていくことを勧めています。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 (https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892) YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN (https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN) Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj (https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj) Amazon Music Amazon Podcasts (https://music.amazon.co.jp/podcasts/d4be5053-4577-4aa4-81c1-d6ba6ad958f3/web%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%88%E4%B8%AD%E5%B1%B1%E9%99%BD%E5%B9%B3%E3%81%AE%E3%80%8C%E4%B8%AD%E5%B0%8F%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%82%92%E5%BC%B7%E3%81%8F%E3%81%99%E3%82%8Bweb%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA%E3%80%8D) ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 (https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7) 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第609回:GoogleUGC新制度から見える「今Googleが欲しいもの」とは? (https://roundup-inc.co.jp/podcasts/podcasts-23395/) は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) (https://roundup-inc.co.jp) に最初に表示されました。

14 Oct 2026
第608回:Google Discoverの変化とGoogleのAI検索”以外”まで視野を広げることの必要性
(https://roundup-inc.co.jp/wp-content/uploads/2026/10/exec-52312022-d67e-4373-8489-b7ed4f4bee3a.png) Podcastを今すぐここで聞く ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。 Google Discoverという名前は知っていても、普段は使っていない方もいると思います。私も、実はほとんど使っていません。ところが、Google Discoverに関する求人情報を見ていくと、GoogleのAIを検索画面だけで考えていては、見落とすことが増えそうだと感じました。 今回は、Google Discoverがどう変わりそうなのかを手掛かりに、Googleを通じてお客さんとどうつながっていくかを追いかけていきます。 もちろん、求人に書かれた構想と、すでに使える機能は分けて見ていく必要があります。確定した仕様の紹介ではありません。ただ、今のうちに何へ目を向けておくかを考える材料になります。Googleがどこに行こうとしているのかを早く知ることは重要です。 Google Discoverの求人から見る変化 今まで:興味に合う記事を推薦する場所 Discoverは、Googleアプリなどで、興味に合いそうな記事や情報が並ぶ場所です。自分から検索語を入れなくても情報を受け取れます。名前を知らないまま、普段から使っている方もいるかもしれません。情報を届け、記事を読んでもらいたい媒体にとっては、大きな接点になっています。 参照:Google検索ヘルプ「Discoverをカスタマイズする」 (https://support.google.com/websearch/answer/2819496?hl=ja) これまでのDiscoverは、ネット上のさまざまな記事から、その人に合いそうなものを推薦する場所という印象でした。普段から旅行に関心があれば旅行の記事が多めに出る、といった形です。 興味に合う情報を並べるところから、さらに先へ進もうとしているのではないか。そう考えるきっかけになったのが、今回の求人です。 これから?:関心から行動へつなぐ場所へ 海外のSEO系ニュースサイト、Search Engine Journalが2026年10月11日に紹介した記事で、Googleの求人を知りました。対象は、DiscoverのUX(User Experience:ユーザー体験)を担当する「Principal, UX, Search Discover」という求人です。これからDiscoverをどう変えていきたいかが、職務の説明に表れています。 参照:Search Engine JournalのDiscover求人紹介記事 (https://www.searchenginejournal.com/google-hiring-ai-content-discover/592543/)/Google Careers「Principal, UX, Search Discover」 (https://www.google.com/about/careers/applications/jobs/results/82901196271952582-principal-ux-search-discover) 求人には「proactive, hyper-personalized concierge」という表現がありました。ざっくり言えば、先回りして、一人ひとりに合わせて案内する体験です。 さらに「from inspiration to action」と、関心を持つところから行動へ進める方向も書かれています。ただ記事を薦めるだけでなく、その人が目標に向かって進む手助けをする、ということですね。 YouTubeとの連携 ショッピングとの連携 ChromeやAndroidとの連携 参照:Google Careers「Principal, UX, Search Discover」の職務内容 (https://www.google.com/about/careers/applications/jobs/results/82901196271952582-principal-ux-search-discover) こうしたサービスを横断してつなぐなら、ニュースを読むだけで終わる話ではなさそうです。何かを買う、予約する、動画を見るといった行動へ、Discoverからつないでいく。ほかのGoogleのサービスも使いながら、行動を案内する方向なのではないかというのが、私の見方です。 ただ、今あるのは求人情報です。何を、いつ、どんな形で提供するかまでは書かれていません。この方向性は読み取れても、具体的な機能や提供時期まで決まったとは言えません。そこを飛び越えて、「Discoverはこうなる」と断定することはできないんですね。 まず押さえておきたい:Discoverの利用規模と端末の違い Google Discoverの利用規模 ここまで聞くと、「でも、Discoverってそんなに使っていないよね」と思う方もいるでしょう。私も最初は、小さな変更の一つなのかなと思いました。そこで利用状況を調べたところ、Googleの別の求人には、Discoverには1日あたり5億人を超えるアクティブユーザーがいると書かれていました。求人上でのGoogleの説明ですが、かなり大きな規模です。 参照:Google Careers「Senior Product Data Scientist, Discover Experience」 (https://www.google.com/about/careers/applications/jobs/results/84042463571780294-senior-product-data-scientist-discover-experience) Reuters Instituteの「Digital News Report 2025」は、48市場、約10万人を対象にしたニュース利用調査です。Discoverを使った人の割合は、市場全体で27%と報告されています。これは調査の回答者についての数字で、Google利用者全員の27%という意味ではありません。ニュース流入全体の27%をDiscoverが占める、という数字でもありません。 参照:Reuters Institute「Digital News Report 2025」の主要結果 (https://reutersinstitute.politics.ox.ac.uk/digital-news-report/2025/dnr-executive-summary) 同じ報告では、Android端末の割合が高い中南米やアフリカでDiscoverの利用が多いとしています。ただ、端末に組み込まれているため、調査で正確に把握しにくいという留保もあります。利用する地域や端末の違いを含めて読む必要がありますね。 iPhoneとMacで見かけない理由(私が) 私がDiscoverをあまり見ないのは、普段iPhoneとMacを使っていることも関係していると思います。検索したいものをブラウザーのアドレスバーに入れるので、Googleのホーム画面を経由することがあまりありません。同じGoogle検索を使っていても、どこから入り、何を見るかは違うんですね。 Googleアプリから情報を見ている方なら、iPhoneでもDiscoverが目に入ることはあります。Androidでは、機種や設定によって、ホーム画面を横にスワイプして開く使い方もあります。自分の端末で見かけないことを、お客さんも使っていない根拠にはできません。 参照:Google検索ヘルプ「Discoverをカスタマイズする」 (https://support.google.com/websearch/answer/2819496?hl=ja) 日本ではiPhoneを使う人も多いですよね。MMD研究所の2026年8月の調査では、主に使うスマートフォンの種類を把握している34,838人のうち、Androidが54.1%、iPhoneが45.6%でした。調査全体は18~79歳の男女4万人が対象です。調査全体の人数と、機種の割合を計算した対象人数は分けて読む必要があります。 MMD研究所の調査:主に使うスマートフォン 種類 割合 Android 54.1% iPhone 45.6% 参照:MMD研究所「2026年8月スマートフォンOSシェア調査」 (https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2567.html) iPhoneを使う人が多いことも、日本でDiscoverの話題をあまり見かけない理由の一つかもしれない、というのが私の見方です。ただ、機種の割合はDiscoverの利用率ではありません。自分の利用環境と、お客さんが情報に接する環境を分けて考えたいですね。 GoogleのAI=AI検索のこと、と無意識に絞っていませんか? GoogleのサービスにAIが入ってくる、それは検索だけではない 今回、Discoverの規模だけを見ているわけではありません。ほかの動きと合わせると、Googleがどこへ進もうとしているかが見えてきます。検索からAI検索への変化だけで、Google全体のAIの動きを捉えないことが、今回お伝えしたい点です。 AI Modeへいつ切り替わるか、AI Overviewsに自社が引用されるか。それを気にすることも必要です。ただ、Googleは検索画面だけをAIの接点にしようとしているわけではないと、私は考えています。Googleのさまざまなサービスの中に、自然にAIを入れていく。Discoverの構想も、その流れの一つとして見ると分かりやすいんですね。 検索では自社が出ているけれど、お客さんが使う別のGoogleのサービスでは全然出ていない。そういうことが起こりそうです。自分たちのお客さんが使うサービスで、必要なところに情報が出ているかまで、視野を広げていく必要があると思っています。 「Googleマップに相談する」体験 例えばGoogleマップには、Ask Mapsという、AIへ質問する機能があります。利用できる機能には、地域や言語などの条件があります。「この近くに静かなカフェはないか」「一人でも入りやすいレストランはないか」といった聞き方です。店名やキーワードを入れて探す使い方から、条件を伝えて相談する使い方もできるようになっています。 参照:Google公式ブログ「Ask Maps and Immersive Navigation」 (https://blog.google/products-and-platforms/products/maps/ask-maps-immersive-navigation/)/Google公式ブログ「Ask Mapsの提供地域拡大などの更新」(2026年8月6日) (https://blog.google/products-and-platforms/products/maps/order-food-in-ask-maps/) Googleは、Ask Mapsが3億以上の場所の情報や、5億人以上の投稿者による口コミなどを使うと説明しています。店舗やサービスについての情報が、AIの提案にも関わってくるわけです。Googleマップの中でも、AIがお客さんとの間に入ってくるんですね。 参照:Google公式ブログ「Ask Maps and Immersive Navigation」 (https://blog.google/products-and-platforms/products/maps/ask-maps-immersive-navigation/) 使ってみると、体験としてはすごく面白いです。これまでは「ランチ」と入れるか、「ラーメン」と入れるかを考え、営業中などの条件を付けていました。それが、相談する形で候補を出してもらえます。ただ、私が使った範囲では、回答の品質はまだまだだと感じることもあります。微妙な候補が出たり、普通に検索したときと並び方が違って、どちらを信じようかと迷ったりします。 私が使っているChromeでも、Geminiに相談する表示やサイドバーが目に入るようになっています。いかにも「これからAIを使います」と切り替えるというより、普段のサービスの中へ、自然にGeminiが入ってくる感覚です。こういう提供の仕方も、Googleの動きとして見ておきたいところです。 例えばビジネスプロフィールの情報はAIにつながる そのとき、どこへどんな情報を置くかが気になってきます。Googleビジネスプロフィールは、特にサービスの欄が適当だったり、まったく設定されていなかったりするケースもよくあります。自社が提供しているサービスを、利用者が分かる形で載せているか。検索画面の順位だけを見ていては、こうした情報の不足を見落とします。 参照:Googleビジネスプロフィールヘルプ「ビジネスプロフィールに表示されるサービスを管理する」 (https://support.google.com/business/answer/9455399?hl=ja) 口コミにも、ガイドラインを踏まえた対応が必要です。例えば「何がどうだったか」を具体的に聞くことで、実際の体験が分かる内容になる場合があります。良かったことも、そうでなかったことも含めて、実際に使った人が何を感じたか分かる情報があるかを考えたいですね。 参照:Googleマップ「禁止または制限されているコンテンツ」 (https://support.google.com/contributionpolicy/answer/7400114?hl=ja) 能動的状態と受動的・潜在意識化の状態、両方を考えよう 能動的な探索と、後回しにしたニーズ お客さんが情報に接する状況は、大きく二つあると思っています。検索語を入れて、意識して探しているとき。それから、一度考えたけれど後回しになり、いったん意識から外れているときです。お客さんが常に、何かを熱心に探しているとは限りません。 情報に接するときの違い 状態 情報に接する行動 能動的に探している 検索する、物を探す、AIに条件を伝えて質問する 後回しになっている 情報を受け取ったときに、必要だったことを思い出す 後回しにしたままでも、情報を受け取ったときに「そうだ、この件があった」「これはよさそうだ、ここにしよう」と動くことがあります。いわゆるパルス消費の話ですね。自分から探しているモードを前提にするだけでは、捉えきれない行動があると思っています。 → 第513回:その常識もう通用しない?AIによるマーケティングファネルの変化 (https://roundup-inc.co.jp/podcasts/podcasts-15639/) 今は情報も多く、決めなければいけないことも多いので、いろいろな用事が水面下で残っている。何かいいものがあれば、と待っているような状態です。その人が思い出すタイミングで、自分たちの情報が出てくるか。Googleが用意するさまざまな接点を、広く見ていく意味はそこにもあると感じます。 AIで引用されることを目指すGEO(Generative Engine Optimization)やLLMO(Large Language Model Optimization)という言葉もあります。 ただ、AIの回答で引用されるかだけに視野を絞ると、ほかの接点を見落とすかもしれません。Google以外にも、ChatGPTやClaude、SNS(Social Networking Service)など、お客さんが使う場所はいろいろあります。 情報を集めることは、楽しいとは限らない 私たちはつい、「お客さんは自分の利益になるなら、喜んで情報を探し、比較検討してくれる」と考えがちです。こんなにちゃんと情報を載せたのに、なぜ読んでくれないのか。 欲しそうな情報をバナーに置いたのに、なぜ見てくれないのか。お客さんにとって、比較したり調べたりすること自体が楽しいとは限らないんですよね。 満足して、後悔せずに選べるなら、それが一番いい。わざわざ調べるのは、誰かに「ちゃんと調べたの?」と言われるから、という場合もあります。「こういうふうに調べました」と説明したい。 あるいは自分に対して「調べた結果だから仕方ない」と言えるようにしたい。調べる行動の裏には、納得したい、説明できるようにしたいという事情もあります。 企業間の取引でも、社内で話を通すことや、担当者の評価が関わってきます。「ベストなもの」より「これで通せるもの」を求められることもあります。私も、「それは分かるけれど、通しづらいからこういう流れにしないか」と言われることがあります。人は、商品の良さだけでなく、いろいろな事情の中で選んでいるんですね。このあたりの感覚は、まだAIが難しいところだとも思っています。 価値を伝える情報発信を続ける 価値を伝える活動は残る こういう話をすると、「では、もうSEOはいらないのか」となるかもしれません。それはSEOをどう定義するかにもよるので、簡単には言い切れません。ただ、いい商品やサービスを作っていれば、AIが自然に見つけてくれる、と考えるのは違います。 どんなに良いものでも、気付かれなければ伝わりません。ゴッホではありませんが、良いものを作ることと、その価値を知ってもらうことは別です。Googleを通じて、自分たちの価値をどう伝えるかは考え続ける必要があります。SEOという名前を付けるかどうかより、マーケティングや販売戦略として扱う話だと思っています。 AIが進んだから広報や情報発信が不要になる、というより、ちゃんと伝える必要は変わりません。その時代に、お客さんとの接点を持っている媒体やサービスへ出していく。商品やサービスの価値が伝わるように、その時代に合う伝え方を続けることが必要なんですね。 Google全体の動きへ目を向ける Googleは検索だけを提供している会社ではありません。マップ、ブラウザー、YouTube、ショッピングなどを通じて、人と情報、企業とお客さんをつないでいます。AI OverviewsやAI Modeの話だけに、Googleの動きを小さくまとめないようにしたいですね。 自分の会社には関係がなさそうなニュースでも、Google全体の方向と合わせると意味が変わってきます。Discoverの求人も、その一つです。自社のお客さんがどのサービスを使っているかを考えながら、Google全体の変化を見ていくことをお勧めします。 お客さんの使う場所へ一次情報を届けるには、と視野を広げて考える すべての場所へ、完璧に情報を出している会社など、そう多くはありません。一部の潤沢な企業を除けば、中小企業でできていないところがあるのは当たり前です。お客さんとの接点を広く見た上で、できることを一つずつ行っていく、という考え方でよいと思っています。 実務では、まだ固まったKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)がなく、手探りの部分もあります。「これはやっておいた方がいいと思うけれど、効果のほどは保証できません」とお伝えするものが増えてきました。どうお客さんに報告するか、私も悩みながら取り組んでいます。数字で説明しやすかったインターネットの世界が、また難しくなってきた感覚がありますね。 それでも、大前提は変わりません。お客さんの方を向いた商品やサービスがあり、その価値を表現する一次情報のコンテンツがある。そして、お客さんと接点を持っている媒体へ出していく。お客さんに価値を届けるという仕事は同じで、その間の方法が変わっていく。そこを、私たちも頑張っているところです。 まとめ:Discoverの動きから、検索以外の顧客接点も見る Discoverの求人には、個々に合わせて先回りし、関心から行動へつなぐ構想が表れています。具体的な仕様や提供時期が確定した発表ではありません。 マップやChromeなどにもAIとの接点があります。GoogleのAIを検索画面だけで捉えないことが、今回の主題です。 お客さんが熱心に探しているときだけでなく、後回しにしたニーズを思い出すときもあります。お客さんが使う場所と、情報に接する状況を広く考える必要があります。 良い商品やサービスでも、価値が伝わらなければ選ばれません。AIが進んでも、価値を伝える情報発信は必要です。 すべてを一度に完璧にする必要はありません。自社の一次情報を、必要な接点へ届けるためにできることを一つずつ行う、という考え方で進めましょう。 引用元・参考情報 Google検索ヘルプ「Discoverをカスタマイズする」 (https://support.google.com/websearch/answer/2819496?hl=ja) Search Engine JournalのDiscover求人紹介記事(2026年10月11日) (https://www.searchenginejournal.com/google-hiring-ai-content-discover/592543/) Google Careers「Principal, UX, Search Discover」 (https://www.google.com/about/careers/applications/jobs/results/82901196271952582-principal-ux-search-discover) Google Careers「Senior Product Data Scientist, Discover Experience」 (https://www.google.com/about/careers/applications/jobs/results/84042463571780294-senior-product-data-scientist-discover-experience) Reuters Institute「Digital News Report 2025」の主要結果 (https://reutersinstitute.politics.ox.ac.uk/digital-news-report/2025/dnr-executive-summary) MMD研究所「2026年8月スマートフォンOSシェア調査」 (https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2567.html) Google公式ブログ「Ask Maps and Immersive Navigation」 (https://blog.google/products-and-platforms/products/maps/ask-maps-immersive-navigation/) Google公式ブログ「Ask Mapsの提供地域拡大などの更新」(2026年8月6日) (https://blog.google/products-and-platforms/products/maps/order-food-in-ask-maps/) Googleビジネスプロフィールのサービス情報 (https://support.google.com/business/answer/9455399?hl=ja) Googleマップの投稿コンテンツに関するポリシー (https://support.google.com/contributionpolicy/answer/7400114?hl=ja) よくある質問 Google Discoverは、どのように変わろうとしているのですか? Googleの求人には、Discoverを一人ひとりに合わせた先回りの案内役にし、関心から行動へつなぐ構想が書かれています。YouTubeやショッピング、Chrome、Androidとの連携にも触れています。ただし、求人に書かれた方向性であり、具体的な機能や提供時期が確定した発表ではありません。 自分がDiscoverを使っていないなら、会社の情報発信には関係ありませんか? 自分が使っていないことだけでは判断できません。使う端末やGoogleへの入り方によって、情報を見る場所は違います。自社のお客さんがどのサービスを使い、どこで情報に接しているかを考える必要があります。Discoverの求人は、Google全体の動きを見る手掛かりにもなります。 GoogleのAIへの対策は、検索画面で引用されるかだけ見ればよいですか? AI(Artificial Intelligence:人工知能)との接点は、検索画面以外にもあります。マップやChromeなど、GoogleのサービスにもAIが入ってきています。例えばマップの機能には、地域や言語の条件もあります。検索での引用に加え、お客さんが使う場所で自社のサービスや価値が伝わる情報を出しているかも考えたいところです。 いい商品なら、AIが自然に見つけてくれるようになりますか? 良い商品やサービスを作ることと、価値を知ってもらうことは別です。AIが進んでも、自社の価値を伝える広報や情報発信は必要だと考えています。お客さんと接点を持つ媒体やサービスへ、その時代に合う形で情報を届けることは変わりません。 中小企業は、どこから情報発信を見直せばよいですか? お客さんが使うサービスと、情報に接する状況へ目を向けることをお勧めします。例えば、ビジネスプロフィールのサービス情報や、実際の利用体験が分かる口コミなどです。すべてを一度に完璧にする必要はありません。自社の価値を表現する一次情報を、必要な接点へ届けるために、できることを一つずつ行う考え方でよいと思っています。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 (https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892) YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN (https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN) Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj (https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj) Amazon Music Amazon Podcasts (https://music.amazon.co.jp/podcasts/d4be5053-4577-4aa4-81c1-d6ba6ad958f3/web%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%88%E4%B8%AD%E5%B1%B1%E9%99%BD%E5%B9%B3%E3%81%AE%E3%80%8C%E4%B8%AD%E5%B0%8F%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%82%92%E5%BC%B7%E3%81%8F%E3%81%99%E3%82%8Bweb%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA%E3%80%8D) ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 (https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7) 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第608回:Google Discoverの変化とGoogleのAI検索”以外”まで視野を広げることの必要性 (https://roundup-inc.co.jp/podcasts/podcasts-23375/) は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) (https://roundup-inc.co.jp) に最初に表示されました。

10 Oct 2026
第607回:AIとSEOの話題でありがちな「トラフィック量」基準での比較の問題点について
Podcastを今すぐここで聞く ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。 AI対策とSEOの話、どっちの優先度が高いのか AI対策(LLMOやGEOと呼ばれる)とSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)の話、どっちの優先度が高いのか、さらに言えばやる意義があるのかについては、SNSなどでも熱量の高い議論にもなりがちです。 これについては様々な観点もありますし、データで分からないことも多いため、簡単に決められることではないと考えています。 ただ、この切り方はちょっと気になっている ただ、時々見る「どちらからサイトへ来る人が多いか」という観点での比較、具体的には AI経由のトラフィックは検索経由より遥かに少ない、Google経由の何十分の一しか無いんだ AIツールのサイト自体のトラフィックは少ない、利用者なんてそんなものなんだからSEOをやっていればいいんだ といったような、トラフィックベースで考えるのは、いろいろな麺で適切ではないと思っています。(そもそもアプリ経由が多いAIサイトのトラフィックを見てどうするんだというのもありますが) トラフィックの大小は問題解決の総量とアラインしているのか? 本当に、Googleからの流入の方がずっと多い。それならSEOの勝ちで、AIはまだ気にしなくていいのでしょうか。私は、トラフィック量の大小だけで、購入や問い合わせへの貢献の優劣は決められないと考えています。 例えば分かりやすいところでは「AIで候補を絞ってから、Googleで検索してサイトへ来る人」もいます。と言うか今回のデータでもあげていますがかなり多い。 このアクセスは検索経由として記録されます。CVを生んだトラフィックは検索になります。 しかし、候補を選ぶ過程にはAIが関わっています。いわゆるマルチチャネルトラフィックです。 サイトへ来た経路と、来るまでに何が判断に影響したかは、分けて考える必要があるんですね。 AIが絡むと妙に熱量が上がる、特にSNS 実際これはWeb解析をしていれば常に考えることなのですが、AIが関わってくるとここが妙に捻じ曲げられて、いがち、と思います。悪く言えば「AIの価値を押し下げようとする」「”Googleを見ていればいい”というメッセージング」があると。 私自身はAIはChatGPT中心にずっとPROを使っていて、そして合わせて仕事としても個人としてもGoogleはAI Premiumプランを使いつつ、ということで、一応両方使っているつもりです。両方とも違う方向から、世の中の課題解決をするツールだと思っています。必要。 さておき、このあたりについてこんかいまとめたいなと。 ということで今回は、流入データと購入前の行動を見ながら、量だけの比較では何が抜け落ちるのかな?というところを考えてきます。 トラフィック量で分かること、分からないこと Ahrefsの調査で見るGoogleとChatGPT 最初はAhrefsの「AI vs Search Traffic Analysis」です。Ahrefsは私も昔から使っているSEO系のツールで、日本法人ができる前からお世話になっています。2026年9月のデータでは、サイトへの流入量は、依然としてGoogleがChatGPTを大きく上回っています。 Ahrefsの2026年9月データから抜粋 流入元・分類 掲載割合 Google 23.96% 検索サイト全体 26.82% AIアシスタント全体 0.43% ChatGPT 0.34% GoogleとChatGPTを比べると約70倍です。検索サイト全体に占めるGoogleの割合も約9割。検索、とりわけGoogleからの流入が大きいことは確かです。ただ、流入量の差を、そのままSEOとAIの価値の差として読むことはできません。この数字が示すのは、サイトへ来たときの経路だからです。 この調査の分析対象は115,254サイトです。ただし、検索サイトなどの参照元による分類と、Directなどのチャネル分類が重なっています。掲載された分類は、合計すれば100%になる内訳ではありません。ここでは、掲載条件のそろったGoogleとChatGPTの規模感を見ています。 (https://roundup-inc.co.jp/wp-content/uploads/2026/10/2026-10-10_22-17-37.jpg) 参照:Ahrefs「AI vs Search Traffic Analysis」 (https://ahrefs.com/benchmarks/ai-vs-search) 2025年6月から2026年9月までの推移も掲載されています。ただし、月次推移の対象は固定した74,752サイトで、先ほどの分析対象全体とは異なります。 ある月の全体値と、固定した対象の推移を混ぜずに読む必要があります。検索の割合が下がったとしても、その分がそのままAIへ移ったとまでは言えません。 GA4で見えるAI経由の範囲 ここで気を付けたいのが、どこまでをAI経由として数えるかです。 GA4(には、2026年5月にAI Assistantというチャネルが加わりました。一方、GoogleのAI OverviewsやAI Modeからのクリックは、GA4ではOrganic Searchに含まれます。AIが関わったアクセスのすべてが、AI Assistantに入るわけではありません。 (https://roundup-inc.co.jp/wp-content/uploads/2026/10/2026-10-10_22-19-29.jpg) 参照:Google Analyticsの更新情報 (https://support.google.com/analytics/answer/9164320?hl=en)/Google Analyticsのデフォルトチャネル定義 (https://support.google.com/analytics/answer/9756891?hl=en) そもそも流入データが示すのは、サイトへ来たときの経路です。 その前にどこで情報を集め、何を信じ、どこまで候補を絞ったかは、それだけでは分かりません。AIからの直接流入が少ないことと、AIが購入判断に関わっていないことは別の話なんですね。 購入までの行動と流入経路 例1:私の買い物と旅行の調べ方 私も買い物ではChatGPTで調べてから、Googleで比較して買うことがあります。 旅行でも、まずAIに候補を挙げてもらい、その後は使い慣れたGoogleで検索して予約サイトへ行く。AIの回答にあるリンクから直接行くこともありますが、AIで調べた後に、検索を挟むことは普通にあります。 この場合、最後のアクセスだけを見れば検索経由です。でも、候補を知ったきっかけや、候補を絞る過程ではAIが関わっています。検索で来たお客さんだから、検索だけで意思決定したとは言えません。 例2:広告から検索へ進む行動 これはAIが登場して初めて起きた話ではありません。広告で商品を知り、名前を覚えておき、後から商品名で検索して申し込むこともありますよね。最後の検索だけに成果を結び付ければ、最初に興味を持ってもらった広告の役割を見落とします。 もちろん、アクセスの数字は必要です。ただ、サイトへ来る人が減ったとしても、来た人がよく理解して購入してくれるなら、商売としての結果は違います。流入量だけで、売上や問い合わせへの貢献までは判断できません。 アクセス解析で追える範囲には限界があります。BigQueryなどを使って分析を深めることはできても、お客さんの頭の中までは見えません。プライバシーへの配慮もあり、行動も複雑になっています。私は、数字から分かることと、分からないことを分ける必要があると感じています。 AIが推薦してくれた後に起きる行動 Similarwebが調べた推薦とサイト訪問の関係 Similarwebの「The Downstream Impact of AI Visibility」は、この話を考える手掛かりになります。対象は、米国のデスクトップ利用者の行動データです。金融、旅行、美容の分野でChatGPTに質問した人を追い、AIでブランドを推薦された後、7日以内にそのサイトを訪れたかを調べています。 分析対象は2025年7月から12月の数千の利用行動です。直前4週間にそのブランドのサイトを訪れていた人や、質問の時点でブランド名を挙げていた人は除かれています。調査では、推薦されたブランドのサイトを訪れる確率が平均2.5倍高かったと報告されています。 (https://roundup-inc.co.jp/wp-content/uploads/2026/10/attachment-image1-4.png) 参照:Similarweb「Being Recommended in AI Makes Users 2.5x More Likely to Visit Your Site」 (https://aisearch.similarweb.com/blog/ai-visibility-downstream-impact/) 旅行ではSkyscannerとKayak、金融ではAmerican ExpressとCapital One、美容ではSephoraとUltaといったブランドが扱われています。 ただ、この2.5倍を、自社の売上も2.5倍になるという意味で読むことはできません。無作為に推薦の有無を割り当てた実験ではなく、利用者の行動を比較した調査です。 それでも、AIで何を薦められたかと、その後どのサイトへ行ったかの間に差があるのは、無視できないと思います。検索結果の順位やクリック率だけを見ていると、その前にAI上で候補を絞っているお客さんとの接点を見落とすかもしれません。 AI推薦後の訪問経路 同じ調査では、AIが関わった後のブランドサイト訪問について、アクセス経路も集計しています。最も多かったのは検索で55.9%。AIから直接来た訪問は8.8%でした。AIが関わったとしても、訪問時の経路は検索になるケースが多いわけです。 AIが関わった後のブランドサイト訪問の経路 訪問経路 割合 検索 55.9% 直接アクセス 19.9% その他の参照サイト 13.5% AIからの参照 8.8% 参照:Similarweb「The Marketing Funnel Is Fragmenting」 (https://aisearch.similarweb.com/blog/marketing-funnel-fragmentation/)(丸めにより合計は100%と一致しません) 直接アクセスという分類だけでは、なぜその経路になったかまでは分かりません。ここで押さえたいのは、AIからの直接流入だけを数えても、その前のAIの関与を把握しきれないことです。AIで調べた人の行動と、解析ツールに付く流入元の名前は、同じものではありません。 訪問後の閲覧と滞在時間 Similarwebは、訪問後の閲覧も比較しています。AIが関わった訪問では、通常の訪問より平均ページビューと滞在時間が高いという結果でした。訪問数だけを比べたときには見えない違いがあります。 Similarwebの調査対象内での平均値 指標 AIが関わった訪問 通常の訪問 ページビュー 12.0ページ 6.5ページ 滞在時間 11.8分 5.6分 参照:Similarweb「The Marketing Funnel Is Fragmenting」 (https://aisearch.similarweb.com/blog/marketing-funnel-fragmentation/) 興味を持ってから来た人であれば、よく読んでくれるというのは理解できます。ただ、もともと興味の強い人がAIを使っていた可能性なども考えられます。AIを使わせれば閲覧や滞在が増える、と原因まで決め付けないことも大事です。 日本での生成AI利用 比較を始める場所としてのAI 「海外の話でしょう」と思われるかもしれません。 日本については、サイバーエージェントのGEO(Generative Engine Optimization)Labが公表した、2026年8月期の生成AIユーザー利用実態調査があります。全国15~69歳の男女9,278人を対象に、8月7日から10日に実施したインターネット調査です。比較・検討で最初に使うサービスとして、生成AIを選ぶ割合が増えています。 その目的で最初に使うサービスとして生成AIを選んだ割合 比較する内容 2026年2月 2026年8月 商品の価格など 9.8% 15.5% 旅行の宿泊施設 8.7% 14.8% 参照:サイバーエージェント GEO Lab「生成AIのユーザー利用実態調査」2026年8月期 (https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=33787)(商品比較の表記は、2月が「価格や特徴」、8月が「候補商品の価格」) また、全体の傾向として引き続き「比較・検討」の段階での生成AI利用率が高く、商品の価格や特徴の比較(9.8%)、旅行の宿泊施設の比較(8.7%)など、意思決定を伴う検索において生成AIの要約・比較能力が活用されています。 https://www.cyberagent-adagency.com/news/963/ (https://www.cyberagent-adagency.com/news/963/) また、全体の傾向として、引き続き「比較・検討」の段階における生成AI利用率が、すべてのジャンルで「情報収集」を上回っております。候補商品の価格比較(15.5%)、旅行の宿泊施設の比較(14.8%)、物件条件の比較(14.5%)など、意思決定を伴う検索で生成AIの活用が進んでいます。 https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=33787 (https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=33787) Ahrefsの参照元別データとは、対象も数え方も違います。 それでも、日本でも比較を始める場所としてAIを使う人が増えていることは、意識しておきたいですね。 推薦の後に検索し、購入した経験 同じ調査では、AIを利用する人のその後の行動も聞いています。回答中のリンクをクリックして詳しく調べた経験、推薦された商品を自分でも検索した経験、購入や利用に至った経験が調べられています。AIで候補を知った後、自分で調べる行動も続いています。 AI回答内のリンクをクリックして詳しく調べた経験が「よくある・時々ある」は61.0%。 推薦された商品・サービスを自分でもさらに検索した経験は77.3%。 推薦をきっかけに購入・サービス利用をした経験は58.7%。 (https://roundup-inc.co.jp/wp-content/uploads/2026/10/33787_ext_24_9.jpg) 参照:サイバーエージェント GEO Lab「生成AIのユーザー利用実態調査」2026年8月期 (https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=33787) これらは、全国の消費者全員が同じ割合で購入したという数字ではありません。AI利用者を対象にした設問の結果として読む必要があります。利用経験を尋ねた割合を、推薦1回ごとの購入率として扱わないようにしましょう。Similarwebの訪問経路の割合とも、そのまま比較はできません。 それでも、推薦されたものを購入・利用した経験がある人が6割近いのは、私はかなり多いと感じました。自分でもAIを頼りにすることはありますが、お客さんの候補選びにAIが関わる場面を、スルーするのは難しいと思います。 生成AIを使う人の広がり NTTドコモのモバイル社会研究所が2026年4月6日に公表した調査では、2月時点の生成AI利用率は51%でした。 (https://roundup-inc.co.jp/wp-content/uploads/2026/10/20260406_01-01.png) 対象は全国15~69歳で、有効回答は7,223人。対話・相談、検索・文章生成、画像などの生成を含む利用率です。仕事や商品検索だけに限った利用率ではありません。 参照:NTTドコモ モバイル社会研究所「生成AI利用率、過半数に。1年で急増」 (https://www.moba-ken.jp/project/lifestyle/20260406.html) 同研究所が掲載する前年2月の値は27%です。利用の種類や設問の条件には注意が必要ですが、使う人が広がっていることは分かります。AIを使う人の増加と、その人たちの購入までの行動を、両方見ていく必要がありますね。 自社のお客さんの行動をできるだけ知ることが大事 流入量だけでは決まらない優先順位 検索からの流入が多いから「SEOの勝ちだ」と判断すれば、AIで比較・検討しているお客さんを見落としてしまいます。 もちろん、「AIで露出が増えれば必ず売上が増える」とも言えません。トラフィック量で勝ち負けを決めても、お客さんが何を見て選んだかは分からないんですね。 この比較の問題は、実務で何を優先するかにもつながります。検索もAIも、お客さんが情報を探し、比較する過程で使われています。 私は、流入量だけで配分を決めず、自社のお客さんの行動から優先順位を考える必要がある…というかそれしかないかなと思っています。 そもそも検索から人が来ておらず、問い合わせも得られていない会社なら、選ばれるまでの流れから考える必要があります。 検索からの反響はあるけれど、だんだん減っている会社では、お客さんがAIをどう使っているかも調べたい。同じ「SEOかAIか」という相談でも、会社の現状によって取り組む順番は違います。 施策名と効果が見える時期 GEOやLLMOの営業を受けることもあるでしょう。と言うか多いですね…うちの会社にすら来ます(サービス概要を見てほしい) 一方、「従来のSEOをきちんとやればいい」という声もあります。 ただ、AI側の仕様はよく変わります。仕様や営業の話を追うたびに、毎月方針を変えていても仕方ありません。 私たちも自社でいろいろ実験しています。変更がすぐ反映されるものもあれば、1か月ほどで露出が変わるもの、半年たっても変化が見えないものもあります。 これは私たちの経験であって、保証できる期間ではありません。投資すると、いつ、どれだけ戻ってくるかを一律に約束するのは難しいですね。 ただ、定量的な結果が明確になるまで小さな実験を続けるだけでは、何も変わらないこともあります。この難しさは、きれいな答えで済ませられません。不確実さが残る中でも、会社とお客さんの状況を見ながら取り組む必要があると感じています。 実際、私もすべてのお客さまに同じことをお伝えしているわけではありません。定例の打ち合わせでも、毎回同じフォーマットで数字を報告して終わり、という形ではなくなっています。そのときの課題によって、話す内容も調べるデータも変わります。 お客さんに聞きたい3つのこと では、自社では何から考えるのか。まだ専門家へ相談する前の段階であれば、まずお客さんに聞いてみてください。 悩んだらこの3つのことを聞いてくださいね。 それは「入り口・比較・最後の確認」です。これを聞くと、頭の中で想像していたお客さんと、実際のお客さんの違いが見えてきやすいです。 もちろんもっと聞ければもっといいですよ。 入り口を聞く。最初に何をきっかけに知ったか。どんな言葉や条件で探したか。AIなのか、検索なのか、知人の紹介なのか。 比較の仕方を聞く。ほかに何を調べたか。何と比べたか。買わないという選択肢も含め、どんな代替手段を考えたか。 最後に確認したことを聞く。決める直前に何を調べ直したか。一度納得したのに、もう一度確かめたことは何か。 最後にもう一度調べることは、お客さんが特に気にしていた点かもしれません。業種や地域、商品によっても行動は違います。自分の頭の中にいる「脳内お客様像」だけで、優先順位を決めないようにしたいですね。 お客さんの行動に応える形で取り組むことは、社内の納得や合意を得る上でも大事です。以前は、インターネットの利点として「数字が取れるから、効果を説明しやすい」と言えた面がありました。今は、数字だけでは説明しきれない場面が増えています。何が分かり、何がまだ分からないかを共有しながら進める力も必要になっていると感じます。 購入や問い合わせにつながる受け皿 受け皿はもちろん大事 AIに推薦されても、その後に訪れるWebサイトやSNS(Social Networking Service)で必要なことが分からなければ、購入や問い合わせにはつながりにくいでしょう。商品をそのまま買える場合などを除けば、推薦された後に、お客さんが安心して選べる受け皿も必要です。 結局、お客さんが知ってから買うまでの流れを見て、途中で止まっているところから改善していく。その考え方は変わりません。SEOとAIを別々に競わせる前に、顧客の行動全体で何が不足しているかを見たいですね。 分からないからといって、黙って待っていればいいとも思いません。2000年代前半を経験してきた身としては、インターネットの黎明期に試行錯誤した企業が、その後に成果を出していった実感があります。 混沌としている今だからこそ、取り組んで分かることがある 私自身、2026年、2027年は、AIを含むWebマーケティング全体に本腰を入れる時期だと感じています。その際もアクセス数に加えて、お客さんの比較・検討や購入を妨げているものを確かめたいですね。 自社ではどこでお客さんが止まっているのか、取り組んでいるつもりでも方向がずれていないか。そうしたご相談は、ラウンドナップWebコンサルティングでも承っています。会社とお客さんのことを理解しているパートナーと一緒に考えることも、一つの選択肢です。 まとめ:トラフィック量だけで、AIとSEOの優劣は決められない トラフィック量はサイトへ来たときの経路を示す数字です。その大小だけでは、購入や問い合わせへの貢献の優劣は決められません。 AIで候補を絞った後に検索から訪れる人もいます。検索流入として記録されたアクセスにも、購入前のAIの関与があり得ます。 調査ごとに対象・設問・分類が違います。訪問との関連や利用経験を、売上への因果や購入率として読まないことが大事です。 アクセス解析で分からない過程を知るために、入り口・比較・最後の確認をお客さんに聞いてみましょう。 AIに薦められた後のWebサイトも含め、お客さんが購入や問い合わせまで進める状態を作ることが必要です。 参考資料 Ahrefs「AI vs Search Traffic Analysis」 (https://ahrefs.com/benchmarks/ai-vs-search)(2026年9月データ) Google Analyticsのデフォルトチャネル定義 (https://support.google.com/analytics/answer/9756891?hl=en) Google Analyticsの更新情報 (https://support.google.com/analytics/answer/9164320?hl=en) Similarweb「Being Recommended in AI Makes Users 2.5x More Likely to Visit Your Site」 (https://aisearch.similarweb.com/blog/ai-visibility-downstream-impact/) Similarweb「The Marketing Funnel Is Fragmenting」 (https://aisearch.similarweb.com/blog/marketing-funnel-fragmentation/) サイバーエージェント GEO Lab「生成AIのユーザー利用実態調査」2026年8月期 (https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=33787) NTTドコモ モバイル社会研究所「生成AI利用率、過半数に。1年で急増」 (https://www.moba-ken.jp/project/lifestyle/20260406.html) 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 (https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892) YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN (https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN) Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj (https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj) Amazon Music Amazon Podcasts (https://music.amazon.co.jp/podcasts/d4be5053-4577-4aa4-81c1-d6ba6ad958f3/web%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%88%E4%B8%AD%E5%B1%B1%E9%99%BD%E5%B9%B3%E3%81%AE%E3%80%8C%E4%B8%AD%E5%B0%8F%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%82%92%E5%BC%B7%E3%81%8F%E3%81%99%E3%82%8Bweb%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA%E3%80%8D) ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 (https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7) 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第607回:AIとSEOの話題でありがちな「トラフィック量」基準での比較の問題点について (https://roundup-inc.co.jp/podcasts/podcasts-23351/) は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) (https://roundup-inc.co.jp) に最初に表示されました。
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